|
|
1.ジーヴズの事件簿−P・G・ウッドハウス選集1− 2.エムズワース卿の受難録−P・G・ウッドハウス選集2− 3.マリナー氏の冒険譚−P・G・ウッドハウス選集3− 4.ユークリッジの商売道−P・G・ウッドハウス選集4− 5.比類なきジーヴス−ウッドハウス・コレクション1− 6.よしきた、ジーヴス−ウッドハウス・コレクション2− 7.それゆけ、ジーヴス−ウッドハウス・コレクション3− 8.ウースター家の掟−ウッドハウス・コレクション4− 9.でかした、ジーヴス!−ウッドハウス・コレクション5− |
P・G・ウッドハウスの笑うゴルファー、春どきのフレッド伯父さん |
●「ジーヴズの事件簿−P・G・ウッドハウス選集1−」● ★★☆ |
|
2011年05月 2011年06月
2007/07/28
|
のっけから、文句なしに笑える! 各篇のストーリィは、バーティがいろいろな揉め事に巻き込まれる度、ジーヴズが鮮やかな手並みで解決してみせる、という共通パターン。 ※なお、従僕というとヴェルヌ「八十日間世界一周」のフランス人従僕バスバルトゥーが忘れられませんが、このジーヴズも決して忘れられない従僕像です。 序文(トニー・リング)/ |
●「エムズワース卿の受難録−P・G・ウッドハウス選集2−」● ★★ |
|
2012年08月
2007/07/22
|
英国貴族、第九代エムズワース伯爵を主人公とした滑稽譚。 最初こそ、偏屈で頑固者の父親伯爵に、軽薄でお調子者の次男フレデリックが度々登場するユーモラスな短篇集と思って読み進んでいたのですが、そうではないことにすぐ気がつきます。 本書中、だらしなさ加減を目一杯発揮しているのが「ブランディングズ城を襲う無法の嵐」。そして思慮不足の典型例ともいえるのが「セールスマンの誕生」。 いずれにせよ、本書は英文学好きな人向けのユーモア短篇集。噛めば噛むほど味が出てくるところも、英文学的。 南瓜が人質/伯爵と父親の責務/豚、よぉほほほほーい!/ガートルードのお相手/あくなき挑戦者/伯爵とガールフレンド/ブランディングズ城を襲う無法の嵐/セールスマンの誕生/伯爵救出作戦 |
●「マリナー氏の冒険譚−P・G・ウッドハウス選集3−」● ★★ |
|
2007/08/20
|
釣り師はほら吹きの名人と相場が決まっているのだとか。 大笑いするということはありませんでしたけれど、理屈なしに楽しい。読んでいる間ずっと愉快で、充実した楽しさを満喫できた読書時間でした。 恋愛といっても、理想的な男女ばかりとは限りません。どちらかというと男側が気が弱く、女側ははっきりとした性格が多いように思えます。 序文(P・G・ウッドハウス)/ |
●「ユークリッジの商売道−P・G・ウッドハウス選集4−」● ★☆ |
|
2009/01/14
|
楽天的と言えば聞こえはいいが、それよりも、何でも自分に都合良く思い込んでしまうアホ、人の迷惑を顧みない身勝手かつ厚顔無恥と形容するのが最も相応しい、というのが、本シリーズのスタンリー・ファンショー・ユークリッジなる人物。 しかし、私が呆れるのはそのユークリッジのことより、主人公かつ語り手となる友人コーキー・コーコランのこと。 そしてもう一人、本書で挙げない訳にはいかない登場人物が、“バトリング(闘士)・ビルソン”ことウィルバーフォース・ビルソン。 ユークリッジの犬学校/ユークリッジの傷害同盟/パトリング・ビルソンのデビュー/ドーラ・メイソン救援作戦/バトリング・ビルソン再登場/男の約束/婚礼の鐘は鳴らず/ルーニー・クートの見えざる手/バトリング・ビルソンの退場/ユークリッジ虎口を脱す/メイベル危機一髪/きんぽうげ記念日/ユークリッジと義理義理叔父さん/ユークリッジの成功物語/(特別収録作品)晴天からの霹靂 |
●「比類なきジーヴス−ウッドハウス・コレクション1−」● ★★ |
|
2007/12/21 |
ジーヴスものコレクション、第1巻目=短篇に加筆して連作長篇の形に編み直した一冊です。 ところが何と!、この「コレクション」第1巻目の収録作品、すべて「P・G・ウッドハウス選集1−ジーヴズの事件簿」(文芸春秋刊)で読んだ作品ばかりでした。 ジーヴス、小脳を稼働させる/ビンゴが為にウエディングベルは鳴らず(=ジーヴズの春)/ |
