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続みちのくの温泉めぐり byONKEN21


第1部 尾瀬ニッコウキスゲの旅

 

第1章 尾瀬ヶ原赤田代「温泉小屋」

2003年7月26-27日は尾瀬「温泉小屋」泊でニッコウキスゲを見に行ってきました。尾瀬は4回目で山小屋泊は初めてです。私のとったコースは以下の通りでした。()内の距離は車の場合は自宅から、徒歩の場合は御池からの累積走行(歩行)距離です。

7/26(土)
4:50自宅@埼玉→5:20大間々(25.1km)→6:30日光(82.7km)→7:30栗山村(123.3km)→(林道川俣・檜枝岐線)→9:45檜枝岐(168.6km)→10:00〜13:00御池(181.2km)(徒歩)13:00御池→(燧裏林道)→16:40三条の滝(7.5km)→17:50赤田代温泉小屋(9.0km)



◎日光と檜枝岐の温泉

朝は忘れ物をしてしまい出発が遅れてしまいました(^_^;)。自宅を出る時は晴れ間もあったのですが、大間々から山間部に入るとシトシト雨が降り始めました。いやな、予感。

日光では神橋の交差点を北へ向って霧降方面へ。途中、左折しアーデル霧降の横を通った行き止まりに日光小倉山温泉「ゆりん」がありました。こじんまりしてますが、まだ新しくおしゃれな建物ですね。時間がないので場所だけ確認して、先を急ぎます。

霧降有料道路は早朝からしっかり営業していて迂回。所野から日光広域農道で鬼怒川方面に走り今市市に入ると「高百オートキャンプ場」があり、天然温泉200円との看板あり。ここは日光猿軍団の経営のようです。
※参考:郡司さんのall about

青柳今市線を左折、大笹牧場を経て、栗山村へ。四季の湯を横目に見ながら、湯西川温泉・土呂部方面へ。途中から未舗装の馬坂林道に入り、会津の湯の花温泉方面へ。湯の花温泉へ向う田代山林道は通行止めで、川俣檜枝岐林道@7/4開通を走ります。

帝釈山付近を通る、かなりの悪路で車の底を何度となくこすりました(^_^;)。福島県に入り林道を下りると、檜枝岐温泉「燧の湯」に出ました。

燧の湯は平成7年10月に旧2号館、平成10年5月に旧1号館に入浴しています。2号館は建物の中に小さな内湯と露天風呂がありましたが、狭苦しくてゴミゴミした感じでよくなかったです。1号館は広い露天風呂に内湯があって白い湯の花舞う独自源泉で良かったです。

今は2号館は閉鎖になり、1号館の跡地に新しい「燧の湯」ができています。(過去ログ)リニューアルした際新しい源泉を掘ったという話もあり、興味深いところです。時間がないのでここもパスします。

燧の湯からはR352に出て快調に走ります。御池を通り過ぎ渋沢温泉入口の小沢平(こぞうだいら)に向います。当初の予定ではここから予約制会津バスに乗って沼山峠へ出て→大江湿原・尾瀬沼→白砂峠→尾瀬ヶ原→三条の滝→渋沢温泉→小沢平と歩く予定でしたが、雨がかなり降っているので、翌日の天候回復を期待して逆コースを行くことにしました。それだと帰りのバスが1本しかなくなるので、渋沢温泉は断念し、御池から入ることにします。

雨が強いので御池で車中仮眠。合羽は用意してあるのですが、同行の障害者の介護の都合上、脱いだり着たりは大変なのです。結局13時まで待つと雨はこやみになり、温泉小屋へ向けて出発しました。



◎燧裏林道・三条の滝・平滑の滝

御池駐車場奥からの燧裏林道は始まり、木道の整備された道を快調に歩きます。途中、御池田代・上田代・天神田代・うさぎ田代といった小湿原を歩きます。すでにニッコウキスゲが見られます。天神田代とうさぎ田代で渋沢温泉へ下る道を分けます。

うさぎ田代手前には段吉新道が左に分け、木道が続いています。段吉新道は温泉小屋の初代で、平野長蔵氏の甥の星段吉さんが開いた道で温泉小屋のある赤田代への近道となります。私は三条の滝はいつか見たいと思っていたので、田んぼのような悪路の道を下りていきます。

三条の滝の轟音が迫ってきますが、なかなか姿を現しません。行き止まりの展望台へ着くと見えました。梅雨末期とあって三条の滝の豪快さには圧倒されました。この水は只見川として尾瀬ヶ原の水を一手に受けて流れ出し、銀山平や只見方面へ流れていき、阿賀野川と合流し最後は日本海へ流れ出します。

悪路に手間取り、遅れながら御池から4.5時間(三条の滝から1時間強)で赤田代に到着しました。赤田代には尾瀬休憩所・元湯山荘・尾瀬気象観測所、めざす温泉小屋がありました。夕方の悪路で行き交う人もなく心細く、小屋が見えた時は本当ホットしました。山では時間にゆとりを持って行動することが大切ですね。

