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韮崎-奥蓼科の温泉めぐり byやませみ


【第1回】

 

■韮崎旭温泉

  韮崎市旭町上条中割391 TEL/0551-23-6311 火曜休 10-21時 500円

<掲示> 脱衣所に分析表
  あさひ温泉源泉 H8.5 上条中割字穴田352-4
  Na−Cl・HCO3(低張性) 40.5℃ pH=7.7 393 L/min
  総計=1233 溶存成分計=1222 mg/kg
    Na=335 (83.0) Mg=14.9 Ca=24.9 Fe(II)=0.9
    Cl=365.3 (58.9) SO4=100.6 HCO3=306.9 (28.8)
    H2SiO3=46.5 HBO2=7.7 CO2=11.1 mg/kg (mval%)

櫛形山地の山裾を走る県道12号(旭バイパス)の途中に案内表示があり、横道に入ってすぐの「あさひホーム」裏手斜め。こじんまりした建物で、内風呂浴室と休憩広間があるだけのシンプルさが好ましい。

清潔なタイル浴室の半分ほどを6x6mのL型大型浴槽が占領し、南向きの全面ガラスからの陽射しで淡い黄緑色の湯がきらめいている。浴槽は浅めで湯はぬるめだから、縁に頭をのせて半ば寝湯のようにして長湯できる。窓の向こうに柵があって眺望はないが、洗い場に立つと富士山が正面にあり意外なほど近くに大きく見える。

湯口からは40℃の源泉が80 L/minほど大量に投入され、窓際・壁際の側溝と洗い場の3辺に全面的に溢流する正統な掛け流し。湯口直下の湯は大量の細かい気泡で白濁しており、メロンソーダを流し込んでいるよう。窓際の日光が直射するところでは、気泡による光散乱で湯が発光しているようにも見えて美しい。湯じたいの浴感は弱く、薄めの食塩重曹泉として一般的なものながら、細かい気泡が大量に付くので滑らかな感触がとても心地よい。

浴槽の湯口では淡い塩味に新鮮な金気味。微かなタマゴ風味と炭酸味もあるほか、臭素臭やアンモニア臭らしいのも感じられる。いずれも分析数値は微量なので、湯が新鮮なことでよく残存しているのだろうと思う。源泉のスペックは平凡でも湯使いによっては素晴らしいものになるという見本。

浴後は軽やかに温まる爽やか系であるが、心地よい湯疲れを覚える。何度でも通いたくなるような印象深い湯であった。(2002.12.26)


富士を遠望する広い敷地に建つ小さな湯

陽射しが強いので暗めに写ってしまった

湯口のあたりは気泡で濁って見えるほど



■泉温泉「泉温泉健康センター」


  大泉村谷戸1880 TEL/0551-38-2611 水曜休 10-20時(冬季-21) 800円

<掲示> 脱衣所に分析表
  泉温泉健康センター源泉 H5.11 大泉村谷戸1915
  Na−HCO3・Cl(高張性) 52.8℃ pH=7.2 220 L/min 動力
  総計=11.19 溶存成分計=10.97 g/kg
    Na=3115 (93.6) Li=12.0 K=74.1 Mg=20.5 Ca=53.8 NH4=19.5
    Cl=2161 (40.8) HCO3=5397 (59.2)
    H2SiO3=55.7 HBO2=58.0 CO2=216.4 mg/kg (mval%)

このあたりでは古株の日帰り温泉で久々の訪問。土曜の昼時なのに閑散としていたのは意外。周辺に大型施設がたくさん出来たのでそちらへ流れているのだろうか。館内は公民館か体育館のような雰囲気で、昨今の豪華絢爛な第三セク施設に比べると堅苦しさが感じられる。事務所横の廊下には温泉の解説、ボーリングの図面やスケールの詰まった配管などが展示してあって生真面目な姿勢が伺える。

浴室構成は寝湯付きの大浴槽・ジャグージ浴槽・ミストサウナという一般的な内容で露天風呂はない。浴室全体に湯気がこもっていてやや暑苦しいし、南八ヶ岳が目前なのに窓からの展望がないのは惜しい。

大浴槽の湯は淡い黄緑色で美しいが完全循環のなまった感じ。ジャグージ浴槽には源泉の少量追加がありいくぶん新鮮さが感じられる。どちらもカルキ臭は少ないのが救い。強つるすべ(5)の湯はよい感触だが、熱めに調整されているのでゆっくり長湯というわけにはいかない。ジャグージ湯口から10 L/minほど投入される熱い湯(49℃)が源泉と思われ、とろりと濃い重曹味で甘しょっぱく、アンモニア臭もつんと香る。

施設的にはいまいちだが、温泉は日本屈指の濃い重曹泉で必須の一湯。それだけに循環で使用されているのは非常に残念。高温なので源泉掛け流しは難しいだろうが、湯の鮮度を高める工夫をしてほしいものだ。
敷地の左端に温泉スタンドが一機あり100L/100円。高齢者・身障者用の家族風呂(個室付き)も備えられている。(2002.12.28)


浴室内は湯気もうもうで写せませんでした




■蕎麦処「遇(ぐう)」

  高根町箕輪1830 TEL/0551-47-4173 月曜休 1130-15時
  もり1000円 そばがきぜんざい500円 下仁田ねぎ300円

よい蕎麦屋さんをみつけました。 国道141号(清里ライン)を須玉側から上っていくと、たかねの湯入口の900m手前に小さい木の看板が出ているので見逃さずに細い横道(西側)に入ります。あとは案内に従って行けばすぐです。反対に清里側から下ってくると看板も横道も見えないので、まず見つけるのは難しいです。

茅葺きや白壁の古い家が並ぶ農村風景のなか、素敵なご夫婦がひっそりと蕎麦店を営んでいます。建物は明治初期の木造二階屋で、玄関には「明治病院」という古びた看板が掛 かり村の開業医さんだったようです。日当たりの良い南側の座敷に通されると、木の温もりを活かした内装に改造されていて、ほのぼのとした雰囲気に居心地の良さを感じます。

どうせ素人蕎麦だろうと正直言ってあまり期待していなかったのですが、淡く緑色を帯びた滑らかな細打ちは、新鮮な香味がたっぷりあって上出来です。つゆをほとんど使わずに食べてしまいました。2枚ザルに盛られ、1枚目を食べた頃合に次を持ってくるという気遣いも心憎いです。付け合わせに下仁田ねぎの炒めたのを頼みましたがこれが絶品で、久々にねぎの甘さに唸りました。

値は少々高めですが、明治の山村にタイムスリップしたような不思議な感覚も楽しめて、心温まる至福の一時を過ごせました。近くに来たら是非とも寄ってもらいたい推薦店です。(2002.12.28)


文化財級の素敵な建物です


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