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秋田男鹿周辺の温泉 byやませみ


【第1回】

 

■男鹿温泉「男鹿ホテル」

  男鹿市北浦湯本字草木原13-1 TEL/0185-33-3101 無休 時間要確認 500円
  http://www.oga-hotel.com/

<掲示> 脱衣所に分析表(一部カット)
  男鹿ホテル源泉 H03.07
  Na−Cl 56.5℃ pH=? 600 L/min・掘削動力 蒸発残留物=6.00g/kg 総計不明
  Na=1477(72.0) Mg=96.8 Ca=269.4(15.1) Fe(II)=0.2
  Cl=2465(78.2) SO4=199.6 HCO3=923.0(17.0) Br=6.7 mg/kg (mval%)

男鹿温泉の中核的存在の大型ホテルながら、立ち寄りへの対応は実に丁寧。15時に寄ったら湯を張ったばかりというので早速に一番風呂をいただく。広い浴場は内湯と露天風呂だけのシンプルな構成。いささか古びた感じだが入念に掃除されていて清潔。

内湯は5x1.8mの半ひょうたん型。壁の中ほどから熱い源泉が15L/minほど湯滝状に落ちてきており、太い石灰柱が成長しているのは見事な眺め。湯滝下には析出でコテコテになった小さな湯溜めがあり、ここで少し冷ましてから浴槽に流入する仕掛けで、42℃〜40℃の適温になっている。排湯は窓際のパイプから露天へ流出する掛け流し。

微緑色ささ濁りの湯で微かな海水臭。弱塩味に苦味がつき、渋めのお茶漬けふうでわりとイケる。重曹分も多いがつるすべはなく、皮膚が厚くコーティングされるようなもっちりとした濃度感を出している。湯温はさして高くないのに浴中すぐに大量の汗が噴き出してくる温もり湯。男鹿温泉はなかなかの実力派なのであった。

遠くに海が望める露天は10x2mの広いもの。内湯からの流入に加えて岩組みから46℃の湯が40L/minの投入。端っこの湯面パイプから排出の掛け流し。浴槽が大きいのでぬるめに少々なまっている。こっちの湯はやや薄めに感じるので加水しているかもしれない。(2003.6.20)


湯滝に成長した石灰柱がみごとです

遠望が開けた露天風呂 どこかでキジが鳴いてます



■男鹿温泉「ホテル雄山閣」

  男鹿市北浦湯本字草木原52-1 TEL/0185-33-3121 無休 830-19時 600円
  http://www.namahage.ne.jp/yuuzan/

<掲示> 浴室入口にリライト分析表
  男鹿温泉2号井戸 H03.08
  Na−Cl 53.3℃ pH=7.1 湧出量記載なし(説明書は200 L/min・50m動力) 総計=6172mg/kg
  Na=1288.5(67.1*) K=73.5 Mg=71.4 Ca=381.9(22.8)
  Cl=2347(76.5) SO4=223.6 HCO3=943.6(17.9) Br=4.3 I=1.2
  H2SiO3=94.8 HBO2=56.5 CO2=506.5 H2S=0.1 mg/kg (mval%)
  *)総計が合わないのでmval%は不確実

温泉街入口の高台に建つ28室の中規模旅館。全面改装して小粋な雰囲気になった。客室は広く清潔で、展望が開けて明るい。食事は豪華版とまではいかないが、満足できる質と量で男鹿の味を楽しむことができる。わりと安価な料金にしてはお値打ちの宿だろうと思う。

自慢の独自源泉は浴室に由来が掲示してあり、昭和14年の男鹿地震で大量の自噴があったところを昭和35年に今の館主兄弟がボーリングして得たもの。宿直下の原っぱにある井戸からのびた塩ビ管で浴室に直に引き入れているのが部屋の窓からよく見える。

内湯は4x2mの中型浴槽で、厚く覆われた石灰華が滑らかに磨かれており感触がよい。なまはげ面の口から突き出した塩ビ管から、気液混合の熱い源泉が15L/minほど数秒おきにシュゴゴーと豪快に噴射されてくる。エアリフト揚湯のようなので、炭酸ガスが分離した圧力で噴出するのだろう。普通はいったん貯湯してから配給するのだが、じつに雄壮な眺めで一見の価値があるし、湯温が適度に空冷されるので面白い湯使いだと思う。

日によって色変化がみられるとのことだが、この日の湯は黄色をおびた淡緑色のささ濁り。底にパウダー状の湯花が沈殿しているので、かき回すと濁り湯になった。淡い海水臭と微妙な硫黄臭で、鈍い苦味をともなう弱塩味。男鹿ホテルと同様にもちもちした濃度感のある湯で、こちらは弱つるすべ(1.5)も出ている。

露天は岩を配した浴槽に木造の屋根掛けで、旧い絵図に出てくる湯小屋みたいな風情があってとても気に入る。4x2mほどの浴槽は石組みのようだが、こちらも石灰華で滑らかに被覆されているので柔らかい感触。塩ビ管から源泉が噴射されるのは内湯と同じだが、外で半分捨てられているので投入量はやや少なく、そのぶん湯温はぬるめの長湯むき。(2003.6.20-21 宿泊)


なまはげ面がシュゴゴーと湯を噴き出す

雰囲気ある露天湯小屋

客室からの男鹿温泉全景。バス左が源泉井戸

源泉からパイプで直に導入されている



■鵜ノ崎温泉「かんぽの宿男鹿」

  男鹿市船川港台島字鵜ノ崎62-2 TEL/0185-27-3000 無休 10-22時 500円
  http://www.kampo.kfj.go.jp/shisetsu/yado1/2042oga/index.html

<掲示> 浴室入口にリライト分析表
  鵜の崎温泉 H10.10
  S−Na・Ca−Cl 49.4℃* pH・湧出量記載なし 総計不明
  Na=2646(69.6) K=69.6 Mg=20.9 Ca=935(28.2)
  Cl=5839(97.9) SO4=50.7 HCO3=106.4 Br=12.9 HS=19.8
  H2SiO3=64.7 HBO2=28.3 CO2=10.9 H2S=4.5 mg/kg (mval%) 
  *)源泉制御板の表示は69.9℃・59 L/min

海岸段丘の上に建つので開放的な眺望が素晴らしい宿。開業からすでに30年以上経っているが、何度か改装しているので新しい建物に見える。バブリーな豪華さを競う最近の公共の宿に比べると簡素な印象。

浴場は男女の内湯のみ。天井が低く通気が良くないので蒸すし、海の眺望が無いに等しいのは残念。窓を大きく採った明るい浴室に改装してもらいたい。

平成10年から導入された温泉は1槽だけに使用され、4x2mの深めタイル浴槽に湯口が3個ついているが湯が出るのは1カ所。投入量と温度は、50℃で15 L/minから35℃で30 L/minくらいで変化し、湯温を43℃くらいの熱めに調整している。浴槽端の湯面パイプからの排出で掛け流しと思われる。

たいへん美しい湯色が印象的。日によって変化するらしいが当日はライムのような黄緑色が眼に鮮やか。アルカリ性硫黄泉に特有の甘い茹でタマゴ風味が濃厚で、何度も口に含んでは鼻にぬける硫黄臭を堪能する(飲泉はできない)。

塩味より苦味がまさる塩化土類泉ふうで、ねちねち粘る肌触りの浴感。浴後は熱が内にこもる温もり湯ながら、べとつきがあるので暑い日はいささか辛い。(2003.6.21-22 宿泊)


展望ゼロなのがもったいないです

美しい湯色にたっぷりのイオウ臭が絶品


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