古野まほろ作品のページ No.1


東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Droit et Politique de la Sécurité」専攻修士課程修了、学位授与機構より学士(文学)。警視庁Ⅰ種警察官として交番、警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務後、警察大学校主任教授にて退官。2007年「天帝のはしたなき果実」にて第35回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。


1.身元不明

2.監殺

3.
新任巡査

4.警察手帳

5.新任刑事

6.R.E.D.
-警視庁特殊防犯対策官室-

7.R.E.D. ACTⅡ
-警視庁特殊防犯対策官室-

8.警察官白書

9.R.E.D. ACTⅢ
-警視庁特殊防犯対策官室-

10.女警

終末少女、陰陽少女、老警、オニキス、新任警視、オニキス2、征服少女、侵略少女

 → 古野まほろ作品のページ No.2

  


  

1.

「身元不明 Jane Doe -特殊殺人対策官 箱﨑ひかり- ★☆


身元不明

2015年05月
講談社刊

(1700円+税)

2017年12月
講談社文庫化


2018/12/30


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図書館の書架で目に留まった一冊。
R.E.D.の主役の一人、あの箱﨑ひかり警視だよね?
ということで読みました。

2020年の東京オリンピックを機に新設された
東京メトロ湾岸線
その日比谷駅で目玉のアクアリウムに、全裸の女性が遺体となって発見される。密室事件?
さっそく湾岸警察署に捜査本部が設置されますが、警視庁捜査一課からそこに管理官として乗り込んできたのが、刑事たち皆が瞠目するゴスロリファッションに身を包んだ、25歳のキャリア警察官、箱﨑ひかり警視。
日比谷駅を皮切りとして、湾岸線各駅で次々と奇怪な状況で遺体が発見されるという連続殺人事件に。
その状況に箱﨑は、湾岸署のベンテラン・ゴンゾウ(無気力)刑事の
浦安巡査部長を相棒役とし、捜査本部を飛び出し独力で事件解明に向けて走り出します。

ミステリとしての面白さもあるものの、既に「R.E.D.」3冊を読了している今、関心処は箱﨑ひかり警視の人物、そして「R.E.D.」以前の経緯。
すぐ「R.E.D.」に繋がる訳ではありませんが、それ以前の経緯はそれなりに分かり、一応満足です。


第1章/第2章/第3章/第4章/終章

  

2.

「監 殺 ★☆  
 (単行本時:監殺 警務部警務課SG班) 


監殺

2015年09月
角川書店

2021年02月
角川文庫

(800円+税)



2021/12/03



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現代版、かつ警察内部を標的とした“必殺仕置人”とでも言うべきストーリィ。

キャリアの警察本部長が記者会見場で「天誅!」という声と共に監察官室長により刺殺されるという、前代未聞の事件、不祥事がB県警にて発生。
危機感を覚えた宮内警察庁長官によって崩壊したB県警立て直し策の一環として新たに設置されたのが、職務倫理教養を徹底させるための専従班=
警務部警務課SG(巡回教養)班
集められた班員は5名。いずれも警察内ではハグレ者と評されてきた人間ばかりのため誰からも軽視される存在に過ぎなかったのですが、実は5人が5人とも強烈な個人スキルを備えた人物=仕置人である、という次第。

読み始めた当初は、どんな展開になるのだろうと思いつつ読んでいたのですが途中で、あぁこれは現代版“必殺仕置人”だと気づくと、本作の構図がはっきり見えてきました。
※TV「必殺仕置人」といえば、同心・中村主水ですが、SG班の班長が中村文人警視という設定は、その流れでしょうか。

本作で中心となる事件は、B県警から警察庁への出向を経験しエリートと評価されていた優秀な若手警部が、上司らの非道極まるパワハラを受け続け、7年前に鬱病と診断され2年半後は無給扱い、そしてついに先の冬に自殺?したというもの。
そこは警察ものらしく、確かな裏付け調査から始まります。

