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みちのくの湯治宿めぐり byONKEN21


第1章 鳴子温泉

初日のレポ始めます。第1日目の日程です。

出発(埼玉県F市)9:30→大間々10:30(自宅より25km)→<R122>→清滝IC11:30(75.6km)→<日光宇都宮道路>→今市IC→<R461・県道他>→西那須野IC12:55(133.0km)→<東北道>→古川16:55→<R47>→鳴子温泉姥の湯17:30(410km)




1)鳴子の宿は…?

実は当日午後まで宿を決めていませんでした。何しろGW初日で高速道路の渋滞が予想されたため、鳴子までたどりつけるのか不安でした。渋滞がひどければ、福島の湯治宿に泊まることも検討しました。本当、行き当たりばったりです(^_^;)

下道の日光経由で東北道の渋滞をパス、西那須野IC以北は渋滞はなく、どうやら鳴子に泊まれそうだということになりました。同行者に運転を代わり、鳴子町観光協会のHPを基に作成した自炊宿リストから予約の電話をかけまくり。素泊料金が安い宿から段々と高い宿にかけていき、やませみさんのアドバイスを基に東鳴子や川渡など郊外の温泉を狙いました。しかし、10軒以上電話しても全滅。やはり無謀だったな〜とあきらめモード。

最後にダメもとで鳴子温泉の「姥の湯旅館」に電話したら、意外にも一部屋空いてます、とのご回答。4種類の源泉がある姥の湯が空いていたとは意外。温泉探究心をくすぐるにはこの上ない宿です。きっとこれも温泉ファンとしての何かのご縁でしょうね。喜んで予約です。

埼玉から400km余り7時間の走行で鳴子温泉姥の湯旅館に到着しました。姥の湯の旅館部の玄関の反対側に自炊部玄関と駐車場があり、押さえた部屋は玄関すぐそばの2部屋続きの部屋でした。玄関や浴場に近いので廊下を通る人の足音がギシギシうるさいですが、入浴や散策には便利です。

素泊料金3150円(入湯税+70円)に布団や食器・コンロもついていて、テレビ1台470円、浴衣1枚350円、マッチ10円は別料金。

鳴子温泉街の食堂は閉まるのが早い、共同浴場滝の湯の無料券差し上げますとの女将さんのお話により、夕食や入浴に出かけます。宿泊客無料の滝の湯入浴券は旅館部のフロントで人数や部屋番号を申告すると作成していただけます。宿泊当日のみ有効で、翌日は使えません。入浴券を持って徒歩10分程度の温泉街の食堂で夕食を食べ、共同浴場滝の湯へ向かいます。寒い。



(2)共同浴場「滝の湯」

偶然にも昨年同日5/1の私のレポあり。滝の湯は2度目です。昔、早稲田桟敷湯(5/1より530円に値上げ)も入浴したことがあります。

やはり滝の湯は何度入ってもいいですね。初めて訪れた父をこの名湯に入浴させることができて良かったです。再訪してみて改めて気付いたこともあります。

温度は奥の小さな打たせ湯がぬるめ、手前の大きな浴槽が熱めでした。奥の打たせ湯と洗い場の湯は酸性度が高いのか非常に酸っぱいですが、大浴槽のお湯はあまり酸っぱくないです。源泉や混合比率が違うようですね。硫黄臭が強くて白濁し、湯の花多数浮遊です。

後に入る姥の湯のこけし湯(硫黄泉)とは明らかに違うことも判明しました。今年も分析書は暗すぎて撮影できませんでした。昨年レポの屋代さんの分析書をご覧下さい。入浴後は温泉街のこけし店のこけしを見ながら散策するのが気持ちいいです。ほっとパークに足湯もありますね。ここは硫黄臭がありますが、透明です。

さて次はいよいよ姥の湯をレポします。4種類の分析書とお湯なので、準備が大変です(^_^;)




(3)鳴子温泉「姥の湯旅館」

1泊目の鳴子温泉姥の湯旅館の4種類のお湯のレポです。自炊部から調理場を抜けると、碑や祠のある浴場前広場へ出ます。

1.亀若の湯(単純温泉)

広場へ入りこけし湯入口の左右に男女別浴場があります。まず手初めはダウンしないよう、あっさり系にしようとここへ。入ると金気臭と茶褐色のお湯に直面し、いきなりビックリです。

単純温泉=成分薄い=無色透明という既成概念が初めから崩れました。鳴子はただものではないと感じさせる第1湯でした。

浴槽は5人位入れる扇形。投入口は鉄分が濃厚に付着し、真茶色。お湯には茶色い湯花が多数浮遊していて、掛け流しの床も茶色に染まっています。

2.源義経風呂(含土類-芒硝泉)旅館部内湯

広場から旅館部へ入ってすぐのところに義経風呂があります。旅館部専用なので日帰り入浴は不可。自炊部でも旅館部の方がいない時を見計らって、遠慮しながら入りました。男女別浴室の他、小さな貸切風呂もあります。

