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上州の湯巡り [7] byうつぼ



■南郷温泉「しゃくなげの湯」

(利根村、10:00〜21:00、500円/2h、0278-20-0011)
http://www.syakunage.jp/

利根村南郷の集落内に誕生した公営の日帰り温泉は、農林産物販売所なども併設された大規模な複合施設のなかにあります。地元産の木材をふんだんにつかった純和風の造りは、近年オープンした日帰り施設のなかでも出色のできで、栃木粟野の「前日光つつじの湯交流館」と双璧かと・・・。

この雰囲気がうけているのか、とくに有名な観光地でもないのになぜか他県ナンバーで混雑しています。500円/2hですが、食事をすると1h無料延長となるのでゆっくりと入れます。

窓の広い明るい浴室は天井高くいい雰囲気。内湯大浴槽(檜造15人以上)、内湯ジャグジー(同3.4人)、サウナ、水風呂、露天(同8.9人)、露天ジャグジー(4.5人)と充実。(女湯(交替制かも?)は石風呂)源泉投入のかけ湯槽もありますが飲泉はできません。

露天は、ベンチもありゆったりとしていますが、囲いが高く風景が楽しめないのが残念。前回のレポで、ヒノキの床は滑りやすく危険と書きましたが、やはり滑る人が多いらしく、人工芝が敷かれていました。カラン12、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜18時で20人以上と盛況。なお、大浴場の他に家族風呂がふたつあります。(予約制)

すべての湯口で熱い源泉?と冷水を混合し投入しているのは残念。内湯は少量のオーバーフロー+底面吸湯、露天は槽内注排湯不明でオーバーフロー、露天ジャグジーには潤沢なオーバーフローがあります。お湯は、露天ジャグジー > 露天 > 内湯 > 内湯ジャグジー の順に鮮度感が高く、とくに露天ジャグジーのお湯がいいです。

内湯の鮮度感は以前より落ちているように感じ、「循環なし」とのキャッチフレーズ(byパンフ)ですが、内湯は本当にかけ流しなのか疑問を感じました。

適温のお湯は、ほぼ無色透明(かすかに白濁?)。源泉カランでは弱たまご味、源泉カランと各湯口では甘いイオウ臭があり、露天ジャグジーでは湯面でも香ります。そこそこのツルすべ感がありますがさほど強くはありません。それにしても、HS^-=0.1(H_2Sは0.0)にすぎないのにこれほどのイオウ臭は立派。

食堂で群馬名物(?)のソースかつ丼を食べましたが、安くてなかなか美味しいです。地粉100%使用の限定ざるそばもありますが、とうに売り切れてました。やたら混むのが難ですが、いいお湯をできのいい施設で楽しめるおすすめ施設かと思います。あと、敷地内には温泉スタンドもありますが、えらく熱いので要注意。

アルカリ性単純温泉(Na-SO4型) 54.3℃、pH=9.2、722L/min掘削自噴、成分総計=0.49g/kg、Na^+=139mg/kg (90.74mval%)、F^-=12.6、Cl^-=45.1 (18.37)、HS^-=0.1、SO_4^2-=185 (55.59)、HCO_3^-=15.9、CO_3^2-=21.3、ほう酸イオン=7.0、陽イオン計=152 (6.67mval)、陰イオン計=287 (6.92mval)、メタけい酸=55.6 <H8.11.14分析>


「しゃくなげの湯」の玄関

「しゃくなげの湯」の男湯ジャグジー槽

「しゃくなげの湯」の温泉スタンド
 


■鹿沢温泉「紅葉館」

(群馬県嬬恋村、時間要問合せ、500円、0279-98-0421)
http://www.path.ne.jp/~robcorp/kouyoukan/

元禄年間からの歴史をもつ上州の名湯。かつては外湯もあって湯治場として賑わったようですが大正7年の大火で消失し、今は紅葉館のみの一軒宿(「日本秘湯を守る会」会員宿)となっています。(下の新鹿沢温泉には多くの宿があります)みしゅらんとやませみさんのレポあり。

かつては信州方面からの湯治客が多く、信州の滋野から地蔵峠を越える道端に観音像がおかれ、紅葉館でちょうど百番を数えます。古くから登山基地としても有名で「雪山賛歌」誕生の地ともいわれています。

玄関は県道沿いですが、館内は別世界。重厚な調度類、ぎしぎしと音をたてる狭い廊下、木枠のガラス窓など湯宿の風情にあふれています。階段を下っていく浴場へのアプローチや共同浴場のような渋い佇まいの脱衣所も好ましげで、なにもかもがお湯への期待を高めてくれます。

「雲井の湯」の額が掲げられた浴場は男女別。窓は小さく場内は暗めですが、それがかえって風情を高めています。木造り5.6人の年季入りまくりの湯船と打たせ湯。カランはなく、打たせ湯からお湯を汲みます。

打たせ湯のお湯は「龍宮の湯」といい、湯船とは別源泉(35℃)。その横には冷水槽があり冷たい水(湧水、6.2℃)が注がれています。湯口の上にはファイヤーダンス?の壁画があってレトロ調。

岩からつき出た金属パイプから20L/min程度を投入で、槽内注排湯はなく、湯船のふちから静かに溢れ出る源泉かけ流し。(浴場入口の天然温泉利用証も全項目で”適正”)カランなし、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時で独占〜3人。

適温のお湯は、青みがかったうす茶褐色のささにごりで、金気臭+弱苦味+αに金気臭+こげ臭+ドクダミを思わせる特異な温泉臭があります。とろみのあるお湯は弱いキシキシ。肌に染み込んでくるような絶妙な浴感があってあたたまり、浴後は肌に張りがでて、こげ温泉臭の残り香かおるすばらしいお湯。

風情ある建物と深みのあるお湯が見事に調和した屈指の名湯かと思います。手入れはたいへんかと思いますが、このような素晴らしい宿をいつまでも続けていって欲しいと思いました。

Mg・Na-炭酸水素塩泉 44.5℃、pH=7.0、37L/min自然湧出、成分総計=1.39g/kg、Na^+=127mg/kg (39.21mval%)、Mg^2+=69.8 (40.74)、Ca^2+=53.7 (18.99)、Fe^2+=1.62、Cl^-=35.6 (7.18)、HCO_3^-=790 (92.47)、陽イオン計=256 (14.1mval)、陰イオン計=827 (14.0mval)、メタけい酸=226、メタほう酸=6.0、遊離炭酸=79.7 <H9.10.31分析>


「紅葉館」の外観


浴室入口

「紅葉館」の男湯
 

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