ストーリィ構図はある意味単純ですが、本作の面白さは、何故そういうことが警察内で起こりうるのか、何が目的で起こすのか、防止する仕組みはないのか、という点が警察組織特有の問題として詳細かつリアルに描き出されている処にあります。
こんなことが実際にまかり通っているとしたら、庶民としてはやっていられません。


序章.監殺とは/1.県警崩壊/2.監殺班、起動/3.非違調査その1(被害者)/4.非違調査その2(参考人)/5.非違調査その3(被疑者)/6.裏公安委員会/7.THE KANSATSU/終章.因果の糸車

      

3.
「新任巡査 Rookie ★★☆


新任巡査

2016年02月
新潮社刊
(2600円+税)

2019年03月
新潮文庫化
(上下)



2016/03/20



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著者の古野さんは冒頭「物語の前に」にて、「これは警察小説であり、職場小説です」と前置きしていますが、実際読んでみてその言葉どおりであると同時に、その言葉以上の作品であったと実感。
さらに言うと、とんでもない作品を読んだ、というのが率直な思いです。

主人公は、
上原頼音(らいと)内田希(アキラ)という男女2人の新任巡査。アキラが警察学校同期54人中 第2位の成績であったのに対し頼音は第31位。にもかかわらず頼音はアキラと共に何故か愛予県警で筆頭署の愛予警察署に配属されます。交番は頼音が愛予駅東口、アキラが同西口交番。
2人が配属されてからの職場、仕事に関する描写が実に緻密。ここまで書くかと思われる程緻密に緻密を重ね尽くしている、という風。でもその分、警察の仕事が良く判るのです。ただ立っているだけに見えた交番のお巡りさんの背景にこれだけ深いがあったとは。とても勉強になったという気分です。
要は、目を瞠り耳を澄ませ、見聞きしたことから何一つ見逃さずに学び、どう行動すべきかを自分の頭で考え、そして率先して行動する、と言うことでしょうか。
約 500頁位までがそんなストーリィなのですから、全く驚かされます。

しかし、本書はそれだけで終わりません。そこから、それまでの細かな出来事が全て伏線となって、
「愛予市女子生徒連続行方不明事件」へと、それも信じ難い真相へと繋がっていくのですから、最初から最後まで圧倒され続けたと言って過言ではありません。

堂々 650頁という驚愕の警察職場ストーリィ。
重厚かつ緻密なストーリィにがっぷり向かい合いたい方に、是非お薦めです。後悔すること、まず無し!


序章.警察学校
ライトの章:1.卒業式/2.警察署/3.独身寮/4.初出勤/5.朝会/6.交番/7.立番Ⅰ/8.立番Ⅱ/9.休憩/10.巡回連絡Ⅰ/11.巡回連絡Ⅱ
ライトの章から、アキラへ
アキラの章:12.警ら・職務質問Ⅰ/13.警ら・職務質問Ⅱ/14.夜の警察署/15.夜明け前の交番/16.10当務日/17.非違事案/18.非番/19.最後の当務/20.受傷事故/21.卒業試験(一次)/22.卒業試験(二次)/23.卒業試験(最終)/24.開かずの間/25.同期/26.検挙
終章.警察学校

   

4.

「警察手帳 ★★


警察手帳

2017年03月
新潮新書刊

(800円+税)



2017/04/08



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キャリア警察官出身の作家による“警察”の詳細かつリアルな解説本。

警察ものサスペンスやミステリを読んでいると、ここのところは何故?と疑問に思ったりすることあるもの。その点、本書を読んでおけば戸惑うことも少なくなるだろうと期待できます。
警察官の階級や昇進制度の仕組みや、警察庁と都道府県警察の違いと由来、都道府県本部と警察署の関係等々、そうした組織面から、個々の警察官同士の関係まで、具体的かつリアルに理解できるという一冊です。

なお、警察ものを数多く読んでいると、それなりに警察の仕組みもわかってくるというのも事実です。
私の場合で言うと、
今野敏「隠蔽捜査でかなり知識が増えました。なにしろ、主人公の竜崎はキャリア警察官で直前の役職は警察庁の総務課長、不祥事で左遷され警視長という階級でありながら現在は大森署の署長という珍しいキャラクターですので、組織・階級問題がいつもストーリィを賑わせますから。

上記の作品はともかくとして、本書を読んで、古野まほろさんの今後のミステリ作品が楽しみになりました。


序章/1.警察官への道/2.刑事の生きざま/3.警察組織の掟/4.三十万警察職員の人間学

          

5.

