河出書房新社編アンソロジーのページ

 


                   

「覚醒するシスターフッド ★☆




2021年02月
河出書房新社

(2200円+税)



2021/04/23



amazon.co.jp

国内外作家10人による短編集。
話題となり発売即増刷となった「文藝」2020年秋季号での特集、そこで掲載された小説作品をまとめての単行本化、とのこと。
テーマは、女性たちの連帯、自由、のようです。

それなりに期待して読んだのですが、う〜ん、今一つ乗れず。
で、結局2篇は読み残してしまいました。

女子グループでの連帯、そのままのストーリィと言えるのは、サラ・カリー「リッキーたち」と柚木麻子「パティオ8」
柚木さんについては元々女子グループの姿を描くところからスタートした作家さんですから、まさに面目躍如、本テーマにぴったり嵌り過ぎ、と言ってよいくらい。
ヘレン・オイェイェミ「ケンブリッジ大学地味子団」は、設定こそ男子団と女子団の対決とそれらしいのですが、ストーリィとしては個人的な恋愛における勝負ごと、です。

藤野可織「先輩狩り」は、藤野さんらしいファンタジー的かつ危うさの漂う近未来を描いた篇。
マーガレット・アトウッド「老いぼれを燃やせ」については「侍女の物語」の印象が未だに残っていた所為か、どんな篇だろうと特に興味があったのですが、やはり近未来、恐ろしさを感じさせられます。

こだま「桃子さんのいる夏」は楽しめるストーリィ。一方、桐野夏生「断崖式」について連帯と口にするのは・・・・。

サラ・カリー「リッキーたち」(岸本佐知子訳)
柚木麻子  「パティオ8」
ヘレン・オイェイェミ「ケンブリッジ大学地味子団」(上田麻由子訳)
藤野可織  「先輩狩り」
文珍    「星空と海を隔てて」(濱田麻矢訳)
大前粟生  「なあ、ブラザー」
こだま   「桃子さんのいる夏」
キム・ソンジュン「未来は長く続く」(斎藤真理子訳)
桐野夏生  「断崖式」
マーガレット・アトウッド「老いぼれを燃やせ」(鴻巣友季子訳)

        


   

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