[コメント]本日の韓国大法院の対馬盗難仏像返還判決に対するコメント(2023年10月26日)
[コメント]対馬・観音寺の金銅観世音菩薩像盗難事件の現状についてのコメント(2018年10月8日)
[要望]事件番号2017ナ10570に関する要望書(対馬の仏像問題)(2018年1月8日)
[提言]日韓の文化財返還問題に関する政府間の直接対話の提言(2013年11月3日)
[声明]対馬の仏像盗難問題に関する私たちの見解(2013年4月25日)
[提言]朝鮮半島由来の文化財の総合的な調査と包括的な返還促進のための立法措置を!(2011年5月27日)
[声明]「朝鮮王室儀軌」等の図書返還の日韓政府協定調印に関して(2010年11月14日)
[コメント]「朝鮮王室儀軌」等の図書返還の日韓政府合意に関して(2010年11月9日)


コメント

本日(10/26)の韓国大法院の対馬盗難仏像返還判決に対するコメント

2012年10月に対馬の観音寺から韓国人窃盗団によって盗み出された観世音菩薩像の日本への返還を進める韓国・文化財庁に対し、仏像の元の所有者であったと主張する韓国の浮石寺が返還を差し止め、引き渡しを求めた訴訟の上告に対する決定が本日、韓国・大法院(最高裁)で言い渡されました。原告の上告を棄却し、日本への返還を認めた決定を歓迎します。

不正・不当に持ち出された文化財は元の場所に戻されるべきであると考える私たちは、かねてより、窃盗という違法な手段で行われた仏像の奪取は認められず、歴史的な検証作業は別途、原状回復後に適切に行われるべきであると提言してきました。刑事事件としての裁判は終了し、2013年に逮捕された実行犯4人はすでに刑期を終えて社会復帰したにもかかわらず、被害にあった仏像が、11年間も返還されず、韓国政府の倉庫に保管・拘禁されるという異常な事態が続いていました。

この11年間を振り返ってみると、「韓国併合」100年の2010年を経て、2011年に韓国に「朝鮮王室儀軌」が返還され、文化財返還問題についての関心が高まり、その後もいくつかの文化財の返還が実現することが期待されましたが、2012年に起きたこの対馬の仏像盗難事件とその後の韓国側の対応によって、一気に韓国側への不信が広がり、文化財返還どころか文化交流にも重大な支障を及ぼしてきました。他の文化財返還を求める韓国国内の市民運動も、日本側に文化財返還を求める声を上げることが難しくなり、この間葛藤を強いられてきました。一時期、慰安婦や徴用工問題と並ぶ日韓の懸案事項として“戦後最悪の日韓関係”に至らしめた要因のひとつとされてきました。大変残念な事態でした。

深刻な事態を憂慮した私たち連絡会議は、2018年1月に大田高等法院裁判長に要望書を送り、異例の提言を行いました。原告の請求を認めた1審地裁判決を2審高裁が覆したことに多少の影響を与えたかも知れません。

失われた11年がもたらした損失は、深刻です。この間、2017年マクロン仏大統領のアフリカ・ブルキナファソでの演説がきっかけとなり、ヨーロッパではアフリカ諸国への文化財の返還が始まり、ドイツ、オランダ、ベルギー、英国でも次々と具体的な返還が実現してきています。この6年間で、世界は文化財返還に向けて大きく動き始めてきていますが、残念なことに日韓の間では、この対馬の盗難仏像問題が大きな足かせとなって、議論すらしにくい停滞状況が続いてきました。

今回の決定に基づき、すみやかに観世音菩薩像が元の場所に戻されるとともに、反省すべき点を反省し、日韓の文化財返還運動が受けたダメージが癒され、良識的な意見や提言が広く理解され、支持されるよう願います。メディアも含めて、対立をあおるのではなく、冷静に、互いに尊重し合って、知恵を絞り、協力して人類共有の遺産を後世に伝える努力をするよう改めて呼びかけます。

なお、何世紀も前の歴史的な事象を21世紀の法廷で裁くことには明らかに無理があります。現在欧州各国でも行われているように、他国・他地域から持ち込まれた歴史的な文化財の調査、研究、返還方法などの協議、ルールづくりが国家的な事業として行われるべきです。別途ユネスコなどでも、紛争解決のための調査・調停の国際的な仕組みが設置・整備され、二国間・多国間でも協議を重ねて、協定を交わすなどの法的措置も取られるべきと考えます。


2023年10月26日

韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議代表 有光 健



コメント

対馬・観音寺の金銅観世音菩薩像盗難事件の現状についてのコメント

日本の長崎県対馬市豊玉町の観音寺が保有していた観世音菩薩座像が、2012年10月8日に韓国の窃盗団によって盗まれてから6年がたった。

犯人らは刑事裁判で有罪となり、すでに刑期を終えて社会復帰しているとみられる。ところが、大変残念なことに、盗まれた仏像はいまだに対馬の観音寺には戻っていない。韓国・忠清南道の浮石寺が所有権を主張して、日本への引き渡しを阻止し、大田高等法院で争われているからである。(事件番号2017ナ10570有体動産引渡し)

争われている観世音菩薩座像が、2012年10月に盗難被害にあって、釜山港から韓国に持ち込まれたことは明らかで、観世音菩薩座像は早急に観音寺に戻されて、原状回復が行われるべきだ。

観世音菩薩座像が、高麗時代末期に作られ、「南贍部州高麗国瑞州地浮石寺」に所有されたものであったことは認められるところであり、不法・不当な強奪によって日本への流出した可能性も否定できない。しかし、仮に600年前に略奪されたものであったにしても、盗んで韓国に移送してよいということにはならない。それが許されるのであれば、世界中の多くの文化財の窃盗・強奪による奪還が正当化され、国際的な法秩序が踏みにじられ、信頼関係が損なわれる。過去の不正義が現在の不正義を正当化しない。

事件発生から6年を経過しても、観世音菩薩座像がいまだに観音寺に返還されないことで、韓国に対する日本側の不信と警戒は増大したままである。歴史的な文化財の返還問題は、返す側・求める側双方が共同で調査を行い、理解と合意の上で処理・解決すべきであり、合意が得られない場合は、国際的な司法の場やユネスコなど国際機関の仲裁に委ねるべきである。

