|
|
●「シラノ・ド・ベルジュラック」● ★★★ |
|
1951年07月 第51刷
|
本戯曲は、シラノが従妹ロクサーヌに寄せる愛の深さを、薫り高く謳った5幕劇です。不朽の名作というに相応しい傑作。 主人公シラノは、詩人で軍人、しかも天下無双の剣客ですが、大鼻の持ち主で美男とは言いかねる人物。 貧乏零落、不運な死という結末。しかし、それに勝る自由奔放な生き方、限りのない心の躍動、拡がり、そして“羽根飾り(こころいき)”は、シラノを不朽の文学的英雄になさしめています。 フランスの新聞が文学的英雄の投票を行ったところ、ジャン・バルジャン、ダルタニャンを凌いでシラノが第一位だったそうですが、
それもまた当然と納得できます。 実在のシラノは1619年パリ生まれ。詩人であり、剣客としても無双の遣い手であったそうです。登場人物もまた多く実在していたらしい。 |