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1.国家の罠 2.交渉術 |
●「国家の罠−外務省のラスプーチンと呼ばれて−」● ★★ |
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2007年11月
2005/11/27
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鈴木宗男議員を中心とした対露外交をめぐる事件に絡み、外務省における問題人物とされた元主任分析官・佐藤優氏による手記。事件扱いされたその経緯を明らかにするというのが本書のテーマのようです。 全体を通した印象は、これはもう政治の世界だな、ということ。 なお、本書冒頭は田中真紀子議員の外相就任により外務省内部が引っ掻き回され、それによって外務省に残された傷は大きかったというところから書き出されています。 「わが家」にて/逮捕前夜/田中真紀子と鈴木宗男の闘い/作られた疑惑/「国策捜査」開始/「時代のけじめ」としての「国策捜査」/獄中から保釈、そして裁判闘争へ |
●「交渉術 THE ART OF NEGOTIATION 」● ★★ |
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2011年06月
2009/03/04
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外務省を揺るがした鈴木宗男議員、本書の著者である佐藤優氏の罪状真否、その是非はともかくとして、外交というものを語ったうえで本書は見事な一冊です。 まず冒頭、佐藤さんは“インテリジェンス”の説明から語り起こします。 とにかく、一般の国民には知ることができないような外交の舞台裏がまざまざと語られていく。それも有力政治家、外務省幹部の実名がぼんぼん出てきての上ですから、その面白いことこのうえない。 北方領土返還などとてもそう簡単に進むものではないと思っていましたが、実際には具体的な視野にまで入っていたというのですから驚きです。 本書でも後半になって登場していますが、ロシアと日本の外交表舞台を面白く語ったのが米原万里さんなら、魑魅魍魎が蠢く裏舞台を本書で明るみに引っ張り出して語ったのが佐藤優さんと言えるでしょう。 神をも論破する説得の技法/本当に怖いセックスの罠/私が体験したハニートラップ/酒は人間の本性を暴く/賢いワイロの渡し方/外務省・松尾事件の真相/私が誘われた国際経済犯罪/上司と部下の危険な関係/「恥を捨てる」サバイバルの極意/「加藤の乱」で知るトップの孤独/リーダーの本気を見極める/小渕vsプーチンの真剣勝負/意地悪も人心掌握術/総理の女性スキャンダル/エリツィンの五段階解決論/米原万里さんの仕掛け/交渉の失敗から学ぶには |