まず、温泉小屋について説明します。温泉小屋は尾瀬の山小屋の開祖である平野長蔵氏が昭和6年に開いた尾瀬でも屈指の歴史ある山小屋です。後に長蔵氏の甥、星段吉氏に譲ったそうです。93年に建替えられ、木道の高台側にあって受付と個室(+8,000円)のある「本館」と、湿原側にあって売店・食堂・浴室・相部屋のある「別館」に分かれ渡り廊下で結ばれています。私は料金の都合上、別館にしました。

本館で受付し宿泊料(税込8,500円)を支払います。御池駐車場@1000円の無料コインも申し出ればいただけます。さらにインターネット特典のオリジナルタオル@600円もいただきました。まず、別館に入り、靴に名札を付けておいておきます。ズボンの裾が汚れた場合、雑巾で泥を落とします。

上がると山小屋の方から場所や時間など説明を受けます。ちなみに温泉小屋の場合、夕食は17:30〜18:30、入浴時間は14:00〜19:30、朝食は6:00〜7:00、チェックアウトが8:00までとなっています。昼食の弁当(800円)希望の方は入館時に申し込みます。

1階は右手売店、中央ラウンジ(テレビ・ビデオ・本あり)、正面階段、左手食堂があり、右手廊下の奥に浴室・洗面所・水洗トイレがあります。客室は2階。団体用の角部屋となる217号室が当てがわれました。部屋からは尾瀬ヶ原が一望でき、すばらしいです。

後で個室の本館ものぞいてみましたが、ホテルと見まごうようなインテリアにビックリ。同室者の団体は燧ケ岳登山で戻っていないよう。雨で膝まで水に浸かり、救助騒ぎとなったそうで、到着も20時頃でした。

まずは食事。山小屋なので質素なものを予想していましたが、意外と豪華です。ハンバーグあり、天ぷらあり、おかずも多く、ご飯もお代わり自由。おいしかったです。

いよいよ温泉に入ります。浴室も浴槽もねずみ色のタイル貼で、浴槽は5人程度入れます。山小屋にしては大変立派で旅館並の浴室と言えましょうか。投入口からお湯が大量に注がれ、「鉱泉と水を割って加熱給湯してますので、お湯をむだ使いされない様、お願い致します。」との札が下がっています。吸込口は1ヶ所あり弱く吸込んでいる循環。尾瀬では自然保護や清掃の手間を考えると循環もやむ得ないでしょうかね。

お湯はやや黄+白っぽい濁りがあり、無味成分臭。源泉と比べると循環加水でかなり薄い感じはします。しかし入ると急に暑くなり、だんだん息苦しくなり、汗も止まりません。やはり、明礬泉というだけありタダものではないようです(^_^;)他の宿泊客も「すごく温まっていい温泉」だとおっしゃっていましたね。

源泉地は温泉小屋と元湯山荘の間にあります。「鉱泉水」として本館の脇の靴洗い場の横へパイプで引き、源泉が大量に出し放しとなっています。やや生ぬるく温泉のせせらぎには褐色沈殿あり。飲むとサビっぽい味が強くします。

若旦那さんによると温泉分析書は不明とのことですが、(含硫化水素酸性)明ばん泉23〜24℃とされているようです。また温泉小屋と同じ源泉である元湯山荘は昭和58年の分析書において石膏泉とか(カルシウム)硫酸塩泉22℃とされ諸説入り乱れているようです。

石川理夫氏の「山歩きで楽しむ 本物の温泉」という書でも「泉質は断定できない、石膏泉とも明ばん泉とも言える、微妙な感じだ。」としています。湧出量は300L/分と豊富。

(自然観察路の説明板より)温泉
このあたりは、尾瀬ヶ原で唯一温泉が湧いているところです。温泉といっても水温が低い鉱泉で、鉄分を多く含んでいます。
浴後はラウンジでくつろいだり、部屋の中で同室者とお話したりしています。自分でふとんを敷いて寝ます。21時消灯。この日は部屋は満員でした。

朝方になると早立ちする人が階段を下りる音で目が覚めます。5時には起きて外を眺めると尾瀬ヶ原にモヤがたなびき幻想的な光景に皆うっとりします。この瞬間のために山小屋に泊まると言っても過言ではないでしょう。朝の散歩は非常に気持ちよいものでした。

朝食は鮭に生卵にのりとおいしくいただきます。部屋へ戻ると同室者とお別れの挨拶。私はゆっくりと7:50に出発しました。本日は晴天で気持ち良いニッコウキスゲハイキングとなりそうです。

※日帰り入浴は温泉小屋不可、元湯山荘13〜20時500円
※所要時間:御池より3:30/鳩待峠より3:40/沼山峠より4:30

参考HP:山の温泉ガイド檜枝岐村商工会




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