フランシス・メイズ著作のページ


Frances Mayes  米国ジョージア州フィッツジェラルド生、ランドルフ・メイコン女子大学、フロリダ大学、サンフランシスコ州立大学にて学ぶ。詩人として知られ、これまで5冊の詩集を出版。夫のエドとともに、カリフォルニアとトスカーナの往復生活を続けている。

 


 

●「トスカーナの休日」● ★★
 
原題:"UNDER THE TUSCAN SUN"
     訳:宇佐川晶子

 
トスカーナの休日画像
 
1996年発表

1998年5月
早川書房刊

2004年4月
早川書房再刊
改題・改訂版
(1500円+税)

 

2005/03/25

ダイアナ・レイン主演の同名映画を観て、原作も読んでみたいと思って読んだ一冊。
原作と映画がかなり異なるというのはよくあることですが、これは相当に違う。なにしろ、原作がエッセイであるのに対し、映画はフィクションなのですから。

サンフランシスコの大学教授である著者は、かねてからイタリア中部のトスカーナ地方に家を買うことを夢見ていたらしい。
ついに一大決心をして購入したのは、“ブラマソーレ(=太陽を焦がれる)”という名前を持つ古い一軒家。ブラマソーレというのは、ブラマーレ(焦がれるの意)とソーレ(太陽の意)という2つの言葉から名づけられた名前だそうです。
このブラマソーレ、コルトーナという町の郊外、何と6千坪もある土地に建っている家だというのですから驚きます。
30年間誰も住んでいなかったというのですから、住むための改修にとりかかった著者とそのパートナー・エド氏の奮闘は、それはもう大したものです。
サンフランシスコでの都会生活とは全くかけ離れた生活がそこで始まりますが、改修の苦労さえも楽しくて仕方がないという2人のうきうきした気分が、文章の端々から伝わってきます。
何しろ日差しは明るく、花や木は咲き誇って美しく、色香・味覚とも充分な果実・野菜を収穫し、食べ頃に合わせて食しているというのですから。著者の料理好きも、トスカーナの生活を満喫している理由のひとつでしょう。(それもあって「夏と冬のキッチン・ノート」(レシピ)付き)
大学シーズンはサンフランシスコで働き、長期休暇に入るや否や飛行機に飛び乗ってトスカーナ入り。著者はそんな生活を繰り返しているだそうです。
米での都会生活と、伊での労働に明け暮れる健康的な地方生活を交互に送る日々。これってかなり素敵です。ただし、かなりのバイタリティが必要と思いますけど。
ピーター・メイル「南仏プロヴァンスの12か月にも通じる楽しいエッセイ。

※映画化 → 「トスカーナの休日」

 


   

to Top Page     to 海外エッセイ等 Index