私たちは、朝鮮半島由来の文化財で、とりわけ日本側が植民地期に入手した文化財で経緯に問題があるものは、調査と協議を経て返還されるべきとかねてより主張し、提起を続けている。しかし、韓国側の良識にもとる対応でこの6年間に文化財返還問題に対する日本社会の疑問と不信と反発は拡大して、正当に文化財返還を提起する声が受け入れられにくくなってしまった。文化財返還促進の動きがブロックされ、ゆがめられてしまってきている。失われた信頼を回復することは容易なことではないと感じている。

韓国の裁判所と政府は、速やかに盗難被害の原状回復を実現し、被害者の観音寺には原状回復の遅延を詫びるべきである。

今月は「日韓共同宣言」20周年で、先週10月3日には日本側の有識者の提言も発表された。その中でも文化交流の推進が謳われているが、こうした文化財に関わるトラブルや摩擦を解決・回避する方策や指針は示されていない。文化財の窃盗団は現在も広く潜在しているとみられ、類似の事件が今後も起きる可能性が排除できない。現代の不正義の処理と歴史的な不正義の検証・解決を峻別して、長期的な交流・友好促進に導く責任が、とくに政治には求められる。

事件発生から6年を機に、改めて正当な判断と後始末の早期解決を訴えたい。


なお、今年3月26日に「文化遺産回復財団」が韓国国会議員9名の署名・捺印とともに大田高等法院に提出した嘆願書に、私どもの前代表の故・荒井信一茨城大学名誉教授の発言が引用されているが、間違った文面に改められている。

嘆願書には、「日本政府の盗まれた仏像の返還要求は無責任だ」と発言したように記されているが、事実と異なる。引用されているインタビュー記事(2014年12月18日付ハンギョレ新聞ノ・ヒョンソク記者執筆のものと思われる)では、荒井教授は以下のように述べている。

―「日本政府も昨年韓国人の窃盗犯が犯した対馬の仏像盗難事件の後、仏像を返してほしいと要求しています。
*自分たちのものだから、無条件に返して欲しいという返還要求は無責任なものだと考えます。*
一部の韓国人は、6万7千件余りの文化財が盗難に遭い日本に行ったと言うけれど、全部が盗難に遭ったものではありません。
あるものは意図的に搬出したものもあります。 どんな理由で、どんな方式で日本に行ったのかを深く調査する必要があります。」

―「対馬の仏像盗難事件が報道されたが、日本国民の大多数は文化財返還にこれと言った関心がありません。日本政府が現地に流出した韓国文化財の具体的な現況をこっそり把握したという話も聞きましたが、私が知る限りではまともに調査したことはありません。
それよりは、未来指向的観点で可能な関心と協力を引き出さなければなりません。
例えば、韓日両国にまたがる通信使遺跡を世界遺産次元でどのように扱うかを議論できるでしょう。 韓日協定50周年を迎える来年に、東京国立博物館が所蔵している朝鮮半島文化財である小倉コレクションを返還するならば、韓日関係がもう少し良くなるのではないでしょうか?」

<http://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/669748.html>
日本語訳 [インタビュー]韓日修交50周年で小倉コレクション返還を推進すべき


この文脈で、荒井教授が「無責任」と論難しているのは、韓国側であることは明らかである。それを真逆の日本政府を批判したと捻じ曲げて引用している。ちょうど1年前に逝去された荒井教授が一貫して日本政府の文化財返還問題への対応に批判的であったことは知られている。しかし、インタビューのこの部分では荒井教授は、日本政府の仏像返還要求の事実のみを指摘し、返還を促しているのは東京国立博物館の小倉コレクションのことであった。そして韓国側の強引な要求を批判している。

生前荒井教授に学び、活動を共にしてきた私たちは事件派生当初からのこの盗難事件に対する教授の深い憤りと失望を知っている。

公表されている新聞記事がこのように歪曲されて、引用されたことは大変残念である。裁判を有利に導くための改ざんだとすれば、正義に反するので、大田高等法院には、注意を促したい。

重ねて強調するが、私たちは、正当な方法で、日本にある朝鮮半島由来の文化財を可能な限り朝鮮半島に帰したいと願っている。しかし、窃盗や強奪という、過去行われた誤った方法をもって文化財を奪還することには到底賛同できないし、正義と法と道徳に反すると考える。韓国社会および裁判所の賢明かつ速やかな判断を心より望むものである。


2018年10月8日

韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議
世話人代表 有光健




*대마도**・**관음사 **관세음보살좌상도난사건의 **현상태에 **관한 **코멘트*

일본 나가사키현(長崎県)쓰시마(対馬市)시 도요타마초(豊玉町)의 관음사가 보유하고있었던 관세음보살좌상이 2012년10월8일 한국의 절도단에도난 당한지 6년이 지났다.

범인들은 형사재판에 의해 유죄를 선고받고 이미 형기를 마치고 사회복귀를 한 것으로 보인다. 하지만 유감스럽게도 도난 불상은 아직도 대마도관음사에 돌려지지 않고있다. 한국・충청남도 부석사가 소유권을 주장하며 일본으로의 인도를 저지하고 대전고등법원에 소송을 제소하였기 때문이다.(사건번호 2017 나10570유체동산인도)

2012년 10월에 도난을 당하여 부산항을 통해 한국에 반입된 것은 바로 이 관세음보살좌상이 명백하며 하루라도 빨리 관세음보살좌상이관음사로 돌아가 원상회복이 이루어져야 한다.

관세음보살좌상이 고려시대말에 제작되어 ‘남섬부주고려국서주지부석사’( 南贍部州高麗国瑞州地浮石寺)가 소유하고 있었다는 것은 인정되어지며,또한 불법・부당한 강탈에 의해 일본으로 유출된 가능성도 부인할 수 없다. 그러나 설상 600년 전에 강탈당한 것이라 하더라도 훔쳐서한국으로 이송해도 좋다고는 할 수 없다. 그런 논리가 인정된다면 전 세계의 수많은 문화재가 절도・강탈당하더라도 모든 것이 정당화 되어져국제법의 법질서가 짓밟혀지는 것은 물론 신뢰관계 또한 깨어져버린다. 과거의 부정의(不正義)가 현재의 부정의를 정당화 할 수 없다.