「新任刑事 ★★


新任刑事

2017年05月
新潮社刊

(2200円+税)

2020年04月
新潮文庫



2017/06/24



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新任巡査に続く、2冊目の新任もの、今回は刑事です。

愛予駅西口交番に勤務していた
原田貢巡査長・28歳、突然に愛予警察署の平岡署長から呼び出され、いきなり刑事課への異動を命じられます。
刑事課には、警察学校同期で2年前に巡査部長へ昇格、既に刑事課で“エース”的存在となっている
上内亜梨子(ありす)が在籍しており、原田を手取り足取り指導してくれます。
折しも
東警務部長が実質的に率いる愛予県警察本部での重要課題は、10年前に恋愛関係にあったキャリア警官を傷害致死した容疑で全国に指名手配されている渡部美禰子の時効が3ヶ月後に迫っていること。

本ストーリィの面白さは、「新任巡査」でもそうでしたが、刑事という仕事のディテールが丁寧に描かれていること。
それは原田貢への教育指導という形を以て行われるのですが、異動早々から連れていかれた老人の首吊り自殺の現場で、刑事が行わなければならない死体見聞のイロハから語られていきます。
そして、上内が原田に対して曰く、刑事にとって大事なことは、すべてにわたってよく“観察”することだ、と。

他の警察ミステリではそこまで描かれない、刑事の書類仕事、数々の捜査報告書、供述調書等もストーリィ中に登場し、何ともリアルと唸らされます。

刑事仕事の面白さだけではありません。渡部美禰子の事件が、原田宛にかかってきた目撃情報の電話から急展開していき、こちらもサスペンスの面白さたっぷり。
そのうえ最終局面での警察本部内部での意見対立、さらなる徹底した観察に基づく推理、予想外の真相は、このストーリィ部分だけでも、警察ミステリとして一級の面白さであると言って過言ではありません。
全篇 500頁と読み応え、面白さたっぷりの一冊。お薦めです!


序章-美禰子/東/亜梨子/貢/
1.三箇月前/2.二箇月前/3.一箇月前/4.三日前/
終章-美禰子/刑事部屋/署長室

      

6.

R.E.D.-警視庁特殊防犯対策官室-REPRESSION AND ELIMINATION DEPARTMENT ★☆


R.E.D.

2017年09月
新潮文庫刊

(630円+税)



2017/10/04



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近未来の日本、東京オリンピック後の厄災により暫定首都が東海地方に設けられ、中京都。
そんな中京都に次々と仕掛けられる大規模なテロ計画。
それらを未然に防儀、同時に実行犯を捕獲すべく日本初の女性総理=
上原英子の直轄部署として設けられたのが、警視庁生活安全局特殊防犯対策官室、通称“R.E.D.”
神代大作警視正と、ゴスロリファッションに身を固めたその補佐である箱崎ひかり警視率いるその対策官室に所属するのは、セーラー服姿が似合う6人の女性警部たち(緋縅時絵、羽衣舞春、八絃なつ、彩雲秋子、折鶴冬実、聖代ソラ)。

ストーリィは、副総理である大物議員=
鶴井轟太と警視総監=神保勝久を狙うため5年ぶりに再び姿を現した謎のテロリスト<ワスレナグサ>と、それぞれに異能を持つ対策官室メンバーとの対決を描くSF超人的警察捜査ものアクション。
犯人である<ワスレナグサ>の正体も謎めいていますが、それに負けず劣らす、6人のメンバーも謎がいっぱい。
この辺りはSFライトノベル的奔放さというところでしょう。

