流れ橋
流れ橋地図 な が れ ば し
空白線
流れ橋

所在地:八幡市上津屋浜垣内

 上津屋浜垣内の木津川堤防を下ると木津川に架かる木橋が見えてくる。正式名は八幡城陽線上津屋橋(こうづやばし)。れっきとした府道だ。人はこの橋を「流れ橋」と呼び、その趣のある姿をもつ橋を愛してやまない。 全長は356m、幅3m、木橋としては日本最長クラス。もとは府営の渡船場があったが、1951年(昭和26年)3月に渡し船が廃止され、橋が架けられた。が、永久橋だと経費がかかるため、節約型の木橋となったのである。 橋は、増水時の水の抵抗を減らすため、橋板にまで水が達すると橋板だけがフワッと浮き上がり、8つに分かれて流れる。流れ橋の名のゆえんである。しかし、この橋板はワイヤーロープで橋脚としっかり結ばれているため、水が引けば、このロープをたぐり寄せて橋脚に載せれば、再び通行できるようになる。橋は1997年(平成9年)の流出で、過去15回流れた。被害が大きかった1982年(昭和57年) 、1995年(平成7年)、1997年(平成9年)は、全面改修が京都府の手によって行われた。1966年(昭和41年)、枚方バイパス(現国道1号)にかかる木津川大橋の完成により、流れ橋の実用的な価値は減ったものの、木津川堤防のサイクリングロードとともに、近隣の人々の格好の憩いの場となっている。また、自然の風景に溶け込んだ橋は、よく時代劇のロケーションに利用され、河川敷に広がる茶畑と相まって、詩的な風情ををかもしだしている。


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