사건 발생으로부터 6년이 지나도록 관세음보살좌상이 관음사로 반환되어지지 않자 한국에 대한 일본측의 불신과 경계는 점점 커져가고 있다.
역사가 깊은 문화재의 반환문제는 돌려주는 측・반환를 요구하는 측의 쌍방이 공동으로 조사를 실시하여 이해와 합의하에 처리・해결되어야만 한다.
합의가 이루어지지 않는 경우 국제법이나 사법의 장 또는 유네스코와 같은 국제기관의 중재에 맡겨야 한다.

우리는 한반도유래의 문화재 중에 일본측이 특히 식민지 시기에 입수한 문화재의 입수 경위에

문제가 있을 경우 조사와 협의를 거쳐 반환 되어야 한다고 이전부터 문제제기를 주장하고 있다. 하지만 한국측의 양식에 어긋나는 대응으로 이6년간 문화재반환문제에 대한 일본사회의 의문과 불신 그리고 반발은 확대되어 정당한 문화재반환을 제기하는 목소리가 받아들여지지 않고 있으며,문화재반환을 촉진하는 활동이 위축되고 길이 막혀지고 있다. 잃어버린 신뢰를 회복하는 것은 그리 쉬운 일이 아니다.

한국의 재판소와 정부는 신속하게 도난 불상을 원상회복하여 피해자인 관음사에게는 원상회복이 지연된데 대하여 사과해야한다.

이번 달은 [한일공동선언]20주년으로 지난주10월3일에는 일본측의 관련유식자의 제언도 발표되었다. 그 중에는 문화교류추진도 목소리를높이고 있지만, 문화재에 관련된 다툼이나 마찰을 해결・극복하는 방침이나 지침은 보이지않는다. 문화재 절도단은 현재도 잠재하고있으며 유사한사건이 앞으로도 일어날 가능성은 높다고 보여진다. 현재의 부정의(不正義)적인 처리와 역사적인 부정의(不正義)의 검증・해결을 준별하여장기적으로 교류와 우호를 촉진해야 할 책임은 바로 정치(政治)에 있다고 여겨진다.

사건 발생으로부터 6년을 계기로 다시 한번 정당한 판단과 사후 처리의 조기해결을 호소한다.

또한 금년3월26일에 [문화유산회복재단]이 한국국회의원9명의 서명・날인과 함께 대전고등법원에 제출한 탄원서에 우리들의 전 대표인 고아라이신이치(荒井信一) 츠쿠바대학교 명예교수의 발언을 인용하고 있지만 원문과는 다른 잘못된 내용으로 고쳐져 있다.

탄원서에는 “일본정부가, 훔친 불상 반환을 요구하는 것은 무책임하다”고 발언한 것처럼 적혀있지만 이는 사실과 다르다. 인용한 인터뷰기사(2014년12월18일자 한겨레 신문 노형석기자가 집필)에서 아라이교수는 아래와 같이 발언하였다.


--“일본정부도 지난해 한국인 도난범이 저지른 쓰시마의 불상 도난사건 뒤 불상을 돌려달라고 요구하고있습니다. 우리 거니까 무조건돌려달라는 반환 요구는 무책임한 것이라고 생각해요. 일부 한국인들은 6만7천여건의 문화재가 도난 당해 일본으로 갔다고 하는데, 전부도난당한 게 아닙니다. 어떤 것은 의도적으로 반출한 것도 있어요. 어떤 이유로, 어떤 방식으로 일본으로 갔는지 심도있게 조사할 필요가있습니다.”

--“쓰시마 불상 도난 사건이 보도됐지만, 사실 일본 국민 대다수는 문화재 반환에 별 관심이 없습니다. 일본정부가 현지에 유출된한국문화재의 구체적인 현황을 몰래 파악했다는 말도 들었는데, 제가 알기로는 제대로 조사한 적이 없습니다. 그보다는 미래지향적 관점에서가능한 관심과 협력부터 끌어내어야 합니다. 이를테면, 한・일 양국에 걸쳐있는 통신사 유적들을 세계유산 차원에서 어떻게 다룰지 논의할 수있겠지요. 한일협정 50돌인 내년에 도쿄국립박물관에서 소장하고 있는 한반도 문화재인 오구라 컬렉션을 반환한다면 한-일 관계가 좀 더좋아지지 않을까요?”


이 문맥에서 아라이교수가 ‘무책임’이라고 말하고 있는 것은 한국측인 것이 분명하다. 그것을 거꾸로 뒤집어서 일본정부를 비판했다고비틀어서 인용하고 있다. 즉 1년 전에 서거하신 아라이교수가 일관하여 문화재 반환문제에 대한 일본정부의 대응을 비판한 것처럼 해석하고있다는 것이다. 다시 말해 인용부분에서 아라이교수는 일본정부가 불상 반환을 요구하고 있다는 것은 사실이라고 지적하면서, 실재로아라이교수가 반환을 촉구하고 있는 것은 동경국립박물관 오구라 컬렉션이라는 것을 알아야한다. 그리고 한국측의 무리한 요구에는 비판하고있다는 것도 지적하고 싶다.

생전에 아라이교수로부터 배우고 활동을 함께해온 우리들은 사건발생 때부터 이 도난사건에 대한 아라이교수가 얼마나 실망하고 분노했는지 잘알고있다.

공표된 신문기사가 이렇게 왜곡・인용 되어진데 대해서는 거듭 유감을 표하고 싶다. 재판을 유리하게 유도하기위해 기사내용을 왜곡했다면 이또한 정의에 반하는 것으로 대전고등법원에는 주의를 촉구한다.

거듭 강조하지만 우리들은 일본에 있는 한반도유래의 문화재가 정당한 방법에 의해 가능한 한 한반도로 돌아갈 수 있도록 노력하고있다.하지만 절도나 강탈이라고 하는 이미 과거에 잘못 행해진 방법으로 문화재를 탈환하는 것은 도저히 찬동할 수 없으며, 정의와 법과도덕적으로도 반하는 것이라고 생각한다.

한국사회 및 재판소의 현명하고, 더욱이 신속한 판단을 원하는 바이다.


