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●「失楽園
PARADISE
LOST
」● ★★★ |
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1979年6月
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旧約聖書の「創世記」に題材をとった、壮大な叙事詩、世界文学上の名作。 神に反逆した天使たち。その首謀者である第一天使・サタンにより、“悪”が誕生し、かつまた地獄もそれと共に生じます。そして、サタンの地獄からの脱出、自らの子である“罪”と“死”との邂逅、天国における神と天使たちの語らい、新しい政界・エデンの園におけるアダムとイヴの様子。次いで、サタンとイヴ、イヴを経てアダムへ、誘惑と原罪へと、物語は展開していきます。 これ以上のスケールをもった物語は、他に考えられないと思う程の、壮大な叙事詩です。 天使ミカエルがアダムに伝える、子孫の行く末は、旧約聖書そのものの要約です。 エデンの園を追放されようとするアダムとイヴが神に対してひれ伏すように、私自身も神にひれふしてみたいと思わされる程、本書は迫力と魅力に充ちた作品です。 なお、筑摩書房刊行の本書を注文する時には勇気がいりました。かなり高価な本ですから。でもそれだけの魅力が本書にはあります。 |