●「よしきた、ジーヴス−ウッドハウス・コレクション2−」● ★★ |
|
2005年06月
2007/12/29
|
ジーヴスもの長篇としては2作目とのことですが、1作目の「比類なきジーヴス」は短篇をとりまとめて連作長篇としたものなので、長篇ストーリィとしては実質第一作目というべき巻。 短篇ジーヴスものと長篇ジーヴスものにどんな違いがあるかといえば、要は短篇を引き伸ばしたようなもの。 まずは、悩みを抱えた友人、叔母たちがいずれもジーヴスの智慧を借りたいと訪れてきます。 ただ、ジーヴスもの短篇をバーティのヘマで間延びさせただけ、やはり短篇の面白さに及ばないな、と感じるのです。 1.ジーヴス不興を示す/2.イモリの友フィンク=ノトル/3.ダリア叔母さん電報をよこす/4.夜明けの訪問者/5.失意のメフィストフェレス/6.バーティー乗り出す/7.ブリンクレイ・コート/8.サメとブタ/9.不実な従僕/10.詩人の愛/11.事態ますます混迷を深める/12.食料庫の邂逅/13.知恵者バーティー/14.令嬢アンジェラ/15.バーティー危機一髪/16.細工は上々/17.マーケット・スノッズベリーの寵児/18.誘惑者フィンク=ノトル/19.救い難きは女/20.天窓の怪人/21.ジーヴス復活/22.踊る使用人/23.終りよければすべてよし |
●「それゆけ、ジーヴス−ウッドハウス・コレクション3−」● ★★ |
|
2005年10月
2007/09/29
|
「ジーヴズの事件簿」がすこぶる面白かったので、ジーヴスものコレクションもいっそ読んでしまおう、と思った次第。 主人たるバーティまで思うように誑かし、一旦窮地に追い込んでから颯爽と救いの手を差し伸べることも度々という、人を喰ったような従僕ジーヴスの曲者ぶりが面白いこと請け合い!のこのシリーズ。 本書中では、問題児の面倒を押し付けられてバーティが悩む「ジーヴスと招かれざる客」が抜群、大笑いしてしまう。 ジーヴス登場/コーキーの芸術家稼業/ジーヴスと招かれざる客/ジーヴスとケチンボ公爵/伯母さんとものぐさ詩人/旧友ビッフィーのおかしな事件/刑の代替はこれを認めない/フレディーの仲直り大作戦/ビンゴ救援部隊/バーティ考えを改める |
●「ウースター家の掟−ウッドハウス・コレクション4−」● ★☆ |
|
2006年03月
2008/05/28
|
ジーヴスもの「コレクション」第4巻目にして、長編「よしきた、ジーヴス」の続編。 相も変わらず主人公バートラム・ウースター(愛称:バーティ)は身勝手な叔母、友人たちの犠牲となり、一人苦境に陥るという定例パターンのストーリィ。 長編ですからなかなかジーヴスの出番は回ってきません。ところが、一旦回るやいなや事態は滑らかに回転しだし、一気に事態は好転するのですから、出番僅かとはいえさすがにジーヴス! なお、君子たるもの、バーティの如くみすみす泥沼に足を突っ込むようなことは断じてしないことです。本書は、そんな教訓も感じる滑稽譚。 |
●「でかした、ジーヴス!−ウッドハウス・コレクション5−」● ★☆ |
|
2006年07月
2008/02/04
|
ジーヴスもの「コレクション」第5巻目=短篇集。 あいかわらず気の良い間抜け青年=バートラム・ウースター(バーティー)としたたかな従僕ジーヴスが、あらゆる愚かしさ溢れる困難をコンビで乗り切るユーモラス綺譚。 何もバーティーばかりが原因ではないのです。無茶苦茶な要求をいつも押し付けてくるアガサ伯母さん、ダリア叔母さんたちも問題人物。 本巻中ダントツに面白い「ジーヴスと迫り来る運命」と「ジーヴスとクリスマス気分」は、「ジーヴズの事件簿」にて既読。 ジーヴスと迫りくる運命/シッピーの劣等コンプレックス/ジーヴスとクリスマス気分/ジーヴスと歌また歌/犬のマッキントッシュの事件/ちょっぴりの芸術/ジーヴスとクレメンティーナ嬢/愛はこれを浄化す/ビンゴ夫人の学友/ジョージ伯父さんの小春日和/タッピーの試練 |
※ 国書刊行会“ウッドハウス・コレクション”ジーヴス・シリーズ
6.「サンキュー、ジーヴス」 2006.11刊
7.「ジーヴスと朝のよろこび」2007.04刊
8.「ジーヴスと恋の季節」 2007.12刊
9.「ジーヴスと封建精神」 2008.09刊