ポール・フルネル作品のページ


MPaul Fournel 1947年生、フランスの作家、詩人。ラムセーやセゲルス等の出版社勤務を経て文芸家クラブの理事長、その後サンフランシスコのアリアンス・フランセーズ校長、エジプトとイギリスの大使館でアタッシェ等を歴任。現在は作家として活動。実験的な文学集団の会長も務めた。ゴンクール短編賞や高校生が選ぶルノード一等賞の受賞歴あり。

 


                                   

「編集者とタブレット」 ★☆   
 
原題:"La liseuse"           訳:高橋啓


編集者とタブレット

2012年発表

2022年03月
東京創元社

(1800円+税)


2022/04/04


amazon.co.jp

ベテラン編集者であるロベール・デュボワに若い研修生が手渡してきたのはタブレット。
もはや編集者が原稿の紙束と格闘する時代は終わったのか?

何もかもデジタル化という時代ですから、文芸編集者が原稿を紙束ではなくタブレットで読む、ということになっても何ら不思議はありません(実際はどうなのかまでは知りませんが)。
とはいえ、そうなると色々なことが変わってくるのでしょう。
作家、編集者、若い社員等々、受け留め方も人それぞれの筈。
そこに興味があって本作を手に取った次第。

デュボワ、決して昔気質の頑固な編集者ではありません。
タブレットも何とか使いこなしていますし、若い社員たちに新しく事業を立ち上げよう、そのための会社を設立しようと提案もしています。

でも、最終的にデュボワが選んだ道は、(状況の変化があったにしろ)私も納得できるところ。
時代の趨勢がそうなったからといって人生は別ですから。

惜しむらくは、私の集中力がイマイチだった所為か、もうひとつストーリィに乗れなかったこと。

     


        

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