単純温泉が鉄分濃厚なので、興味津々に入ります。なっ、何と無味無臭無色透明の単純温泉みたいで、また意表をつかれます。鳴子は本当に不思議だ〜。

浴槽は4人程度入れる角が丸まった正方形のタイル張り。無色透明ながら、ほんの僅かに白い湯花がお湯の中を舞っていました。少しずつ投入、掛け流し。ここだけはボディソープ・シャンプーがありますが、使用は遠慮しました。浴後は強烈なホテリ感。見た目ほどの単純なお湯ではなさそうです。

3.露天風呂 啼子の湯(含芒硝-重曹泉)21〜9時男性、15〜21時女性

再び広場へ。広場奥の扉に鳴子では貴重な露天風呂があります。パンフには扉がなかったので、後から増設したのでしょう。2湯入るとくたびれるので、涼みながら入ろうと3湯目。

お湯は無色透明ですが、投入口付近はかなり茶色く染まっています。僅かに金気臭漂う。亀若と義経を足して2で割ったようなお湯です。

ここが旧姥の湯で最も由緒あるお湯みたいです。もちろん排水口へ溢れる掛け流し。露天風呂には木が植えられていますが、駐車場のため壁に囲まれ展望はないです。国道の走行音がうるさいかな。ここが一番大きくて7〜8人は可。

4.こけし湯

広場から廊下を奥に進み、一旦外へ出た別棟に木造の浴室がありました。中へ入ると強烈な硫黄臭がお出迎え。肌についた硫黄臭は翌日の台温泉でも落ちなかったほどです。

青白い白濁。滝の湯のように酸っぱいのかと思ったら、塩辛くて苦味が強いです。滝の湯が草津・万座・酸ヶ湯系とするなら、こけし湯は青森さんない、津軽湯ノ沢系でしょうか?同じ鳴子の白濁湯でも大違い。奥が深いとしみじみ思いました。

お湯は安易に加水せず、投入量を絞ることによって湯温を下げているようです。こけし湯の源泉は建物の反対側、旅館部(鳴子駅)寄りに木組みの櫓があって、硫黄臭のする有毒ガスが白い煙と共に出ています。有毒ガスなので、浴室の窓も開け放しです。ちなみにこけし湯以外の源泉は川原(自炊部・駐車場)寄りに3本あります。

私は以上の順番で朝晩8回、夜中は寒くて硫黄泉→単純泉の2回入りました。計10回も入ったことになります。父は朝に硫黄泉と露天風呂、母は夜硫黄泉と朝単純泉にの2回ずつ入ったそうです。私みたいな入り過ぎに要注意ですね(^_^;)。

自炊部では暖房の代わりとして、温泉のパイプが廊下に通じ、中をごうごうと流れており、良い子守唄でした♪歩く度にギコギコとなる廊下と共に…

自炊部へ泊まるのは生まれて初めてですが、温泉ファンとして良い思い出になりました。鳴子なら町の中なのでコンビニや食堂もあって不自由しませんし、また泊まってみたいものです。




姥の湯温泉分析書の記載された「入浴心得」が4ヶ所の脱衣所にありました。以下の通りです。
1.亀若の湯
泉質:単純温泉 低張性中性高温泉(旧泉質名:単純温泉) 泉温(分析時):44.2℃
源泉名:姥の湯(芒硝泉)
湧出地:玉造郡鳴子町字河原湯65-2
密度(20℃/4℃):1.0008 pH値:6.6
知覚的試験:無色透明で微かに硫化水素臭を発し、無味で中性である。
Li=0.1 Na=141.9 K=14.0 アンモニウム=0.1 Mg=16.2 Ca=44.3 Sr=0.2 Al<0.1 Mn=1.0 鉄2=2.2 鉄3=0.4 銅<0.1 亜鉛<0.1 陽計=220.4
F=0.4 Cl=49.7 HS<0.1 チオ硫酸<0.1 硫酸=293.2 リン酸1水素=0.7 炭酸水素=160.8 陰計=504.8
メタケイ酸=161.1 メタホウ酸=9.8 メタ亜ヒ酸<0.1 非解離計=170.9
遊離CO2=65.9 遊離硫化水素<0.1 総ヒ素<0.005 総水銀<0.0005 銅<0.02 Cd<0.002
溶存物質総量=896.1 成分総計=962.0 蒸発残留物=902.3
分析年月日:昭和63年12月20日 公衛検第285号
利用許可年月日・番号:平成2年10月26日 指令薬第1263号
決定年月日・番号:平成2年11月21日 第374号

