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北海道後志地方の温泉めぐり byやませみ


【第2回】 積丹半島(1)

後志では小樽の次に観光客が多く集まる積丹半島。ウニ丼は超有名であっても、ここに個性的な温泉がいくつも点在していることはあまり知られていません。最近になって道路が一周できるようになりましたから、訪問しやすくなりました。

積丹町観光協会のHP
http://www.town.shakotan.hokkaido.jp/index.htm


「岬の湯しゃこたん」

  積丹町大字野塚町212-1 TEL/0135-47-2050 水休 10-21時 600円

<掲示> 簡易掲示のみ(分析値は郡司さん調べを拝借)
  Na−Cl・HCO3 52.6℃ pH=? 204 L/min 総計=24890mg/kg
  Na=8100 Fe=1.8+3.9 Cl=6584(52) HCO3=8180(38.2) SO4=1468(8.7 mval%)

積丹岬の近く、野塚の海岸段丘の高台に新しくできた大型の公営日帰り施設。平日の昼下がりなのに広大な駐車場がほぼ満杯になる人気振り。ちょうどバスツアーの団体も入る時間帯だったので殺気がただようほどの混雑であった。浴場は一般的なセンター系の構成で、サウナ付きの内湯と眺望の良い露天風呂があり、すべて完全循環になっている。例によって湯に浸かっている人よりも洗い場の人数のほうが圧倒的に多い。

湯は微かに緑がかった微ささ濁りで、鉄分は濾過除去しているようだ。明瞭な塩味と濃い重曹のキャベツ様の薬味があり、身体にまとわりつくようなトロトロした濃度感がある。強いつるすべ(4)のオイリーな浴感はなかなか見事であるが、なんせカルキ臭も強烈だからハイターに漬かっているようでかなり気持ち悪い。源泉の素質は素晴らしく、東日本最強のつるすべ温泉になれる要素はあるのだから、別料金でもいいから掛け流しの小浴槽を設けてほしいところである。(2002.6.27)

写真はありません



積丹温泉「ホテルしゃこたん」

  積丹町大字野塚町 TEL/0135-45-6016 宿泊8000円〜 無休 いちおう12-15時 600円

<掲示> 玄関と浴室前廊下に分析表掲示
  つるつる美人温泉(H9.1) 野塚町35-3
  Na−HCO3・Cl 38.4℃ pH=7.5 204 L/min 350m・動力 蒸発残留物=4.75g/kg 総計=6348mg/kg
  Na=1814(93.19) HCO3=2595(48.4) CO3=6.2 Cl=1500(48.1 mval%) H2SiO3=80.8 CO2=93.8

野塚海水浴場を前にした国道沿いに建ち、積丹でも古株の温泉宿。岬の湯のすぐ下に位置するのだが、こちらはまったくひっそりとしており対照的。看板もごく控えめなのでよ〜く見ないと温泉があるとは気付かないだろう。ホテルとはいいながら鄙びた木造モルタルの建物で、玄関廻りは新しくなっているが館内は古いままで歴史を感じる。湯を請うと上品なお婆ちゃんが出てきて丁寧に案内してくれた。

旧浴室は小振りの内湯が2個、新浴室には内湯+露天が1個あり、男女交代で使用される。どちらも2階にあって窓から浜を見ながらの入浴となる。午後は新浴室が男性用になっているのでこちらに入ったが、6人前ほどのタイル浴槽は循環式で42℃の熱めに加温されている。湯口もあるがこのときは投入されていない。

無色透明の湯は弱塩味でやや強いキャベツ様の薬臭、濃度感は岬の湯ほどではないが、強いつるすべ(4)はほぼ同等で良い感触。露天は脱衣所から狭い木製階段を上がった屋上にある。こちらも循環式で湯口からの投入はなし。塩素剤を入れていないので緑藻が発生して湯が緑色になっている。あとで旧浴室を覗いたが、3人前くらいの小浴槽に20 L/minほどの加熱掛け流しになっていて、こちらのほうが断然よさそうであった。(2002.6.27)


玄関右2階が旧浴室、右端が新浴室

窓の向うは日本海

湯が緑色になっている




シララ温泉「民宿北都」

  http://www1.odn.ne.jp/~cdd82580/
  積丹町大字西河町14-2 TEL/0135-46-5800 7-22時 500円 
  宿泊7000円(ウニ・アワビ付き各1000円+ 両方で3000円+)

<掲示> 別表のみ掲示 フロントに分析表あり
  シララ温泉(H1.2) 積丹町大字西河町14-2
  Na−HCO3 44.2℃ pH=6.3 204 L/min 動力 蒸発残留物=1.624g/kg 溶存計=2497 総計=3150mg/kg
  Na=481.8(71.5) Ca=68.3(11.6) Mg=41.3(11.6) 総Fe=9.6 Zn=1.8
  HCO3=1530(87.1) CO3=0.2 Cl=122.5(12.0 mval%) H2SiO3=181.6 CO2=652.5

新顔の大きな温泉民宿で食堂も兼ねており立ち寄り客はけっこう多い。浴室は2階の男女別内湯で露天はない。小さな小上がりの休憩所と展望テラスがついている。メニューも置いてあったので、食堂から運んでもらえるようだ。

天井が高い清潔な浴室に一歩入ると、ほのかな金気臭・硫黄臭・油臭の混じった複雑な香りに包まれ、これだけで思わず顔がほころぶ。浴槽の構造はちょっと変わっており、2x4mくらいのタイル浴槽の隣りに一人ぶんの小浴槽が付いて寝湯のようになっている。鉄板で覆われているところの下が大きく開口しており、ここから気泡と共に41℃ほどの源泉がふつふつと湧きあがってきている。鉄板は炭酸分を逃がさず湯中に封じ込めるような役目をしているのであろう、巧妙な工夫である。湧きだし量の推定は難しいが、浴槽からのオーバーフローは30Lほどある。さらに側壁にパイプ口がずらりと並んでいるが、これはとくに湯が出ているふうでもないので何のためかよくわからない。

湯は透明に澄み切っており、かすかに灰緑色がついているように見えるのは鉄分のせいか。大きい方の浴槽ではわずかな泡付きと弱いつるすべ(1)という淡泊な浴感。ところが小浴槽へ漬かってびっくり、数秒もしないうちに全身が大きな気泡でびっしり包まれ湯面にピチピチはねる。身体をゆするとシュワーっとサイダーを注いだような状態になりとても面白い。

湯を口に含むと明瞭な炭酸の刺激が爽やかで、新鮮な鉄味と微塩味をともなう重曹味もかなり濃い。CO2含有量は療養泉の基準にはみたないものだが、なんせ非加熱の適温で使用されているので並の炭酸泉よりもCO2の残存状態ははるかに多く、貴重な逸品といえる。源泉井戸は宿の前のマンホールにあり、そこから弱いポンプアップで2階にあげているが、名人芸の湯使いで設計者に敬意を表したい。ぬるめの湯に5分ほど漬かっただけで皮膚の紅潮がみられ、温もり感が大きいのに疲労感はまったくない。療養温泉としての将来も期待できる。

食事は積丹の海産物がずらりと並び食べきれないほど。1000円追加のウニもてんこ盛りで超満足。(2002.6.27宿泊)



温泉マーク下の大きい窓が浴室

鉄板の下から源泉がわきあがる 泡で白く見える

数秒でこんな感じのアワアワになる




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