2018년10월8일

한국・조선문화재반환문제연락회의
운영자대표 아리미츠켄(有光健)


要望書

事件番号2017ナ10570に関する要望書

大田高等法院裁判長貴下


 私たちは、日本にある朝鮮半島由来の文化財の返還問題に取り組む日本の市民団体です。

 貴裁判所で審理中の、日本の長崎県対馬市豊玉町の観音寺が保有し、2012年に韓国の窃盗団によって盗まれ、韓国に持ち込まれた金銅観音菩薩像の引き渡しを韓国の浮石寺が求めている事件(2017ナ10570 有体動産引渡し)に関して、意見を述べ、要望いたします。

 争われている金銅観音菩薩像が、2012年10月に盗難被害にあって、釜山港から韓国に持ち込まれたことは明らかで、犯人は刑事裁判で有罪となっています。

 したがって、金銅観音菩薩像は早急に観音寺に戻されて、原状回復が行われるべきです。

 金銅観音菩薩像が、高麗時代末期に作られ、「南贍部州高麗国瑞州浮石寺」に所有されたものであったことは認められるところであり、不法・不当な強奪によって日本への流出した可能性も否定できません。しかし、仮に600年前に略奪されたものであったにしても、盗んで韓国に移送してよいということにはなりません。それが許されるのであれば、日本にある多くの文化財の窃盗・強奪による奪還が正当化され、国際的な法秩序が踏みにじられ、信頼関係が損なわれます。

 事件発生から5年を経過して、金銅観音菩薩像がいまだに観音寺に返還されないことで、韓国に対する日本側の不信は増大し、朝鮮半島由来の文化財返還問題と誠実に取り組もうとしている私たちに対する偏見や反発も広がり、悪影響と被害を受けています。まじめに日本にある文化財の返還運動を続けてきた韓国内の諸グループも大きなダメージを受けています。歴史や文化の問題以上に、政治的、民族的な紛争になってしまっています。

 韓国と日本の間では、まともに文化財返還問題を議論することが不可能な深刻な状況に陥っています。

 法的にも政治的にも道徳的にも、金銅観音菩薩像は観音寺に返還されるべきです。その上で、600年以上前の流出経過の検証や今後の適切な保存方法についての協議が、外部の専門家も加わって観音寺と浮石寺で友好的に行われることを期待します。私たちも、求められれば必要な作業に参加、協力する用意があります。

 平昌冬季オリンピックを前に、東アジアで平和と友好の雰囲気が広がり、不信と不必要な対立や緊張が、減少・収束するよう強く望みます。

 貴裁判所の賢明かつ速やかな判断を心より要望します。

                     2018年1月8日

                韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議

副代表 李素玲・李洋秀・有光健

           (*代表・荒井信昨年10月11日逝去のため、代表は現在不在)



提言

日韓の文化財返還問題に関する政府間の直接対話の提言(2013年11月3日)

日韓の文化財返還問題に関する政府間の対話を求め、提言します

韓国・文化財庁庁長 邊 英 燮(ピョン・ヨンソプ) 様
日本・文化庁長官 青柳 正規 様

 現在韓国と日本の間に葛藤が広がり、外交的にも困難な状況に陥っていますが、その一因に文化財の返還をめぐる問題があります。

 1965年に調印された「文化財及び文化協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」で政府所管の文化財返還問題については一区切りつけられたものの、同協定の合意議事録では、日本政府は、民間が所有する文化財についても「自発的に韓国側に寄贈することを勧奨する」旨明記されていました。
 しかし、2006年の東京大学の「朝鮮王朝実録」のソウル大学への引き渡しや、2011年の「日韓図書協定」による「朝鮮王室儀軌」などの図書の引き渡しはあったものの、48年を経ても民間所有の文化財の返還はほとんど進んでいません。

 近年韓国側から、日本に所在する朝鮮半島由来の文化財の返還を求める動きが活発になり、対馬の仏像返還問題にみられるように、新たな葛藤を引き起こし、緊張や憂慮を招く事態に至っています。

 現在のこの葛藤と対立を解きほぐすためには、文化財を所管する両国政府トップによる交渉、対話を重ねるべきであると考え、提案します。民間の問題には政府は関与しない、静観するという態度では、問題の解決に資することはなく事態は悪化するばかりです。今後も文化財返還を求める声は高まり、返還をめぐって様々な問題が繰り返えし起きてくることは確実です。流出文化財をめぐる問題は、日本と韓国の二国間に限定される問題ではなく、世界的に解決が模索されている課題です。

 流出文化財について、基本的に、私たちは、植民地期に不法に流出した朝鮮半島由来の文化財はその「元の場所」に返すべきだと考えています。その解決のために両当事国において、官民の双方で不断の努力が必要であると考えます。

 まず、問題は何かを正確に把握することです。次に日韓両国の文化財・歴史・法律の専門家らに協力と参加を求め、紛争解決のための調査を行い、解決に向けての方法論を編み出すことです。こうした国際紛争を解決するための「文化財に関わる紛争調停・処理委員会(機構)」のようなスキームを設立し、冷静かつ賢明に処理すべきです。現在広がっているような感情的な対立は、東アジアの平和と安全と諸国民の利益を損ないます。

 さらに、対象とされる文化財が両国において広く鑑賞・活用できるよう、共同展示を開催したり、相互交流・研究を積極的、意識的に実施すべきです。
 互いに尊重し合って、人類共通の遺産を後世に伝えるために、両国の政府の責任者、関係国会議員、知識人やメディアが、対立をあおるのではなく、進んで問題解決のために、対話し、知恵を出し合い、世界の規範となる紛争解決の仕組やルールをつくり出すことができるように、希望し提言します。

韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議

代表 荒井 信一


c.c.
劉震竜(ユジンリョン)文化体育観光相、
下村博文文部科学大臣、
黄祐呂(ファンウヨ)韓日議員連盟会長、
額賀福志郎日韓議員連盟会長、
崔宰誠(チェジェスン)韓日議員連盟社会文化委員長、
白眞勲日韓議員連盟社会文化委員長、
尹炳世(ユン・ビョンセ)大韓民国外交部長官
岸田文雄外務大臣
李丙琪(イ・ビョンギ)駐日大韓民国大使

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*일본과 한국간의* *문화재 반환* *문제에* *관하여*

*양국 정부가* *대화할* *것을* *요구하며* *제언하는 바입니다**.*


대한민국 문화재청 청장 변 영섭 님
일본 문화청 장관 아오야기 마사노리(靑柳正規)님 귀하

현재 한국과 일본 사이에 갈등이 생겨, 외교적으로도 곤란한 상황까지 이르고 있으나, 그 요인 중의 하나가 문화재 반환을 둘러싼
문제입니다.

