“ゴジラ−1.0” ★★
(2023年日本映画)

監督:山崎 貴
脚本:山崎 貴
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、安藤サクラ

  

なんだかんだと近年、ゴジラ映画を見たのは3作目。
米国映画「GODZILLA ゴジラ」(2014)、「シン・ゴジラ」(2016)に続き本作、という状況です。
その中で、1954年公開の最初の「ゴジラ」に一番近い気がします。

本作の舞台設定は、敗戦後すぐの時代。まだ自衛隊も存在していないという時代設定はゴジラ映画の中では珍しい。
そのため、ゴジラと戦うのは自衛隊でも政府機関でもなく、旧日本海軍の駆逐艦や元海軍の復員兵であるというのには、何ともはや。
それでもゴジラの迫力は、中々のもので、観ているだけでも本当に恐ろしい。

ストーリィは、ゴジラとの戦いと並行して、神風特攻隊から逃げ出して日本に生きて戻った敷島浩一と、縁もゆかりもない女性から託された赤ん坊を必死で守ろうとする若い女性=大石典子が、偶然の出会いをきっかけにひとつ家族のように一緒に暮らしているという人間ドラマが描かれます。
女児と一緒にこれからの日本を生き抜いていこうとする典子と、未だ戦争のトラウマを引きずっている浩一という姿には、これまでのゴジラ映画とは異なる観応えがあります。

また、ゴジラとの戦いに局地戦闘機<震電>が登場してくるのは、かつての戦闘機好きにとっては堪らない楽しみ。結局試作機だけで終わり、実戦に投入されることのなかった、後部に大型プロペラを備える珍しい機種ですから。

なお、浩一と典子を演じるのは、神木隆之介と浜辺美波というコンビ。
ちょうどNHKの朝ドラ「らんまん」で夫婦を演じたお二人ですが、キャストが決まったのは本映画の方が先。とのこと。

ゴジラという存在、その強さは恐怖でもありますが、米国の水爆実験の結果生まれた怪獣だと思うと、ゴジラもまた犠牲者であり、憎めないのですよね。

2023.11.03

            


  

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