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1.ゴールデンラッキービートルの伝説 2.プラットホームの彼女 3.わたしたちの、小さな家 |
1. | |
「ゴールデンラッキービートルの伝説」 ★★ 新潮エンターテイメント大賞 |
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小学校最終学年の3組に集まった生徒たち。 幾つもの物語の中にあってその主となるのは、男子2人+女子1人によるひと夏の友情と冒険の物語。 過去は失われたものではなく、今も奥底で生き続けているという作者のメッセージが嬉しい。 1.ウサギを殺したのは誰?/2.魔女とモデルガン/3.ジャンクショップのキセキ/4.虹の環/終章 |
2. | |
「プラットホームの彼女」 ★★ |
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2017年06月
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悩みや苦しい思いを抱えながら駅のホームに佇む人たち。 その彼らに寄り添うように現れる、夏の白いセーラー服姿の女子高生。 その彼女の言葉に後押しされて、各人の各人の人生が変わっていく。 一体彼女は何者なのか。ファンタジー要素ある連作ストーリィ。 ・「始発電車の彼女」:親友と行き違いしたまま転校してしまって良いのか。悩む男子高校2年生・・・。 ・「ヌー」:28歳になる加藤。あの日、同級生のヌー(仇名)の言葉に踏み出せなかった自分を振り返る。 ・「お母さんのシチュー」:愛しい一人娘の死から未だ立ち直れずにいる母親・・・。 ・「黄金時代」:高校受験に悩む中三女子・・・。 ・「ほおずき」:通り魔に刺殺された女子高生と僅かの間付き合っていた主人公の口から、かつて彼女がどんな女子高生だったかが語られます・・・。 ・「最終電車の彼女」:「ほおずき」と繋がる形のミステリ。 幽霊の彼女が今ここに、夏の時期このホームに現れる。その理由を解き明かすストーリィ。 ※ふと、北村薫「ターン」を思い出します。 夏のセーラー服姿で駅のホームに現れる彼女、少しも幽霊らしくなく、誰に対しても親切で優しいキャラクター。 彼女のキャラクター故に、爽やかな、そして忘れ難い思い出を添わせる青春譚です。 始発電車の彼女/ヌー/お母さんのシチュー/黄金時代/ほおずき/最終電車の彼女 |
3. | |
「わたしたちの、小さな家」 ★★ |
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大学生の片倉希は、翻訳家の祖母と古い一軒家でずっと2人暮らし。 両親は希が幼い頃に事故で死んだと聞かされているが、どういう訳か自宅には2人の写真すら残っておらず、希は両親のことを全く知らないままに生きてきた。 それでも優しく思いやりのある祖母、大切な友人、そして付き合い始めた恋人に囲まれ、それなりに落ち着いた生活を希は送っています。 そんなごく普通の日常にどんな謎があるというのでしょうか。しかし、希は時折り家の中に、何か得体のしれないものの存在を感じることがあった。 そしてついに、祖母が突然倒れた時から、その謎がフタを開けます。それは希の両親の死にも繋がる謎だった・・・。 少々不穏な雰囲気があるといった程度のごく平凡な日常光景から始まるストーリィでしたが、クライマックス場面での切れ味鋭いスリル感は、もう酔いしれる程に圧巻! 久方ぶりに味わったこの感覚は快感と言えるくらいです。 そして全てが決着した後の平穏な静けさ、直前の場面と対照的だからこそ胸に残ります。 この快感は、お薦め! |