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やませみ 道東湯巡り byやませみ  2001年6月

【第1回】 女満別から知床へ

<女満別周辺>

女満別温泉「山水旅館/ホテル山水」

(宿泊) A/ 浴後感の良いつるすべ湯
  女満別町湖畔 TEL/01527-4-2343
  930-2130時 300円 無休

旧館の「山水旅館」と新館の「ホテル山水」に分かれる。典型的な駅前旅館という佇まいの旧館に宿泊。部屋は狭いが、わりと清潔で落ち着く。食事は新館の食堂を利用する。豪華ではないが家庭的な料理で、けっこう美味しかった。

浴室は別棟で建っており、これだけで一個の公衆浴場とみることができる。実際、地元の方が銭湯替わりに利用しており、けっこう賑わっている。男女別内風呂と露天風呂各1のシンプルにして充分な構成。脱衣所は新築で清潔。

(内湯)
銭湯サイズの浴槽(2x4m)の両脇に、ジャグジーとぬる湯の小浴槽がつく。タイル貼りに黒い石板縁取りのごく一般的なもの。高窓なので換気があまり良くない。40L/minくらいの掛流しで湯は新鮮。湯口43℃なので熱めの適温。

(露天)
男女とも岩風呂。かなりの深さがあり(90cm)、これは女将さんのこだわりなんだそうだ。細目の塩ビ管から湯が10L/minくらい落ちているのがちょっと味気ない。湯守さんが女湯のほうが自慢の出来だというので、早朝に覗くと、中央に赤石が置かれ、確かに男湯よりはいくぶん念入りに作られているように感じる。どちらも深いのはいいが、座れる部分が少ないので、あまり落ち着けない。超ぬるめ。

内湯はほぼ無色透明、ごくわずか緑褐色を帯びる。ほとんど無味無臭だが、湯口でかすかな硫黄臭を感じる。浴室内に淡い甘い香りが漂うが、湯によるものかは不明。つるすべ度(3)もやや強く感じられ、泡も少し付く。ただし、石鹸で身体を洗った直後はつるすべ(2)でややキシキシし、入るほどにすべすべ感が回復していく。すっきりした浴後感が大変良く、何度も漬かりに行ってしまった。アル単もばかにできない。(2001.6.1)

<DATA>分析表は待合いに掲示
 山水旅館 女満別町西3条2丁目5-1
 43.8℃ pH=8.9 145L/min(自噴)
 アルカリ性単純温泉(Na-Cl・HCO
3) HCO3=163.8 CO3=28.9 HS=0.3 総計0.594g/kg


山水旅館の内湯
 浴槽全体から湯が溢れる

山水旅館の女湯露天風呂
 男湯より若干広い、女将の自信作


「女満別構造改善センター」

 -/(時間外で入れず) 
 女満別町中央360-1 TEL/01527-4-2201
 12-2145時 360円 第2・4水曜休

桃色がかった外観の立派な施設。こちらも銭湯替わりに利用されているようだ。



美幌後楽園温泉「びほろ後楽園」

 B/ 薄い湯だが温冷浴が心地よい
 美幌町端治
 9-23時 350円

空港からも近い国道39号沿いにあり、ちょっとくたびれた大型センター系施設。浴室はけっこう広々としており、2面が大きなガラスで採光も良い。ただし換気は不良。大浴槽と小型のジャグジー、サウナ、露天付き。別棟に温泉プールも併設。

大浴槽の湯(2号井)は僅かに黄緑色の透明で、朝日に映えるとけっこう美しい。微塩味、つるすべ度(1)で、あまり特徴があるとはいえない。ジャグジー(1号井)の湯は淡緑褐色透明で、軽い硬質のモール臭が感じられる。薄い重曹味、つるすべ度(2)で、こちらのほうが面白い。ちょい熱めの大浴槽と薄ら冷たいジャグジーで、温冷交互浴が楽しめるのは嬉しい。(2001.6.2)

<DATA>簡略掲示のみ、分析表の用意なし
1号井 33.8℃ 600L/min(500m自噴) アルカリ性単純温泉
2号井 44.1℃ 220L/min(1000m自噴) Na-Cl弱塩泉


びほろ後楽園の入口
 派手な塔(?)は国道からも良く目立つ
 


上里温泉「津別町営ホテルフォレスター」

 B/ センター系の透明湯
 津別町上里 TEL/01527-6-3333
 12-21時 500円

「森の健康館」と銘打っているだけあって、原生林のなかに建つ瀟洒なホテルは、広々とした自然に囲まれ、ちょっと宿泊してみようかな、という気にさせる。ごく一般的な石板造りの内湯(ジャグジー付)と、岩石庭園様の露天風呂がある。