1965년에 조인된 [대한민국과 일본국간의 문화재 및 문화협력에 관한 협정]으로 정부 소관의 문화재 반환 문제에 대해서는 하나의 고비를
넘었지만, 동 협정 합의 회의록에는, 일본정부는 민간이 소유하는 문화재에 대해서도 [자발적으로 한국측에 기증할 것을 권장한다]고
명기되었습니다.

그러나 2006년 도쿄대학 소장 [조선왕조 실록]의 서울대학에로 인도나, 2011년 「일한 도서협정」에 의한 [조선 왕실의궤]등,
도서들의 인도는 약간 있었으나, 48년이 지나도 민간소유의 문화재 반환은 거의 진행 안되고 있습니다.

최근 한국측에서 일본에 있는 한반도 유래 문화재의 반환을 요구하는 움직임이 활발해져, 나가사키현 대마도의 불상반환 문제로 볼 수 있듯이,
새로운 갈등이 일어나, 긴장이나 우려를 초래할 사태에 빠지고 있습니다.

현재 이 갈등과 대립을 해결하기 위해서는, 문화재를 관할할 양국정부 수뇌들에 의한 교섭, 대화를 거듭할 것이 중요하다고 생각하여, 여기에
제안하겠습니다.

민간인의 문제에 대해서는 정부가 관여하지 않겠다고, 그냥 바로보고만 있는 태도로는, 문제 해결에 접근할 수 없으며, 사태는 악화할
뿐입니다. 앞으로도 문화재 반환을 요구할 목소리는 높아지기만 해서, 반환을 둘러싼 여러가지 문제들이 계속 일어 날 것은 확실합니다. 유출
문화재를 둘러싼 문제는 일본과 한국간의 2개국간에 한정되는 문제가 아니라, 세계적으로 해결을 모색하고 있는 중요과제입니다.

유출 문화재에 대해, 기본적으로 우리들은 식민지 시기에 불법으로 유출된 한반도 유래 문화재는 그 [본 자리]에 돌려 줄 것을 기본으로 생각하고
있습니다. 그 해결을 위해 당사국은, 관민 양쪽이 서로 끊임없이 노력할 것이 필요합니다.

우선 문제가 무엇인지 정확하게 파악할 것이 중요합니다.

다음으로 일한 양국의 문화재, 역사, 법률 전문가들에게 협력과 참가를 요구하여, 분쟁 해결을 위한 조사를 해서, 해결을 향한 방법론을 만들어
나가야 할 것입니다. 이러한 국제분쟁을 해결하기 위한 [문화재에 관한 분쟁 조정, 처리 위원회(기구)]와 같은 스킴(scheme)을
설립하여, 냉정하게 또 현명하게 처리해야 합니다.

현재 퍼지고 있는 감정적 대립은, 동아시아의 평화와 안전과 여러나라 국민들의 이익으로는 결코 되지 않습니다.

그 위에 대상이 될 문화재들이 양국에서 널리 감상, 활용 할 수 있겠금, 공동 전시를 개최하거나, 상호교류, 연구를 적극적, 의도적으로
실시해야 할 것입니다.

서로가 존중하면서, 인류공통의 유산을 후세에 전달하기 위하여, 양국 정부의 책임자들, 관계 국회 의원, 지식인이나 미디어들이 대립만을
선동할 것이 아니라, 스스로 문제해결을 위하여 대화하면서, 지혜를 서로 짜내고, 세계의 규범이 될 분쟁 해결의 구조나 규범을 만들어 낼
수 있도록 희망하여 여기에 제언하겠습니다.

한국/조선 문화재 반환문제 연락 회의

대표 아라이 신이치(荒井信一)


黄祐呂(ファンウヨ) 韓日議員連盟会長 貴下 황우여 한일의원연맹 회장 귀하
額賀福志郎日韓議員連盟会長 貴下 누카가후쿠시로(額賀福志郎) 일한 의원연맹 회장 귀하
崔宰誠(チェジェスン)韓日議員連盟社会文化委員長 貴下 최재성 한일의원연맹 사회문화위원장 귀하
白眞勲日韓議員連盟社会文化委員長 貴下 백진훈 일한 의원연맹 사회문화위원장 귀하
尹炳世(ユン・ビョンセ)大韓民国外交部長官 貴下 윤병세 대한민국 외교부장관 귀하
岸田文雄外務大臣 貴下 기시다 후미오(岸田文雄) 외무 대신 귀하
李丙琪(イ・ビョンギ)駐日大韓民国大使 貴下 이병기 주일 대한민국 대사 귀하


声明

対馬の仏像盗難問題に関する私たちの見解(2013年4月25日)

 昨年の2012年10月に対馬の海神神社にあった「銅造如来立像」と観音寺の「観世音菩薩坐像」が盗まれ、日本から韓国へと持ち出された。その後、今年1月に韓国で犯人らが検挙され、仏像は警察に押収された。ところが「観世音菩薩坐像」については、14世紀に韓国の寺院で製作され、倭寇によって韓国から略奪されたのだから、日本へ返却しなくてもよいという主張が登場し、忠清南道(チュンチョンナムド)瑞山市(ソサンシ)浮石寺(プソクサ)から仏像の移転禁止仮処分申請が出された。2月25日に大田(テジョン)地方裁判所がこれを認め、仏像は現在、国立文化財研究所に保管されたままである。今後、民事訴訟で争われると、日本の観音寺側が取得証明を求められ、対馬への返還にさらに時間がかかることも予想される。そうした経過が、日韓のメディアで感情的に紹介され、両国間の葛藤を過剰に広げている現状を憂慮する。一連の動きと事件報道が、日本国内の「嫌韓」感情を一層広げている事態に懸念を表明する。

 対馬の仏像は、闇市場での売却を目的に、鍵のかかった寺院から持ち出された盗難品である。窃盗は犯罪であり、たとえどのような動機であろうとも法的かつ道義的に許されない。「略奪」に対して「窃盗」でもって応報するという論理は、到底通用しない。もしも今回、仏像が日本に返却されなければ、違法な文化財窃盗を正当化することになり、新たに盗難の増加を促すことになりかねない。

