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山梨の湯巡り6+静岡2湯 [2] byうつぼ



■湯沢温泉「長生館」

(下部町、時間要問合せ、500円、0556-36-0245)
http://www.town.shimobe.yamanashi.jp/con-yado.htm#yusawa-onsen


山梨の湯巡り2でレポの「不二ホテル」の隣りにある鄙びの温泉宿で、「不二ホテル」とは源泉が違います。
民家風のこぢんまりとした建物、混浴の浴室のみなので、連れはおそれをなして撤収 ^^;

窓の広い明るい浴室は、奥から低温槽(1.2人)、適温槽(3.4人)と少し離れて水風呂。すべてタイル貼。隣り合う低温槽と適温槽でお湯の行き来があります。適温槽はカラン(冷たい、投入量固定)と槽内の塩ビパイプ(熱湯)からの投注入で、低温槽との仕切に開いた穴から低温槽へ流し込み、低温槽の端からオーバーフロー。槽内排湯はなく、源泉かけ流しかと思います。(浴槽に浸かると全面オーバーフロー)

カランと塩ビ注入の温度差が大きく、ときどき手でかきまぜないと湯温ムラが出ます。低温槽にもカランと槽内に塩ビパイプがあり、どちらも止まってましたがカランはひねると冷たい水が出ます。水風呂はカランからの投入でザコザコのかけ流しですが、異常に冷たいです。

カランはすべて硫化鉄で真っ黒に変色、カラン横にはコップあり。カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。平日13時で独占でしたが、出たあとに老夫婦が2組入っていきました。

お湯は、無色透明で白い湯の花。ほぼ無味で適温槽の塩ビパイプのまわりでは明瞭なしぶ焦げイオウ臭があり、甘い感じの「不二ホテル」よりしぶ焦げ度は高いです。カラン水や非加熱源泉槽と思われる水風呂でイオウ臭がしないのは不思議。成分的に薄く、pHもさほど高くないので浴感は特徴が薄く、しぶ焦げイオウ臭が際だって前に出てきているイメージ。

のどかな外の景色を眺めながらザーザーと流れていくお湯の音を聞いていると、あっという間に時間が過ぎていきます。鄙び湯ファンには応えられないお湯かも...。

総硫黄の項で温泉に適合(規定泉、Na・Ca-HCO3・Cl型)
16.5℃、pH=7.71、36.0L/min、成分総計=0.329mg/kg、Na^+=39.0mg/kg (64.39mval%)、Ca^2+=16.2 (30.68)、Cl^-=36.2 (37.92)、HS^-=1.7、SO_4^2-=35.7 (17.47)、HCO_3^-=69.0 (42.01)、陽イオン計=57.2 (2.64mval)、陰イオン計=143.0 (2.69mval)、遊離炭酸=105.3、硫化水素=0.2 
<S60.9.3決定>
*HS^-か硫化水素が、あと0.1mg/kgあれば単純硫黄泉になれるのに惜しい!。


「長生館」の玄関

「長生館」の主浴槽

「長生館」の水風呂


■下部温泉「大市館」

(下部町、時間要問合せ、1,000円、0556-36-0211)
http://www.skydog.co.jp/daiichikan/info_1.html

ついに、名湯下部です。平日だったので土日は日帰り入浴微妙?な念願の「大市(だいいち)館」に突入。
昼まえにTELすると14時から入浴可とのことなので、14時少し前に行きました。ガウスさん、すなっちさんのレポあり。

明治八年創業、下部を代表する老舗で、温泉街も奥まった橋のたもとにあります。駅前はいささか猥雑な感じがありますが、このあたりまで来ると情緒があっていいですね。浴衣が似合いそうな街なみです。

がっしりとした木造3層純和風の外観に、落ち着いた館内の大人向けの旅館。浴室は、地下の岩風呂と近代的な神韻の湯(ともに男女別)、貸切露天もありますが、お目当ての足元湧出泉の岩風呂のみ入りました。洞窟をぬけていく岩風呂は、右手が男湯、左手が女湯でしたが、男女交代制かも?

岩風呂は、岩をくりぬいたような造りで岩肌から水が滴っています。湯船はふたつで、手前に源泉槽(総木造7.8人)と奥に一段高く高温槽(石貼3.4人)。混浴の浴室を後から男女別に仕切った感じで、左手女湯の源泉槽の方がきもち広いです。

源泉槽はスノコ敷きで、隙間から冷たい源泉が気泡とともにふつふつと湧き上がってきます。槽内排湯は不明ですが、男女湯の湯船には行き来があるようで、左手女湯の端にある排湯溝から排湯の源泉かけ流しかと。

高温槽は女湯の槽内側面から注入で男湯側面から吸湯。循環か否かは不明ですがカルキ臭はなし。水カラン×2で石鹸は使用禁止。シャワー・シャンプー・ドライヤーは神韻の湯にあります。このところマスコミ露出度も高いので、平日でも混んでるかな〜?と思いきや、14時前から1時間強、男女湯とも贅沢にも独占でした。

源泉槽のお湯はかなり冷たく、無色透明で茶色と黒の浮遊物。味は不明ですが、臭いに特徴があります。微かな甘いイオウ臭に弱石膏臭その他が合わさって、何となく茹でたそら豆を思わせる独特の臭いになっています。

