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3.きっと君は泣く 6.ブラック・ティー 7.絶対泣かない 8.群青の夜の羽毛布 10.そして私は一人になった |
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●「パイナップルの彼方」● ★★ |
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東京で一人暮しの鈴木深文、23歳。勤務先は父親のコネで入った信用金庫。毎週末泊りに来る恋人もいて、職場では先輩OLともうまくやり、バイトでイラスト書きもしている。また、短大からの友人であるなつ美と月子が、それぞれ早い結婚あるいは挫折の繰り返しをしているのを尻目に、ひとりふてぶてしい程にマイペース。 |
●「ブルーもしくはブルー」● |
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1999/02/15 |
都会の一流サラリーマンと結婚、けれど夫の愛を得られず不倫している蒼子。そんな蒼子が、偶然立ち寄った博多で自分とうりふたつの蒼子Bと出くわす。 でも、誰しも人生の岐路で迷った経験があれば、一度は別の人生を夢見ることがあったでしょう。本書はそんな期待に応えた作品かもしれません。期待通りの結末だったかどうかは別として。 |
●「きっと君は泣く」● ★☆ |
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1997年07月
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「・・・・ほんとうに美しい心ってなんだろう? 清々しく心洗われる、“あなた”の魂の物語」 主人公は桐島椿、23歳、コンパニオン派遣会社に勤務。美人であることがすべて、という考えで生きてきた椿は、男とも出会い頭にセックスするような生活を続けていて、少しも恥じるところがありません。また、同性に対してはと言えば、手当たり次第に敵扱いするような性格。唖然とするばかりの主人公像です。 |
●「あなたには帰る家がある」● ★★ |
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1994年08月
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のめり込むように、一所懸命に読んでしまいました。素晴らしく感動的、あるいはスリル満点というようなことではなく、他人事とは思えないようなストーリィだからです。 |
●「眠れるラプンツェル」● ★★ |
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1995年02月 1998年04月 2006年06月
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表紙裏には「専業主婦が隣の家の子供に恋してしまうとは―!」とあります。果たしてどのようなストーリィなのか、 読む前から戸惑う気持ちがありました。 主人公・汐美は、結婚後6年目の専業主婦。子供はなく、夫はCMディレクターで殆ど家に帰って来ない、毎日をぼんやり過ごしているといった風です。しかし、本人は、とても楽で、自由で、退屈なのが好き、と満足しています。 |
●「ブラック・ティー」● ★★ |
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1997年12月
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ちょっとした軽犯罪、ちょっとしたいけないことを
一貫したテーマとする、軽いショート・ストーリィ、10篇。 思わず笑ってしまうのが「百年の恋」「夏風邪」。せつない思いをするのが「ブラック・ティー」「少女趣味」「誘拐犯」。思わず仰け反ってしまうのは「寿」。ショート・ストーリィなのに、この凄みは強烈でした。 ブラック・ティー/百年の恋/寿/ママ・ドント・クライ/少女趣味/誘拐犯/夏風邪/ニワトリ /留守番電話/水商売 |
●「絶対泣かない」● ★★ |
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1998年11月
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それぞれ苦しいこと、悩みをかかえつつも、健気に頑張って働いている女性たちを描いたショート・ストーリィ、15篇を収録した一冊です。 花のような人(フラワーデザイナー)/ものすごく見栄っぱり(体育教師)/今年はじめての半袖(デパート店員)/愛でしょ、愛(漫画家)/話を聞かせて(営業部員)/愛の奇跡(専業主婦)/アフターファイブ(派遣・ファイリング)/天使をなめるな(看護婦)/女神の職業(女優)/気持ちを計る(タイムキーパー)/真面目であればあるほど(銀行員)/もういちど夢を見よう(水泳インストラクター)/絶対、泣かない(秘書)/卒業式まで(養護教諭)/女に生まれたきたからには(エスティシャン) |
●「群青の夜の羽毛布」● ★★ |
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1999年04月 2006年05月
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丘の上の住宅に住む、女ばかり3人の家族。教師をしている母親と、家事専業の長女・さとる、そして自由奔放なところのある次女・みつる。 |
●「みんないってしまう」● ★☆ |
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1999年06月 2000/05/13 |
この短篇集での一貫したテーマは、
“対象喪失”とのこと。 人生の局面において、誰しも大事なものを失い、また取りこぼすということを繰り返していくものでしょうが、その刹那はとても哀しいものです。 裸にネルのシャツ/表面張力/いつも心に裁ちバサミ/不完全自殺マニュアル/愛はお財布の中/ドーナッツ・リング/ハムスター/みんないってしまう/イバラ咲くおしゃれ道/まくらともだち/片恋症候群/泣かずに眠れ |
●「そして私は一人になった」● ★★ |
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2000年08月 2008年02月
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離婚後、初めての一人暮らしを初めた文緒さんの、1年間の日記エッセイです。時期は1966年、年齢は33歳(最初は32歳)のことです。 自称「まだそんなに売れていない作家」とのことですが、暮らし振りは地味なものです。一日中、人に誰も会わず、コンビニ弁当やらで食事を済ませ、狭い部屋に閉じこもって原稿をコツコツと書いている、という文緒さんの姿が彷彿としてきます。作家といっても、売れっ子にならなければそれ程良い職業ではないなあ、と実感します。文緒さん曰く、自分に向く職業が何か、というだけの違いということですけれど、納得できます。 そんな普段着の日記に、幻冬舎・山口さんとのインド2人旅の筈が、81歳の老婆クミコさんに乱入された紀行、2000年4月の日記を加えた文庫化。文緒ファンなら、嬉しい一冊だと思います。 そして私は一人になった/(特別紀行エッセイ)ナマステ・クミコ/四年後の私−2000年・春、書き下ろし |
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