“魍魎の匣(もうりょうのはこ) 
(2007年日本映画)

監督:原田眞人
原作:京極夏彦
脚本:原田眞人
出演:
堤真一
、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈、黒木瞳、柄本明

 

人気があるらしい京極夏彦さん原作、“憑物落とし”の京極堂こと中禅寺秋彦が奇怪な事件に立ち向かう“京極堂”シリーズの映画化第2弾。
なお、原作の「魍魎の匣」は第49回日本推理作家協会賞受賞作。

普通私が観ない傾向の映画なのですが、田中麗奈が出演しているという点にふと惹かれたのと、京極作品は未だ読んだことがないのでどんなストーリィなのか映画から知ってみようかと、魔が差した次第。
結果から言うと、う〜ん、私の好みではないなぁ。

終戦から7年後の1952年、東京が舞台。
探偵の榎木津礼二郎は元人気女優の柚木陽子から、失踪した娘・加菜子の捜索を依頼されます。
一方、作家の関口巽はカストリ雑誌の記者から少女バラバラ連続殺人事件に関する記事を依頼され、やはり記者の中禅寺敦子(京極堂の妹)と共に事件と関わりあると思われる新興宗教“深秘御筥教”の取材に向かいます。
さらに、少女バラバラ連続殺人事件を担当中の青木刑事は、加菜子がホームから転落して進入してきた列車に轢かれた現場に行き合わせる。病院に担ぎ込まれた加菜子は高名な美馬坂医学教授の手術によって命をとりとめるが、その後の経過は不明なままとなる。
事件のすべては美馬坂医学教授の研究所である、丘の上に立つ巨大なハコ型の建物に帰結するらしい。榎木津、関口らから引っ張り出された、京極堂は関係者全員を引き連れ、そのハコ型の建物へと向かう、というストーリィ。

3本のストーリィが時間を前後しながら並行して進んでいく展開は、面白いと思いました。油断するとストーリィが判らなくなりそうです。
しかし、仰々しく、おどろおどろしい割りに、事件の真相はあまり大したものではなかったなぁと思います。謎の不可解さより、事件の奇怪さ、異様さが主眼なのでしょうか。
ただ、レイトショーという遅い時間、観客の少ない中で観た分、怖さがちと増したかな。

※観終わった後、どこかでこのような話を読んだような・・・と思っていたら、昔に読んだSF小説、ベリャーエフ「ドウエル教授の首」を思い出しました。

 
2008.01.05

     


  

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