最初は冷たいですが、じっくり浸かっていると次第に慣れてきて、出たくなくなります。湯ざわりにはさして特徴はありませんが、肌になじむとてもやわらかなお湯。浸かっていると細かなあわがじんわりとついてきて、屈折率の加減か、お湯の中の手足の先が青白く発光して見えます。単純温泉ながら石膏泉の特徴が出ているような感じ。高温槽もやわらかなお湯ですが、温泉臭は弱く、アワつきもありませんでした。

浴後にはえもいわれぬ爽快感が出てびっくり。やはり名湯かと。が...、一般的な温泉のイメージからはかけ離れているので、慣れない人は「何これ、冷たいし、ゴミ?はただよってるし」ということになりかねないかも...(笑)。こういう難しいお湯を、営々と守り伝えてきたお宿や常連客に拍手したいです。
なお、そばにある「源泉館」も足元湧出泉で評判が高いですが、こちらは混浴。(みしゅらん、めがねさんレポあり)

単純温泉(Ca・Na-SO4・Cl型)
30.9℃、pH・湧出量不明、総計=494.3mg/kg 、Na^+=60.35mg/kg (44.16mval%)、Ca^2+=60.35 (0.70*)、Cl^-=61.00 (28.95)、SO_4^2-=195.38 (68.48)、水硫イオン(HS^-)=0.298、陽イオン計=129.1 (5.941mval)、陰イオン計=265.4 (5.941mval)、メタほう酸=18.45、硫化水素=0.034 
<S30.9.9>
*)Ca^2のmval%値は、たぶん50.70だと思います。


「大市館」の外観


「大市館」の女湯内湯

岩風呂(女湯)


岩風呂高温槽



■やまと天目山温泉「やまとふれあいやすらぎセンター」

(大和村、10〜20時(〜19時、10〜3月)、700円(町外)(17時〜、400円)、0553-48-2000)
http://www.vill.yamato.yamanashi.jp/travel/tenmoku/tkspring.html

勝沼から山あいに入る甲州街道、笹子トンネル手前の甲斐大和駅あたりを左手に折れると日川の渓谷に入ります。甲斐武田氏終焉の地で、天目山の戦いにまつわる数々の史跡が残ります。日川沿いに点在する田野温泉、最奥の嵯峨塩温泉などどれも未湯ですが、今回は時間も遅く唯一入浴可能だったやまと天目山温泉に行きました。

典型的なセンター系の日帰り温泉施設で、温泉スタンドもあります。めがねさんレポあり。町外700円と高めですが、17時以降は町外者も400円になります。男女別の浴室は、大浴槽・ジャグジー槽(石貼10人以上、ジェット付)、源泉槽(同3.4人)、寝湯、適温露天(岩造5.6人)、ぬる湯露天(同5.6人)。男女交替制で、当日女湯だった奥の浴場の方が露天の眺めがいいそうです。

男湯の大浴槽・ジャグジー槽は、石の湯口から大量投入でオーバーフローなし。一番人気のぬる湯の源泉槽は、2つの石の湯口(1つはぬるい源泉、もう1つは加熱湯で源泉かどうかは不明)からの投入でオーバーフロー&底面吸湯。

露天は日川の渓流を見下ろしますが、白い金属の柵が無粋。露天と柵の間に”水鏡”というわけのわからない四角い水盤があってこれも邪魔です ^^)。ぬる湯露天は、適温露天からのオーバーフローが流れ込み溜め池のよう。浴槽は浅く、お湯もぬるくてなまり気味なので、ほとんど誰も入ってません。お湯の鮮度は、源泉槽 > 大浴槽 > 適温露天 > ぬる湯露天の順でしょうか。カラン10位、シャワー・ドライヤーあり、シャンプーなし。平日18時で10〜2人。

お湯はわずかに白濁し、源泉湯口では微かな甘いイオウ臭と微たまご味がして美味しそう。アルカリ性泉特有のヌルすべ感がありますが、源泉槽より大浴槽や適温露天の方が強いです。

よく温まるなかなかのお湯で、源泉槽の設置など良心的な湯づかいをしているいい施設ですが、シーズン中は混みそう。ただし、館内に分析表掲示はなく、受付できくと有料(200円也)のリーフレットに載っているとのことでこれは納得いかず。かのT教授著のリーフレットはけっこう楽しめますが、完全な分析表の記載はなしでした (TT)

アルカリ性単純温泉 
31.9℃、pH=10.3、373L/min(1300m掘削)、蒸発残留物=0.2381g/kg、Na^+=69.4mg/kg、Fe^2+=1.7、Cl^-=16.4、SO_4^2-=14.2、CO_3^2-=41.6、メタけい酸水素イオン=79.6 <H4分析>

#しかし、お役所的なネーミングですなぁ (^^;
「ふれあいとやすらぎといこいとうるおいとゆとりとにぎわいのある温泉施設」(笑)


「やまとふれあいやすらぎセンター」の玄関

男湯内湯(右が源泉槽)

男湯露天

男湯ぬる湯露天

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