 「観世音菩薩坐像」が倭寇によって略奪されたという根拠および言説は、現在までのところ、日本側を十分に納得させるものではない。この仏像を「浮石寺に納めた」という記事があるが、対馬の観音寺に関連した言及はない。合法的に日本に渡った記録がないから「倭寇に略奪された」という言説には、論理の飛躍がみられる。いつ頃から対馬に仏像があったのか不明であるし、譲渡を記した古文書が必ず存在するはずと見なすのは困難だからである。

 日本列島と朝鮮半島は一衣帯水の関係にあり、また日本、朝鮮、中国は漢字・仏教文化圏を東アジアで形成し、古来文化交流は頻繁であった。倭寇、豊臣秀吉の朝鮮侵略、韓国併合などの不幸な時期に、日本人が人や物を強奪したという歴史的事実を、日本側は素直に認めなければならない。けれども、人と物の往来が、つねに略奪と被略奪の関係だったとは考えられず、譲渡や売買による取得があったことが認められる場合もある。

 日韓交流の長い歴史のなかで、入手経路の判然としない文化財は、今回の仏像以外にも多数存在し、今後も類似した事件の起きる可能性がある。そこで、取得経路の明白でない文化財が盗難され国外に移転された場合の対処方法を、日韓両国の間で協議する必要性がある。あるいは日韓両国で合意に達しない場合、ユネスコの文化財返還に関する政府間委員会で討議するのも、話し合いで解決する一つの方法である。双方の政府、とくに韓国・文化財庁と日本・文化庁が紛争の解決と予防に向けて、積極的に関与すべきである。関係者やメディアにも、冷静かつ賢明に対処・報道するよう要望する。

 文化財返還問題は、相互理解と文化交流によって解決すべきであり、一方的な解釈や我欲でもって進めると、かえって事態を悪化させてしまうだろう。昨今、日韓関係は領土問題などでぎくしゃくして、ともすると感情的になりがちである。しかし文化財に関しては、互いに尊重しあって人類共有の遺産を後世に伝えるべきであり、ユネスコ憲章にあるとおり、「心の中に平和のとりでを築」くのが基本であると考える。

2013年4月25日

韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議(代表 荒井信一)

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일본 대마도의 불상 도난 문제에 대한 우리들의 견해(2013년4월25일)

 작년 2012년10월 대마도의 가이진 신사(海神神社)에 있었던 [동조 여래 입상]과 관음사의 [관세음 보살 좌상]이 도둑 당하여, 일본에서 한국으로 반출되었다. 그 후 올해 1월에 한국에서 범인들이 검거되어, 불상은 경찰에 압수되었다. 그러나 [관세음 보살 좌상]에 대해서는, 14세기에 한국의 사찰에서 제작되어, 왜구에 의해 한국에서 약탈 당한 것이니, 일본에 반환하지 않아도 된다는 주장이 등장하여, 충청남도 서산시 부석사로부터 불상의 이전 금지 가처분 신청이 제기되었다. 2월25일 대전 지방 법원은 이것을 인정하여, 불상은 현재 국립 문화재 연구소에 보관된 상태에 있다. 이후, 민사 소송이 시작하면, 일본 관음사측이 취득 증명을 제출해야 하며, 대마도에 반환될 때까지 더 시간이 걸릴 것이 예상된다. 그러한 경과들이 일한의 언론계에서 감정적으로 소개되어, 양국간의 갈등을 지나치게 퍼져 가고 있는 현상을 우려한다. 일련의 움직임과 사건 보도들이, 일본 국내의 [혐한(嫌韓)]감정을 일층 넓히고 있는 사태에도 현념을 표명한다.

 대마도의 불상은, 암시장에서의 매각을 목적으로 하여, 열쇠가 걸린 사찰에서 반출된 도난품이다. 절도는 범죄이며, 가령 어떠한 동기가 있다고 하되 법적 및 도의적으로 용서되지 않는다. [약탈]에 대항해서 [절도」로 응한다는 논리는, 도저히 통하지 않는다. 만약 이번에 불상이 일본에 반환되지 않게 되면, 위법인 문화재 절도를 정당화하는 것으로 되어, 새로문 도난의 증가를 촉진시킬 가능성까지 있다.

 [관세음 보살 좌상]이 왜구에 의해 약탈 당했다는 근거 및 언설은 현재까지 일본측을 충분히 납득시키지 못하고 있다. 이 불상을 [부석사에 바쳤다]는 기사가 있으나, 대마도의 관음사와 관련된 언급은 없다. 합법적으로 일본에 건너 간 기록이 없기 때문에 [왜구에게 약탈 당했다]」라는 언설에는, 논리의 비약이 보인다. 언제 때부터 대마도에 불상이 있었던가 불명하며, 양도를 기록한 고문서가 반드시 존재다다고 간주할 것이 곤란하기 때문이다.

 일본 열도와 한반도는 일의대수의 관계에 있으며, 또 일본, 조선, 중국은 한자 •불교 문화권을 동아시아에서 형성하여, 예로부터 문화 교류는 빈번했다. 왜구, 도요토미 히데요시(豊臣秀吉)의 조선 침략, 한국 병합등 불행한 시기에, 일본인이 사람이나 물건을 강탈했다는 역사적 사실을 일본측은 순수하게 인정하여야 한다. 그렇지만 사람과 물건의 왕래가 항상 약탈과 피약탈만의 관계이었다고는 생각되지 않으며, 양도나 매매에 의한 거래가 있었던 것이 인정될 경우도 있다.

 일한 교류가 긴 역사 속에서, 입수 경로가 명확하지 않은 문화재는 이번의 불상 외에도 다수 존재하며, 앞으로도 유사한 사건이 일어날 가능성이 있다. 그래서 취득 경로가 명백하지 않은 문화재가 도난 당하여 국외에 이전되었을 경우의 대처 방법을, 일한 양국 사이에서 협의할 필요성이 있다. 아니며 일한 양국에서 합의에 달하지 않을 경우에는, 유네스코의 문화재 반환에 관한 정부간 위원회에서 토의할 것도, 상의해서 해결하는 하나의 방법이다. 양쪽 정부, 특히 한국•문화재청과 일본•문화청이 분쟁의 해결과 예방을 향하여, 적극적으로 관여해야 한다. 관계자나 언론계도, 냉정하고 현명한 대처와 보도를 할 것을 요망한다.

