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POV-Rayのシーンファイルを書くときに最低限必要なのは,「camera(カメラ)」と「light_source(光源)」と「object(物体)」です。POV-Rayで画像を作るのは,実際のカメラを使って撮影するのと似ています。「object」はカメラの被写体にあたります。POV-Rayで画像を作るときは,カメラを置く場所やカメラが向く方向,光源の光の強さや色,物体の形や大きさ,色などを指定して,画像を作ります。
とりあえず下の画像のような赤い球体の画像を作ってみましょう。
下のテキストは,上の画像のソースファイルです。これを入力して,Macintosh版の場合はコマンド+R,あるいは「Render」メニューから「Start Rendering」で,画像を作る作業(レンダリングといいます)がはじまります。このソースファイルは,単純にするためにちょっとはしょった書き方をしているので,レンダリングの設定によっては,上のような画像にならないかもしれません。
camera{ location <0,0,-3> look_at <0,0,0> } light_source { <100,100,-100> color rgb <1,1,1> } object { sphere {<0 , 0 , 0> , 1} texture { pigment { rgb <1 , 0 , 0> } } } |
camera{ location <0,0,-3> look_at <0,0,0> } |
の部分がカメラの設定です。
「location <0,0,-3>」でカメラの位置を,「look_at <0,0,0>」ではカメラがどこをみるのかを指定します。
POV-Rayでの位置の指定についてはこちらをご覧ください。
light_source { <100,100,-100> color rgb <1,1,1> } |
の部分が光源の設定です。<100,100,-100>は光源の位置を示しています。光源の色は「color」で指定します。上の例では光源の色は白です。
POV-Rayでの位置の指定についてはこちらをご覧ください。POV-Rayでの色の指定についてはこちらをご覧ください。
object { sphere {<0 , 0 , 0> , 1} texture { pigment { rgb <1 , 0 , 0> } } } |
の部分がobject(物体)の設定です。objectの指定では,{}内に物体の形や表面の色,材質などを指定します。いろいろと細かく指定できますが,上の例では色だけを指定しています。
「sphere」で物体の形を球体に指定しています。{}内の「<0,0,0>」は球の中心の位置,その後の「1」は球の直径を指定しています。sphere以外にも「box(立方体)」や「cone(円錐)」など多くの形状を作ることができます。
textureで物体の表面の色やハイライト,表面の凹凸など,objectの表面のようすを指定できます。色を指定するときはtextureの中でpigmentという指定を使います。「rgb<1,0,0>」の部分の数値を変えることで,色を変更することができます。POV-Rayでの色の指定についてはこちらをご覧ください。
上の例の場合は,textureを省略して下のように書いても大丈夫です。
object { sphere {<0,0,0>,1} pigment { rgb <1,0,0> } } |