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1.山妣 4.南洋の島語り 5.ブギウギ |
●「山
妣」● ★★ |
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2000年01月
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明治末期、越後の奥深い山里を舞台に、長年に亘る因業の結果生じた悲劇を濃密に描いた力作。 第一部 雪舞台/第二部 金華銀龍/第三部 獅子山 |
●「春話二十六夜 岐かれ路」● ★★ |
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2007年08月 |
春画に合わせて書かれた官能短篇集。前半の第1夜〜第13夜を収録。 官能短篇集といっても、明るい大らかさが本書の魅力。市井の女たちの逞しさが目立ちます。むしろ男たちの方が女たちに手玉にとられているという構図が多い。 さすがに通勤電車内読書には不向きと思い、休日の間に読了。 震える記憶/極楽蜻蛉/白の陶酔/粽の味/吉原夢枕/小袖貝/蚊帳の中/湯の華/爪痕/ふたつの契り/若紫の影/踊らへんかえ/雪の焔 |
●「春話二十六夜 月待ちの恋」● ☆ |
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2007年08月 |
春画に合わせて書かれた官能短篇集。本書は後半の第14夜〜第26夜を収録。 前巻と同じような面白さを期待していたのですが、それは得られずがっかり。 夏の鯨/せきぞろ、めでたい/悦楽の夢/びいどろに棲む女/鹿威し/夢幻の浮世なれば/木の精、川の精/川底の足音/羽化/落花哀惜/まどろむ猫女/善光寺聖/月待ちの恋 |
●「南洋の島語り タヒチからの手紙」● ★★ |
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2006/08/15
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毎日新聞日曜版連載のエッセイの単行本化。 文明の毒にまみれていない南洋の楽園、でもゴーギャンが渡ってきたということからいつまでそれが守られるのかという危惧も感じさせられた「月と六ペンス」ですが、坂東さんのエッセイはその答えを語っているようです。 夏休みの読書に相応しいエッセイ本。その分仕事をする気がなくなる、という問題点もありますが。 |
●「ブギウギ Boogie Woogie」● ★★ |
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2010/07/24
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敗戦間近の箱根・芦之湯で、Uボート艦長のドイツ人が変死体となって発見される。自殺か他殺か。 まず、当時箱根に在日のドイツ人、Uボートを撃沈され海軍に収容されたUボート乗組員たちが集められていた背景から語り起こされます。そんな中での艦長ネッツバントの変死。事件の謎解きが容易でないことはすぐ推察されます。「敗戦前夜」はミステリというべき章。 ストーリィの主軸は上記のとおりなのですが、読後の感想としては、戦後日本が諸外国に翻弄される姿と、そんな中でも希望を抱いて前に進もうという若いエネルギーを描いた作品という印象が強い。 敗戦前後を舞台にしたミステリ・サスペンスの面白さに加え、女性の力強さの源泉とは?を描き出した、読み応えある一冊。 序章/1.敗戦前夜/2.敗戦/3.戦後/終章 |
●「やっちゃれ、やっちゃれ!−独立・土佐黒潮共和国−」● ★★ |
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2010/08/03
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住民投票で圧倒的多数が独立を支持、その結果を受けて高知県は日本国からの独立を宣言!というのが本ストーリィの出だし。 第一部「独立」は、独立の経緯と独立後の苦労が描かれます。独立といっても良いことばかりではありません。むしろ当面は経済的に困窮し苦労することばかり多かりし、という状況。社会的、経済的、商業的に、そしてその延長として個人の家庭生活も。 本作品、今後日本が歩むべき道を示唆する仮想ストーリィと思います。 |