湯は掛流しで使用されているが、いかんせん無色澄明無臭で特徴がまるで無い。かすかに甘いような匂いがするのと、つるすべ度(2)が温泉だと感じられる程度。「植物性の温泉」ということなので、モール泉かと思われるが、濾過しているのかな?pH=9.2ほどのアルカリ度をまるで感じないのが淋しい。(2001.5.29)

<DATA>掲示は別表のみ フロントで別表を小さく印刷したものをくれた
 上里温泉 津別町字上里
 43.6℃ pH=9.2 105L/min(自噴) アルカリ性単純温泉 蒸発残留物234mg/kg


フォレスターの内湯
 どこかで見たような・・・

フォレスターの露天風呂
 あくまでも透明な湯


<斜里−知床>


オシンコシンの滝上部とオホーツク海
 滝の上部に出る道路がある

八木浜港付近から見る国後島
 佐渡よりもずっと近い


斜里温泉「湯元館」

 入浴随時 400円 無休 宿泊4,800円(シーズン別)

街はずれにぽつんと建つ、湯治客・ツーリング客重視の宿。併設の遊牧場の馬たちが出迎えてくれる。めがねのお女将さんも気さくで明るい。

(新館)
木製の山小屋風な内装にしており、雰囲気は悪くない。完成直後で、まだニスの匂いが立ちこめている。内湯は民宿サイズの小振りなもの。黒色の石板を全面に使用しており、小さい通風窓が高いところにあるきりなので、異常に暗い。洞窟風呂のような感じ。どうしてわざわざ暗い浴室を作ったのか女将さんに尋ねると、「うちの温泉は陽があたるとすぐに藻が生えてきて大変なので、暗い風呂にした」とのこと。旧館浴室を見ればなるほどと思うが、換気の悪さにはやや閉口する。岩造りの湯口上部から熱い源泉が5L/min程度噴き出す掛流し。

(旧館)
男湯は、2面が窓の広くて明るい浴室で好印象。黒黴が付着してかなり古びているが、しっかり掃除されており不潔感はあまりない。中央に径5mの石組み円形浴槽があり、天井から垂れ下がったパイプから、熱い源泉が10L/min程度落ちており、打たせ湯方式の冷却で浴槽内は42℃くらいのやや熱めに調整されている。浴槽の湯は、オレンジがかった鮮紅色に見え、どきっとするほど美しい。 ただしこれは、底がワイン赤のタイル貼りになっているためで、この色が湯に映えているのだ。湯じたいは、番茶の出がらしのような色でわりと普通。女湯(兼家族風呂)は、黄緑色のタイル張り。底はやはりワインレッド。

淡黄褐色透明、微塩味でまろやかな重曹味、木炭のようなやや硬質なモール臭。つるすべ感(3)も十分に感じられ、やさしい感触の湯。宿泊で長湯したいと思った。(2001.6.1)

<DATA>新しい分析表は新館に掲示
 斜里温泉 斜里町西町13-13
 54.7℃ pH=7.79 湧出量記載なし 120L/min(自噴1200m)とのこと  
 Na-HCO
3・Cl CO3=42.9 HS=0.3 総計1.968g/kg (H9.10分析)
*旧館にある古い分析表(S51)は、
 60℃ pH=8.1 500L/min(自噴1000m) CO
3=tr H2S=1.00


湯元館の外観
 落ちつける雰囲気だ


湯元館新館の内湯
 精一杯明るく撮ってこの程度


湯元館旧館の内湯
 ワイン風呂ではない。驚くなかれ。
 


越川地区共同浴場

 無人管理 無断入浴厳禁(斜里町寄りにある早川商店でお願いすること)
地元専用ではないが、無人なので場所は秘す。

浴室部分を改装中。休憩所と脱衣所部分はそのままのようだ。4/19から1カ月の工事と貼り紙があるが、未だ打ち放しコンクリの浴槽と外壁基部ができているだけの野ざらし状態。構造は以前の写真で見たのとほぼ同じ。湯は流し放しなので、入浴可能だが、お店に挨拶していないので触るだけにした。

小振りの浴槽が大小2つに仕切られ、小さいほうには微塩味のボウ硝系の湯がそそがれている。淡緑色で笹濁り、甘い石膏臭もする肌触りがとても良い湯だ(石膏臭がするのはコンクリのせいかもしれない)。大きいほうには透明で微褐色、少し鉄味のする湯が注がれている。コンクリには早くも赤褐色の沈殿が付着しはじめており、いい感じに馴染むのもそう遠くない。(2001.6.1)

<DATA> 内部に入らなかったので掲示不明
 Na・Ca-SO
4・Cl 54.0℃ pH=7.3 450L/min(自噴) 総計7.686g/kg


越川温泉の外観(工事中)

