浅田靖丸
(あさだやすまる)作品のページ


1972年兵庫県生。2003年「幻神伝」にてカッパ・ノベルス新人発掘プロジェクト「KAPPA-ONE」第2期に選ばれ作家デビュー。

  


     

●「咎 忍(とがにん)」● ★☆


咎忍画像

2012年08月
光文社刊

(1700円+税)

  

2012/10/08

  

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特異な体質を元に面妖な忍術を駆使する彼らは、同じ伊賀の正統派忍者から忌み嫌われ、“非忍組”と呼ばれる。
そんな彼らが伊賀の上忍=百地丹波から呼ばれて命じられたのは、甲賀忍者と並んで豊臣秀吉傘下に入るための手立て、家康に仕える
服部半蔵の首を取ること。
否応なく半蔵を首を狙うこととなった
不空率いる非忍組の前に、半蔵の首を討ったら我こそ引き立ててもらいたいと名乗りでたのは、武田忍者の末裔=十軌率いる“十ツ者”。
そこから非忍組、十ツ者、服部半蔵配下の伊賀者と三つ巴の死闘が繰り広げられます。
ところが予想もしなかったことに・・・というストーリィ。

ストーリィなど有っても無くても同じようなもので、冒頭からアクション尽くし。米国アクション映画のような、アクションに始まり、結局はアクションだけに終わるという時代ものアクション小説。
珍妙な忍術といえば山田風太郎忍法帖の専売特許のようなものですけれど、負けず劣らずという感じ。ただしユーモアより、凄絶アクションという趣きが強い。
面白みとすれば、ただ強敵ばかりというのではなく、どの術者も強味と抱き合わせで弱みを持っている点でしょう。
時代小説にもこうしたアクション活劇が現れてきたのか、という思いです。

 


  

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