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木曾御嶽山周辺の湯巡り byやませみ 【第4回】 下呂温泉 |
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■下呂温泉「水明館・山水閣」 C/ 完全に見かけ倒し 10-18時 1000円(タオルセット付き) TEL/0576-25-2801 http://www.suimeikan.co.jp/ 下呂は3度目になるが、盟主的存在の水明館には寄ったことがなかった(近寄りがたい雰囲気)。おずおずと入館しフロントで料金を払うと、「露天風呂か展望風呂のどちらか一方にしてください。」という。山水閣、飛泉閣、臨川閣、青嵐荘の4棟に分かれており。それぞれに浴室があるそうで、立ち寄り入浴できるのは山水閣の露天風呂と、飛泉閣の展望大浴場のみ。 臨川閣の檜風呂が割と評判良いのだが、これは宿泊者専用なのであった。山水閣の内湯付きの露天風呂は、男性用が「野天風呂龍神の湯」、女性用が「野天風呂観音の湯」と名付けられている。同行者に後で聞くと、女性用はかなり狭いものだというので、大いに不満そうであった。 内湯はまったく平凡なつくりの味気ないもの。さらに、プールのようなカルキ臭がぷんぷん。完全循環だが、吐出量がほとんど無い。無味無臭のお湯はいちおう弱いつるすべ(1)を持つものの、湯の新鮮さは全く感じられない。 露天風呂は25mプールくらいのサイズがあり、非常に広大。打たせ湯が2カ所、ジャグジーが2カ所も元気に稼働しているので、ひじょうに喧しく落ち着かない。この手の仕掛けが好きな方には楽しいかも知れないが、アルカリ性の単純温泉をこう派手にかき回すと、空気中の炭酸ガスを吸収してpHが下がってしまう。おかげで、湯には身上のつるすべ感がほとんど残っておらず、満足感は薄い。 露天の入り口に、直径50cmほどの小型の源泉井戸が設置されている。46℃(体感)の無色透明な源泉が小石の中から湧き出している様子は、河原の自然湧出ではじまった下呂温泉の往時を彷彿とさせるものがあるが、湧出量はほんのちょろちょろで、巨大な露天風呂には抗すべくもない。熱いのを我慢して触っていると、けっこうなつるすべ(2)で新鮮さがある。かすかな硫黄臭もある。誰もいないのをいいことに、たくさんの桶に汲み溜めて、少し冷めたところでざぶざぶ浴びてみる。これでちょっとは気が晴れた。(2001.7.26) <DATA> 脱衣所に筆書きの分析書が置いてある。年次が古いわけではないので、これは演出だろう。 源泉名記載なし* (S.50.3.分析) 単純温泉(Na-HCO3・Cl) 73℃ 使用位置43℃ pH記載なし(9.5くらいか?) 湧出量(使用量)記載なし 総成分計=0.338g/kg Na=96.8 HCO3=78.35 Cl=76.75 SO4=14.42 F=10.21 CO3=0.732 *水明館は下呂温泉の集中管理に源泉を供出していますが、管理源泉に73℃のはないので、これは独自源泉かと思われます。 |
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![]() 噴泉池の全景 たいへん清潔に管理されている |
![]() 湯口の付近 透き通って美しい湯は見かけによらず豊かな浴感 |
<下呂温泉について> ○歴史 温泉の発見伝承は天歴年間にさかのぼり、千年の歴史がある。江戸時代の儒学者・林羅山が天下三大名泉の一つにあげたことは有名。河川敷に湧出する湯の汲み上げ方法がないために、長らく手堀の露天風呂か汲み湯の湯治場であった。明治・大正にいたっても、洪水で埋没することがたびたびあり、温泉の維持にはたいへんな苦労があったらしい。 昭和初期には5箇所の自然湧出泉があり、泉温46-65℃ Na-Cl型の単純温泉であった。昭和30年代以降、源泉の開発が濫掘気味となり、昭和41年には源泉数が71本、総採取量は昭和29年の2900L/minに対して7000L/minに達したが、水位・泉温の低下、成分の変化(Na-HCO3型)が著しくなり、枯渇の様相を呈してきた。 ○集中管理 昭和49年に源泉を借上げ方式に改め、集中管理による供給が開始された。源泉は泉温・湧出量の優秀なもの12本(+希釈用1本、+予備5本)を残して廃棄された。各源泉で採取された温泉は、湯の島温泉寺・幸田・森の3地区のポンプ所を経て温泉街全体に供給される。基本的にはどこの旅館・施設でも同じ泉質であるが、ポンプ所によって微妙な違いがある。 源泉は当初の2源泉が廃止され、替わりに掘削された3源泉が新たに加わって、計13本となっている(最近もう1本追加されたらしい)。湯の島区;8本、幸田区;5本、森区;なし 供給温度は当初50℃、昭和62年より55℃に上げられている。総採取量が約3000L/minにおさえられた結果、温泉成分も徐々に初期の状態に戻りつつあるという。 |