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山梨の湯巡り10 [2] byうつぼ

■黒森鉱泉

(北社市(旧須玉町)、時間要問合せ(事前予約要)、500円、0551-45-0331)
http://www.sutamatown.jp/tourism/tour-kuromori.htm

ここも温泉ファンの間では評価の高いお湯です。3月にtakayamaさんのレポがありました。

県道610原浅尾韮崎線を信州峠に向かって北上すると、次第に特徴のある山容の瑞牆山(2230.2m)が近づいてきます。瑞牆山方面への道を右に見送ってすぐ、道の右手に看板がでてくるので、えらく細い道を左折します。(看板がなければ絶対わからない ^^) 急坂のくねくね道をしばらく走ると半ダートになり、さらに進んだ突き当たり、山腹のやや開けたところになんとも鄙びた佇まいの一軒家が見えてきます。これが黒森鉱泉です。

冷鉱泉を薪焚きしているので事前予約は必須ですが、この日は何度TELしても誰も出なかったので、とりあえず行ってみました。車を停めると幸いおばあちゃんが庭で洗濯物を干していました。入浴できるかどうか訊ねると、浴場を見に行かれ、OKとのこと。ラッキー ^^)

浴場は母屋とは別棟で、脇に薪が積み上げられています。混浴というか、1度に1組しか入れないようなこぢんまりとした湯小屋です。浴槽は木枠石敷1.2人の小さなもので、すぐ横に源泉の貯水槽があります。さらに奥にも小さな浴槽らしきものがありましたが、これは使われていないようです。浴槽まわりは析出で黄土色に変色し、湯場の雰囲気を盛り上げています。カラン3、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。GW12時で独占。

浴槽には保温用の木板のフタがしてあり、これを外して入ります。湯口も排湯もないため湯方式ですが、源泉の貯水槽の下部にコックがあってこれを捻ると冷たい源泉が投入されます。浴槽の底からじわじわと熱湯が上がってくるので、五右衛門風呂方式の加熱かと思います。源泉の貯水槽は樹脂製のフタがしてありますが、外してみると表面に油膜と炭酸カルシウムの結晶らしきものが浮いていました。

やや熱めのお湯は、透明度30cmほどのこげ茶色のにごり湯。塩味+重曹味+明瞭な炭酸味に、常磐の湯の網温泉やカンチ山鉱泉で感じられたような漢方薬のような苦っぽい臭いがあります。はっきりとしたキシキシがあって肌に染み込んでくるようなパワーのある浴感で、源泉の濃度感がダイレクトに感じられます。

かつては黒森集落の共同湯だったようですが、鉱泉宿を営んで三代目とのこと。しかし、まさに”秘湯”といえるこのような山奥で鉱泉宿を続けられているのには本当に感心します。場所柄、登山客などの固定ファンが支えているのかな?若女将さんもおられるようなので、いつまでも続いていってほしいものです。

*浴室横の洗面所に水質検査結果表がありました。

((含二酸化炭素-)Na-塩化物・炭酸水素塩泉) 泉温不明、pH=6.20、湧水(湧水量不明)、蒸発残留物=5090mg/kg、Li^+=6.8、Na^+=1450mg/kg、K^+=109、Ca^2+=301、鉄=11.1、Cl^-=2230、HCO_3^-=1270、メタけい酸=77.2、メタほう酸=98.1、遊離炭酸=1570 <H8.6.20調査終了>(古いガイドブックによると泉温10℃)

〔2004年5月レポ〕


「黒森鉱泉」の外観

みずがき山

「黒森鉱泉」の浴室

薪焚きです


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