テロ計画の背後に、政官業の不正癒着、巨大な贈賄疑惑があるのは現代ストーリィとまるで変わらず。
また警察組織、行政組織と政治家との癒着構造をリアルに描き出しているところは、元々警察官僚であった古野さんの持ち味発揮という部分でしょう。

根底にあった事件の真相は、意外にスケールの小さいものでしたが、それと対照的にメンバー一人一人のキャラクター造形が抜群で興味尽きません。
メンバーの謎は十分に明らかにされたとは言えない状況。となれば是非、続編を期待したいところです。


1.特殊防犯対策官室/2.警視総監襲撃事件/3.国土交通大臣襲撃事件/4.サッチョウ・ローズ/終章

       

7.
R.E.D.-警視庁特殊防犯対策官室- ACTⅡ ★☆


R.E.D. ACTⅡ

2018年04月
新潮文庫刊

(590円+税)



2018/05/06



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近未来の日本社会を舞台に、女性総理直轄の警察庁特殊防犯対策官室“防二”の活躍を描く警察ものハードアクションシリーズ、第2弾。

「郊外」に住む不遇な少女たちを甘い言葉で誘い、罠に引っかかった彼女たちを脅しと暴力で否応ない売春の路に追い込む売春組織が今回の相手。
暴力団組織
<新潮会>のみならず、少女たちを守るべき児童相談所、さらに中京都、内閣の高官までが外国企業と魔の手を握る。
日本の少女たちはパリの売春界で人気が高いと、国内でモノとして売買するにとどまらず、フランスへモノとして輸出するという信じ難い非道の所業。

ただ、前作に比較すると、メンバー各人のキャラクターは既に披露済みであり、
“ゴスロリ”こと箱崎ひかり警視の危機という場面はあるものの、ストーリィ自体もやや単調気味という印象で、前作のような興奮するスリリングさは感じられず。
しかし、今回の巨大な敵との戦いはまだ前半戦というべきなのでしょう。その意味では、後半戦と言って良いのでしょうか、次作に期待するところです。

なお、今回新メンバーとして、見習いとして初男子の
岡崎希海警部補が登場。
また、強敵となる
“女郎蜘蛛”、何やらメンバーと共通性をもった女らしい。
メンバー各自の正体と合わせ、今後における楽しみです。


1.燃える郊外/2.日本人少女人身売買/3.フレンチ・コネクション/4.彼女らの決意

        

8.

「警察官白書 ★★


警察官白書

2018年06月
新潮新書刊

(800円+税)



2018/07/08



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警察手帳に続く、キャリア警察官出身の著者によるリアルな“警察”解説本。

交番のお巡りさん(
警察太郎)、守備範囲の幅広い生活安全課の刑事(生安太郎)殺人事件等を負う刑事(刑事太郎)、交通課の警官(交通太郎)、警備部門の刑事(警備太郎)と、ステレオタイプにしてそれぞれ部門毎の警察官像が紹介されていますので、リアルに納得感があり、とても判り易い。

「隠蔽捜査」シリーズの今野敏作品等で警察組織についてもそれなりの知識は増えてきましたが、こうして整理してもらえると、警察を舞台にしたミステリ、ハードボイルド作品を読むうえで今まで以上に楽しめる気がします。

とくに役立つと思えたのが、
警備部門の説明。
刑事もの小説等でとかく刑事たちと対立しやすいのが警備部門の警察官たち。
古野さん自身も、外から見て判りにくいのが、この警備部門と述べています。
何故そうなりがちなのか、また警備部門出身の警察官が何故管理部門の中枢を占めることが多いのか、本書を読んでその特殊事情が得心できました。

なお、<採用区分>別の面から見た警察官タイプも紹介する予定だったのですが、新書の頁数制限から果たせなかったとのこと。
第3弾がありそうで、楽しみです。


まえがき/Ⅰ.警察太郎-26万警察官の「むりやり平均値」/Ⅱ.刑事太郎たち-誇りを懸け、鎬を削る専門家集団/1.生安太郎-警察組織の何でも屋にして、ヘルプデスク/2.刑事太郎-警察一家の大親分にして、永遠のガキ大将/3.交通太郎-コミュ力の高い、生徒指導の先生/4.警備太郎-マイペースなスパイ屋さん?/あとがき

       

9.

