1963年の傑作時代劇「十三人の刺客」のリメイクとのこと。
非道の限りを尽くす将軍家慶の実弟にして明石藩主の松平斉韶(なりつぐ)。
1年後には老中就任と家慶が約束したことから、老中・土井利位は危機感を強くし、御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺を命じる。
島田新左衛門は、彼の元に集まった12人と共に、明石藩参勤交代の一行を木曽・落合宿で準備万端待ち構える。しかし、13人の前に現れたのは予想をはるかに超えた
200人の明石藩士。かくして闘いの火ぶたは切って落とされた・・・という時代劇アクション。
前半、稲垣吾朗演じる斉韶の、酷薄・残虐ぶりが凄絶にして圧巻。夜の屋敷内を暗くし、女優にお歯黒をさせて当時の時代を忠実に映したところが、リアルさを高めています。
それと対照的に、後半の 200人対13人の闘いは見応えあるとはいうものの、スケールを大きくした点を除けば単調、平凡かもしれません(「七人の侍」と比較してしまうからかもしれませんが)。
私の本作品への興味は、池宮彰一郎原作、という点。そうかぁ、この「十三人の刺客」があって、小説家デビュー作となった「四十七人の刺客」に繋がったのかという納得感が得られました。
ただ、時代劇に近代戦を持ち込んだにしては、すぐさま肉弾戦の闘いに移ったのはいただけない。
200人対13人というのはどうみても非合理的な闘い方法と言わざるを得ません。
なお、剣戟シーンの中で一際目を引かれるのは、やはり松方弘樹。こうしたシーンになると貫禄がありますね。老いたりと言えどもこうしたシーンになると元気なものだと感心します。
まぁ、時代劇としては久しぶりなアクション巨編であるのは事実でしょう。
2010.10.03
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