2.源義経風呂
泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉 低張性弱アルカリ性高温泉
(旧泉質名:含土類-芒硝泉) 泉温(分析時):60.0℃
源泉名:芒硝泉
湧出地:字河原湯58-1
密度(20℃/4℃):1.0014 pH値:7.6
知覚的試験:無色透明で臭気、味ともほとんどなく、弱アルカリ性である。
Li=0.1 Na=207.7 K=16.7 アンモニウム=0.2 Mg=17.4 Ca=82.6 Sr=0.4 Al<0.1 Mn=1.1 鉄2=0.2 鉄3=0.4 銅<0.1 亜鉛<0.1 陽計=326.8
F<0.1 Cl=73.6 HS<0.1 チオ硫酸<0.1 硫酸=282.7 リン酸1水素=1.0 炭酸水素=355.3 陰計=712.6
メタケイ酸=185.6 メタホウ酸=1.0 メタ亜ヒ酸<0.1 非解離計=186.6
遊離CO2=68.2 遊離硫化水素<0.1 総ヒ素<0.01 総水銀<0.0005 銅<0.02 Cd<0.002
溶存物質総量=1226.0 成分総計=1294.2 蒸発残留物=1100
分析年月日:昭和58年10月31日 公衛検第175号
利用許可年月日・番号:昭和60年11月13日 指令薬第1591号
決定年月日・番号:昭和61年1月28日 第258号
泉質別適応症:動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病

3.露天風呂 啼子の湯
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉 低張性中性高温泉(旧泉質名:含芒硝-重曹泉)
泉温(分析時):54.2℃
源泉名:旧姥の湯
湧出地:字河原湯40番地の5
密度(20℃/4℃):1.0006 pH値:6.2
知覚的試験:無色透明で臭気、味ともほとんどなく、中性である。
Li=0.2 Na=227.4 K=19.0 アンモニウム=0.1 Mg=16.6 Ca=58.6 Sr=0.1 Al<0.1 Mn=1.2 鉄2=1.2 鉄3<0.1 銅<0.1 亜鉛<0.1 陽計=324.4
F=0.2 Cl=65.4 HS<0.1 チオ硫酸<0.1 硫酸=306.3 リン酸2水素=0.8 炭酸水素=488.5 陰計=861.2
メタケイ酸=217.3 メタホウ酸=21.5 メタ亜ヒ酸<0.1 非解離計=238.8
遊離CO2=219.9 遊離硫化水素<0.1
総ヒ素<0.005 総水銀<0.0005 銅<0.02 Cd<0.002
溶存物質総量=1424.4 成分総計=1644.3 蒸発残留物=1089
分析年月日:昭和63年12月20日 公衛検第286号
利用許可年月日・番号:平成3年10月17日 指令薬第1271号
決定年月日・番号:平成3年12月18日 第405号
泉質別適応症:きりきず、やけど、慢性皮膚病

4.こけし湯
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉 低張性中性高温泉(旧泉質名:含食塩・重曹-硫黄泉)
泉温(分析時):63.5℃
源泉名:姥の湯硫黄泉
湧出地:字河原湯40-1
密度(20℃/4℃):1.0012 pH値:7.1
知覚的試験:無色透明で強い硫化水素臭を放ち、甘味を有し、中性である。
Li=0.2 Na=259.7 K=20.7 アンモニウム=0.1 Mg=21.8 Ca=66.1 Sr=0.4 Al<0.1 Mn=0.8 鉄2<0.1 鉄3<0.1 銅<0.1 亜鉛<0.1 陽計=369.8
F<0.1 Cl=119.1 HS=2.1 チオ硫酸<0.1 硫酸=142.6 リン酸1水素=1.5 炭酸水素=563.6 陰計=828.9
メタケイ酸=197.4 メタホウ酸=33.4 メタ亜ヒ酸<0.1 非解離計=230.8
遊離CO2=294.7 遊離硫化水素=1.8 溶存ガス計=296.5
総ヒ素<0.01 総水銀<0.0005 銅<0.02 Cd<0.002
溶存物質総量=1429.5 成分総計=1726.0 蒸発残留物=1200
分析年月日:昭和58年10月31日 公衛検第176号
利用許可年月日・番号:昭和60年11月13日 指令薬第1594号
決定年月日・番号:昭和60年12月4日 第247号
泉質別適応症:慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、やけど

 4種類の源泉の共通事項
利用許可の種類:浴用(飲用の許可は受けておりません)
決定者:宮城県大崎保健所長
分析機関:財団法人宮城県公害衛生検査センター

↓屋代さんの分析書
http://www.narukospa.com/gensen.htm

※姥の湯石由来
当姥の湯は河岸に涌出する温泉なので開湯以来しばしば洪水にあい涌出口を失ったが、往古より此の岩盤下にはお湯が涌くと云い伝えられ、現在も岩盤下より涌出している。温泉を揚湯している。露頭岩盤上に祠をまつり天然の恵み温泉の薬効に感謝している。

※姥の湯由来
文治元年源義経が奥州に難を避けた時北の方(卿御前)が亀割峠(現最上町)にて男子亀若君を出産し此の地に来て川原に涌出ずる温泉で産湯を使いその時はじめて子声をあげたのでここを啼子の里と名付後に鳴子と云う地名に改めたと云われている。その折当館の温泉で産湯を使った事から古来より姥の湯と云う名で鳴子温泉では滝の湯と共に最も古い温泉である。

参考:うふっ(*^^*)さん郡司さん熊谷さん各レポ

日帰り9〜16時500円(湯めぐり手形2枚400円相当)
http://www.naruko.gr.jp/file-ryokan-hotel/small-hp/ubanoyu.htm




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