 문화재 반환 문제는, 상호 이해와 문화교류에 의해서 해결해야 하며, 일방적인 해석이나 욕심으로 추진시키면, 도리어 사태를 악화시킬 것이다. 요즘, 일한 관계는 영토 문제등으로 원만치 않,자칫하면 감정적으로 될 경향이 있다. 그러나 문화재에 관해서는, 서로 존중하면 인류 공유의 유산을 후세들에게 전달해야 하며, 유네스코 헌장에 있는 대로, 「마음 속에 평화의 성을 구축하」것이 기본이라고 생각한다.

2013년4월25일

한국•조선 문화재 반환 문제 연락 회의 대표 아라이 신이치(荒井 信一)


提言

朝鮮半島由来の文化財の総合的な調査と包括的な返還促進のための立法措置を!(2011年5月27日)

 本日(5/27)、昨年11月14日横浜で日韓外相によって調印された「朝鮮王室儀軌」等1,206冊の韓国への返還に関する「日韓図書協定」の批准がようやく実現した。

 予想以上に大変時間のかかった協定批准だった。衆参の委員会で参考人を招致して13時間以上にわたって行われた質疑と討論の中で明らかになったのは、今回の「朝鮮王室儀軌」等の返還によって、問題がすべて終わるとは誰も感じていないということだった。「韓国併合」以来のこの100年前後に持ち込まれた朝鮮半島由来の文化財が、日本に多数存在することはまぎれもない事実である。それゆえ、なんとかこれ以上の文化財返還を回避しようと政府も議員らも悩み、強引に領土問題と関連付けたり、対抗的に在韓の日本関係文書の調査や返還を求める提案が浮上し、論議は錯綜し、混迷した。

 しかし、文化財はそのルーツの元に戻すべきとの基本的な考えについては異論はなかった。また、研究や閲覧の便宜を図り、広く公開され、アクセスしやすくすべきとの考えについてもおおむね合意ができていたように思われる。
 民間の文化財の返還をどうするのか? 米軍に持ち去られた沖縄の文化資産をどう取り戻すべきか?との論議も行われた。13時間の議論は意義があったと評価できる。同時に、何かを恐れているような不健全な空気が終始ただよっているような印象をぬぐえなかった。未来志向の明るい議論ではなく、後ろめたさと逆に強がりが交錯したような後味の悪い印象を残した。
 利川市から五重石塔の返還を求められている大倉集古館はじめ、朝鮮半島由来の文化財を多く所蔵する各地の博物館や美術館、大学などはむしろ警戒感を強めているのではないかと懸念される。

 日本政府と国会のなすべきことは、問題を封印したり、隠蔽するのではなく、むしろ所有者が抱える不安や後ろめたさを解くためにも、進んで情報を公開し、調査し、長期的でスムーズな返還の仕組みやルールを、ユネスコなどの勧告や知見も活用しながら、検討・研究してつくっていくことである。
 日本政府はすでに韓国政府に在韓の日本の盗難文化財の再調査を求めているが、日本に存在する朝鮮半島由来の文化財の総合的な調査を韓国政府や両国の民間研究者とともに共同で実施し、まずそれらのデータベースを構築すべきである。その上で、類型化して、返還や保存の仕組みとルールを考案し、具体的な返還のための包括的な立法措置を講じるべきである。

 対立をあおり、喧嘩を売り買いするような姿勢でなく、文化財返還をとおして、緊張や不信を和らげ、後めたさや不安を減らし、相互に理解を深め、真の善隣友好につながるよう、日韓双方の努力を呼びかけたい。協定批准がゴールではなく、これは新しい100年のスタートであることを確認したい。

2011年5月27日

韓国・朝鮮文化財返還問題連絡会議

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제언

한반도 유래 문화재의가 종합적인 조사와 포괄적인 반환 촉진을 위한 입법 조치를 촉구한다!(2011년5월27일)

 오늘 (5월27일), 작년 11월14일 요코하마(橫浜)에서 일/한 외무장관에 의해 조인된 「조선 왕실의궤」등 1,206권의 한국에로의 반환에 관한 「일한 도서 협정」의 국회 승인이 드디어 실현했다.

 조인부터 6개월이 경과하여, 예상 이상의 시간이 걸린 협정 비준을 위한 국회 승인이었다. 중참의원의 위원회에서 참고인을 초치하여 13시간 이상에 걸친 질의과. 토론 속에서 밝혀졌던 것은, 이번의 「조선 왕실의궤」등의 반환에 의해서, 문제가 다 끝났다고는 아무도 느끼지 않고 있다는 것이었다. 「한국 병합」부터 식민지 지배하에서 가져 온 한반도 유래의 문화재들이, 일본에 다수 존재한다는 것은 틀림없는 사실이다. 때문에, 어떻게든 더 이상의 문화재 반환을 회피하려고 정부도 의원도 고민하면서, 억지로 영토 문제와 관련시키거나, 대항적으로 한국에 있는 일본관계 문서들의 조사나 반환을 요구하는 제안이 부상했으며, 논의는 착종해서 방황했다.

 그러나, 문화재는 원산지로 되돌리는 것이 원칙으로 여겨지고 있다는 기본적인 생각에 대해서는 이론이 없었다. 또, 연구나 열람의 편의를 도모하여, 널리 공개시켜, 접근하기 쉽게 해야 하다라는 생각에 대해서도 대체로 합의가 되어 있었던 것처럼 생각된다.
 민간의 문화재의 반환을 어떻게 할 것인가? 미군이 가져 간 오키나와의 문화
자산을 어떻게 되찾아야 할것인가?라는 논의도 있었다. 13시간의 논의는 의의가 있었다고 평가할 수 있다. 동시에, 무언가를 두려워하는 것 같은 불건전한 공기가 시종 감돌고 있는 것 같은 느낌을 지울 수 없었다. 미래지향적인 밝은 논의가 아니라, 꺼림칙함을과 반대로 강한 태도가 교착한 것 같은 뒷맛이 나쁜 인상을 남겼다.
 이천시로부터 오층석탑의 반환을 요구받고 있는 오오쿠라(大倉) 집고관을 비롯, 한반도 유래의 문화재를 많이 소장하고 있는 각지의 박물관이나 미술관, 대학교등은 오히려 경계감을 강화하고 있지 않을까 우려된다.

