“麦子さんと ★★☆
(2013年日本映画)

監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔、仁志原了
出演:
堀北真希、松田龍平、麻生祐未、ふせえり、岡山天音、温水洋一、余貴美子

 

幼い頃に父親と離婚しそのまま会うこともなく、顔も覚えていなかった母親が突然現れて同居したと思ったら、末期肝臓がんであっという間に死去。
その遺骨を納骨するため母親の故郷にひとりやってきた娘=小岩麦子が、その町でかつての母親を知る多くの人々から歓迎され、まるで知らなかった母親の人間像に触れる、というストーリィ。

DVD鑑賞ですが、本作品を観たのは小林信彦「女優で観るか、監督を追うか」にて、連続ドラマ「きょうは会社休みます」主演の綾瀬はるかと並んで、本作品主演の堀北真希が激賞されていたから。

麦子は同じ年齢の頃の母親と瓜二つらしい。そのため、故郷の町で出会う人、出会う人が皆子を振り向くことから、麦子は困惑するばかり。
その母親=赤池彩子は昔、この町のアイドルのような存在だったらしい。
埋葬許可証を失くしてしまったことから麦子は、予定外にこの町に連泊することになります。

面どうしてかたくなだった麦子の心が、紆余曲折を経てようやく母親への思いを素直に自覚するまでを描いたストーリィ。

昔の母親を知る夫婦が経営する旅館に泊った麦子が、その家の親子関係を目撃するという設定も、麦子が自分と母親の関係と照らし合わせるという点で効果的です。

余貴美子の演技はいまさら言うまでもありませんが、大人になり切っていない若い娘が内に秘めた複雑な心情、切ない気持ちを堀北真希が好演しています。
大きく感動的といったドラマではありませんが、しみじみと親子の関係を味わい、考えさせる良質の作品になっています。

2016.02.07

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