越川温泉の浴室部分


ウナベツ温泉・自然休養村管理センター

 A/ 小さいが強つるすべ湯
 斜里町字峰浜110番地 TEL/01522-8-2203
 10-21時 200円 年末年始休

ウナベツスキー場を目指して行くと、道のどん詰まりにある、わりと大きい宿泊研修施設。高台にあるので、部屋からの斜里平野とオホーツク海の眺めは最高だろう。

内湯1個のみで、それも5人入れば窮屈なほどのかわいい浴槽。このへんの内湯はみなそうだが、換気窓が小さいので湯気がこもる。逆上せそうだ。岩造りの湯口からは1分おきくらいに熱い湯とぬるい湯が交互に湧き出してくる。熱い方は源泉温度から見てわかるが、ぬるい方ははどういう理屈だろう? 浴槽が小さいので加水調整しているのだろうか? 投入量は平均で30L/minくらいあり、掛流し量が多い。

たいへん透明な無色のきれいな湯。薄い柔らかな重曹味とタマゴ味がし、湯口では硫黄臭もある。期待通りの強いつるすべ度(4.5)があり、これだけで充分満足。微細な泡も付いてなお良い。全体に優しい感触の湯で、のほほんと優しい気分になれる。(2001.6.1)

<DATA>別表のみ掲示 分析表の用意なし
 ウナベツ温泉 斜里町峰浜194-1
 44.3℃ pH=9.1 90-120L/min(自噴) 単純硫黄泉 総計709mg/kg


ウナベツ温泉の内湯
 湯口にコップが置いてあるのはこのへんでは常識
 


羅臼温泉・熊ノ湯露天風呂

しばらく掃除されていないようで、浴槽内壁に緑藻が繁茂。湯は緑灰色に濁っていた。なによりも、アンモニアベースの汚濁臭がひどく、とても漬かる気になれなかった。脱衣所には「仕事の都合で当分清掃ができません。2・3日置きに掃除してくれるように有志の方にお願いします。」という旨の貼り紙がしてあった。観光客がひっきりなしに見物にくるので、この状態では羅臼温泉の評判が落ちるだろう。ロケーションも源泉の実力も最高によい温泉なのだが、とても残念に思う。周囲で測量作業が行われており、改装するのかと思って尋ねてみたら。遊歩道を作るための測量だとのこと。このぶんでは男湯にも囲いができるかもしれない。(2001.6.1)

<DATA> 掲示なし。文献によるDATA
 平成10年井(4号井)
 含S−Na−Cl 95.0℃ pH=9.2 湧出量不明(自噴)
 Na=1288 K=68.5 Ca=tr Mg=tr Fe(II)=0.03
 Cl=1609 HCO
3=446.5 SO4=286 F=1.71 CO3=77.5 H2S=13.54


熊ノ湯駐車場から川越しに望む露天風呂
 木立が目隠しになる

熊ノ湯の男湯
女性用はしっかり囲いがあるのでご安心を


川北温泉露天風呂

 AA/ 白濁の美味しい湯、わりと清潔
 無料 無人管理だが、有志の方たちの手で整備され清潔に保たれている

国道に案内表示があり判りやすい。林道を4.5km走るが、落石が少しあるのに注意すれば、普通車でも問題なくたどり着ける。朝9時だったのに、おじさん5人が既に入っていた。が、何やら怒号が飛び交っている。どうやら昨夜入浴した何者かが、埋め水を出しっぱなしにしていたらしい。男湯が冷水になっていたので、湯を入れ直すのに随分と時間が掛かり、それで怒っているのだ。感心なことに、ついでに浴槽の掃除もしてくれていた。女湯の方は異常無し。

男女とも同じ四分円形の浴槽で、要の位置から源泉がそれぞれ10L/minほど投入される。これはかなり熱い、不用意に触って軽い火傷をしてしまった。大量に加水しないと入浴温度にならないのは残念だ。飲泉に程良い塩味と明瞭な鉄味に、タマゴ味も加わって、たいへんに美味しい。このままごはんに掛けてお茶漬け(湯漬け?)サラサラといきたいところだ。(^^;

泉質が微妙に違うと聞いていたが、確かに左手の男湯の方は薄白濁で新鮮鉄味なのに対し、右手の女湯の方は濃く青白濁し、緑礬味が重厚に感じられる。硫黄臭も若干強い気がする。ただしこれはほんとに微妙な差で、泉質が異なるとまでは言えないように思う。浴後は適度な温もり感とサラサラ感が残り、とても良い気分になる。人気あるのも納得。(2001.6.1)

<DATA>当然ながら分析表掲示はなし どこかに詳しいDATAないかな?
 S-Na-Cl 74.3℃ pH6.5 17L/min (GSJ)


川北温泉の外観
 利用心得がいろいろ書いてある


川北温泉の男湯
 まだ湯があんまり溜まっていない


川北温泉の女湯
 常連のおじさんが美味しい湯を汲みに来ていた
 

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