R.E.D.-警視庁特殊防犯対策官室- ACTⅢ ★★


R.E.D. ACTⅢ

2018年09月
新潮文庫刊

(590円+税)



2018/09/04



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近未来の日本社会を舞台に、女性総理直轄の警察庁特殊防犯対策官室“防二”の活躍を描く警察ものハードアクションシリーズ、第3弾。

国際マフィア・多国籍企業プルヴァール・フランス国家警察が手を組んでの日本人少女人身売買ネットワークを壊滅させるため、“防二”メンバーは本拠地のフランスに殴り込みをかけます。
メンバーが2班に別れ、早々と複数の拠点を次々に撃破。
盛大に繰り広げられる壮絶な総力戦。<赤い瞳の獣>たるメンバーにしてもその闘いは容易なものではなくなっていきます。

破天荒、驚天動地という域に迫る激戦、強力な相手側の抵抗・抗戦にさすがのメンバーも一人一人の奮闘を強いられ、もはやこれまでかと思う程の窮地にまで追い込まれ・・・。

振り返れば激戦、激戦ばかりのストーリィ展開なのですが、頁から手が離せない程に引きずり込まれます。
この辺り、米映画のハード・アクションにも負けず劣らず、といった観あり。

好み次第かもしれませんが、理屈など何処かに弾き跳んで、たっぷりこのハード・アクションを楽しみました。
まだストーリィは続いていく様子。楽しみです。


1.パリは燃えているか/2.決戦、ハイパーマーケット/3.オルフェーブル河岸36番地/4.太鼓を叩き、絞首台を立てなさい/終章

        

10.

「女 警 Jo-Kei ★★


女警

2018年12月
角川書店

(1900円+税)

2021年12月
角川文庫



2019/01/28



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交番勤務の年野警部補が射殺されて交番内で発見される。
射殺したのは、部下である23歳の女性巡査=
青崎小百合か?
その青崎はミニパトで逃走したものと見られた。
県警本部、所轄署を震撼させた前代未聞の事件がそこから蓋を開けます。
優秀で真面目と評価されていた彼女が何故、上司を射殺するに至ったのか。

主人公はキャリアの警視で、現在県警本部で監察室長の座にある
姫川理代・28歳
何の意図か、県警本部内に組成されたPTからはじき出された理代は、独自かつ極秘に事件の真相を調べ始めます。
その結果明らかになったものは・・・。

ミステリ? いや、ストーリィは事件そのものより、その背後にある女性警察官の置かれた過酷な環境への訴えなのか?
そう感じたものの、ストーリィはキャリア警官と地元警官との対立劇の様相を見せてきます。
いったい事件の真相はどこにあるのか?

本ストーリィで衝撃的だったのは、女性警官の過酷な環境がつぶさに語られていること。
二者択一という選択肢しか女性警官には許されないのか。そこにこそ本作品の真髄があると感じます。

主人公の「姫川」という名前は、誉田哲也“姫川玲子”シリーズを当然ながら連想させ、ワクワクする気にさせられます。
その割に結末は釈然としないものがありますが、道のりはまだ途中、ということでしょうか。
元キャリア職だからこそ書け得た作品と感じます。興味を惹かれましたら、是非読んでみてください。


序章/1.女警の銃弾/2.女警の県警/3.女警の独断/4.女警の対決/終章

      

古野まほろ作品のページ No.2

     


  

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