“君は月夜に光り輝く” ★★
(2019年日本映画)

監督:月川翔
原作:佐野徹夜
脚本:月川翔
出演:永野芽郁、北村匠海、甲斐翔真、優香、生田智子、長谷川京子、及川光博

  

私は読んでいないので認識していなかったのですが、メディアワークス文庫「君は月夜に光り輝く」の映画化だそうです。
皮膚が輝き出すようになると死が間近になるという不治の病“発光病”で入院している女子高校生と、クラスメイトの男子高校生との間における高校青春ラブストーリィ。

余命僅かという難病を抱えた女子高校生との青春恋愛もの、主役の片方を演じるのが同じ北村匠海とあって、住野よる原作「君の膵臓をたべたい」と比較してしまうのは当然のことでしょう。

寄せ書きへ最後に書いた生徒が入院中のクラスメイトにそれを届けることになっていると言われ、岡田卓也はそれまで会ったこともない渡良瀬まみずを入院中の病室に訪ねます。
ひょんな成り行きから卓也は、「余命ゼロ」だというまみずに頼まれ、彼女がやりたいと思っていることを代わりに実行する、という代行体験を引き受けることになります。
ひとりで遊園地に行ったり、豪華パフェを食べさせられたり・・・・。

そんなことを繰り返している内に、2人の気持ちは次第に近づいていき・・・。

エリック・シーガル「ラブ・ストーリィ」の昔から、定番のような物語設定ですが、少しも色褪せず、むしろ清新な印象を受けるのは、主役の2人、永野芽郁と北村匠海の爽やかな好演のおかげでしょう。
同情とかいう感情の前に、相手はどういう人間なのか、どう感じているのか。そうしたことへの関心、そして自分は何ができるのかという思いが、まずあるからではないかと思います。

「君の膵臓」での浜辺美波の明るい可愛らしさも魅力でしたが、本作での永野芽郁には少々窺い知れないといった要素があり、同作よりちょっぴり大人の高校生という印象を受けます。

なにはともあれ、実際には現実にならなかった2人のデートシーンが心に残ります。
観終えた後は、少しの切なさを含んだ爽快感が胸を満たします。佳作。

2019.03.21

            


  

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