マイケル・ドリス作品のページ

 


 

●「水の国を見た少年」●  
 
原題:SEES BEHIND TREES”




1998年2月
新潮社刊
(1400円+税)

1998/04/26

先住民族(ネイティブ・アメリカン)の少年が、大人に仲間入りするときに経験した冒険物語。

主人公は視力が弱いものの、聴力とそこから結論を組み立てる力に優れていて、“木の陰を見る”と命名される。族長の弟“灰色の火”は、そんな彼を連れて、かつて見た水の国を探しに出る。
この作品を読んでいると、如何に彼ら民族が自然に同化して生きてきたか、ということを強く感じます。周囲の音に耳を澄まし、漸く辿りついた水の国は、夢物語のような美しさをもって繰り広げられる。(いささか抽象的ではあるが)
耳を澄まし、心を透明にしてみれば、どんな新しく素晴らしいことに出会えるか判らない。そんなメッセージを伝えてくれるストーリィのような気がします。

 


 

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