 일본정부와 국회가 해야 할 일은, 문제를 봉인하거나, 은폐할 것이 아니라, 오히려 소유자가 안고 있는 불안감이나 꺼림칙함을 풀기 위해서도, 자진해서 정보를 공개해서, 조사하여, 장기적이면서도 순조로운 반환의 구조나 원칙들을, 유네스코등의 권고나 지견도 활용하면서, 검토/연구해서 만들어 가는 것이다.
 일본정부는 이미 한국 정부에게 한국에 있는 일본의 도난 문화재의 재조사를 요구하고 있으나, 일본에 존재하는 한반도 유래의 문화재들의 종합적인 조사를 한국 정부나 양국의 민간연구자들과 함께 공동으로 실시해서, 우선 그것들의 기초 자료를 구축해야 한다. 그 위에서, 유형화하여, 반환이나 보존의 구조와 원칙을 고안해서, 구체적인 반환을 위한 포괄적 입법 조치를 강구해야 한다.

 대립을 선동해서, 싸움을 주고 받고하는 자세가 아니라, 문화재 반환을 통해서, 긴장이나 불신을 억눌러, 꺼림칙함이나 불안감을 줄여, 서로 이해를 깊이 하며, 진정한 선린우호에 연결되도록, 일한 쌍방이 노력하도록 여기에 호소하려고 한다. 협정 비준이 종착점이 아니라, 이것은 새로운 100년의 시작인 것을 확인하려고 한다.

2011년5월27일

한국•조선 문화재 반환 문제를 생각하는 연락 회의


声明

「朝鮮王室儀軌」等の図書返還の日韓政府協定調印に関して(2010年11月14日)

 本日(11/14)、横浜で日韓首脳・外相間で、8月10日の菅総理談話に基づく「朝鮮王室儀軌」等1,205冊の返還に関する協定書の調印が行われました。
 かねてより韓国の民間や国会から強く要望されてきた図書類の返還が実現したことを歓迎し、関係者の努力に敬意を表します。この後、国会で協定の批准も速やかに行われるよう希望します。

 今後、他の文化財返還問題や戦後処理問題への波及を懸念する声もありますが、1965年日韓会談妥結後、45年間にわたって「完全かつ最終的に決着済み」とされてきた文化財返還問題が、「併合100年」の今年、新たに動いたことの意義は小さくないと考えます。ひたすら受身で、臭いものに蓋をし、殻を閉じて、紛争の種を先送りのではなく、進んで議論・検討し、返せるものは返還し、信頼回復・醸成を図ることこそ、未来志向的であり、.「新しい100年」を迎えるにふさわしい態度であると私たちは考えます。

 本日調印された協定の返還対象は、宮内庁書陵部所蔵の「朝鮮王室儀軌」167冊、「大典会通」1冊、「増補文献備考」99冊、杢章閣から持ち出された図書938冊の合計1,205冊で、一部「経筵」、「帝室図書」などが除外されたことに、批判の声もあります。今後も、検討を重ね、他の政府関連機関、民間所蔵のものも含め、さらに返還を進める動きとなることを期待します。
 また、日本側は一貫して「返還」という言葉を避け、「引き渡し」と表現していますが、誰が考えても、朝鮮王室の重要な図書が21世紀の今も東京の宮内庁書陵部にあったこと自体が不自然であり、改めて経路・経緯を明らかにして、「引き渡し」ではなく「返還」と表現し、位置付けるのがふさわしいと考えま
す。
 今回は図書だけですが、韓国・朝鮮から搬出されてきた文化財は、書籍のみならず、建造物・仏像や絵画などの美術品・古墳からの出土品など多種多数にのぼります。とりわけ国立博物館や旧帝国大学などに多く所蔵されています。民間でも大倉集古館などに多数所蔵されていて、同館の五重石塔は韓国・利川市から返還をつよく求められています。今回の政府間協定の調印が他の文化財の調査と返還にもつながることをつよく願います。

 韓国の民間の粘り強い運動が大きな推進力となったことに学び、今後も連携して日本側でも努力していきたいと考えます。

2010年11月14日

韓国・朝鮮文化財返還問題を考える連絡会議


コメント

「朝鮮王室儀軌」等の図書返還の日韓政府合意に関して(2010年11月9日)

 昨夜(11/8)、8月10日に菅総理談話で発表された「朝鮮王室儀軌」の返還に関し、日韓両政府が合意したことを明らかになった。
 菅総理の公約が実現に向けて進展したことを歓迎し、評価する。1965年日韓会談妥結後、45年間にわたって「完全かつ最終的に決着済み」としてきた文化財返還問題が新たに大きく動き出したことの意義は大変大きい。

 ただし、いくつか問題も残る。かねてより韓国国会や民間の朝鮮王室儀軌還収委員会などから強く返還を求められていた宮内庁書陵部所蔵の「朝鮮王室儀軌」167冊、「大典会通」1冊、「増補文献備考」99冊、奎章閣から持ち出された図書938冊の合計1205冊とのことだが、一部「経筵」、「帝室図書」などは除外されているという。除外した合理的な根拠があるのだろうか? 説明が必要だろう。
 日本側は、一貫して「返還」という表現を避け、「引し渡し」と主張し、今回も「引き渡し」で押し切ったようだが、誰が考えても、朝鮮王朝の重要な図書が今も東京の宮内庁にあること自体が不自然であり、「返還」との位置付けと表現がふさわしいのではないか?

  「併合100年」の歴史的な年に返還が履行されるよう、すみやかに協定を締結し、この臨時国会会期中に批准されるよう強く望む。
 また、返還に当たっては、漂流物を拾って返すという話ではないので、これらの図書が日本に搬出され、今日まで東京で保管された歴史的な経緯を明らかにし、その返還の意味を広く日本国民に説明し、理解を求めるとともに、韓国・朝鮮に対して改めて率直な謝罪を行うべきであろう。

 今回は図書だけだが、韓国・朝鮮から搬出されてきた文化財は、書籍のみならず、建造物・仏像や絵画などの美術品・古墳からの出土品など多数にのぼる。とりわけ国立博物館や東京大学、京都大学、山口大学などに多く所蔵されている。民間でも大倉集古館などで多数所蔵されていて、同館の五重石塔は韓国・利川市から返還を要望されている。今回の「返還」が他の文化財の変化にもつながることを願う。

 「返還」実現にあたって、韓国の民間の粘り強い運動が大きな推進力となったことに心より敬意を表し、引き続き連携して日本側でも努力していきたい。

2010年11月9日

韓国・朝鮮文化財返還問題を考える連絡会議


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