「王の祭り」プレイノート


このダンジョンのシナリオは、角川電撃文庫の「王の祭り」をそのままプレイしたのだが、結果として、シナリオは崩壊した。PCがいまいち乗り気でなく、「俺、ダンジョンものって好きじゃないんだよナァ」のひとことで、見事に壊れていった。その顛末を載せたいと思います。フキフキ "A^^;
もともと、自作したり、他のシナリオを吟味しないで、安易にこのシナリオを採用しただけに、怒りは感じなかったが、何とかとりまとめるのにすごく苦労しました。

筋書き
プレーヤーにとって2回目の冒険。今回は、自分の街からしばらく行ったところの大都会で「王の祭り」が行われることになった。実際には、その街では王はいなく、昔の建国の英雄をたたえる祭りである。その日は、祭りの前日でいたくにぎわっている街で、宿を求めて一泊をする。そして、その日の夜に、神殿に火の手が上がり、街は混乱状態になる。
どうやら、近辺のオークが祭りを主催するクレリック:アラリックを誘拐した模様である。自警団はどうやら間違ったルートをたどっていったらしい。そこに、以前に息子が殺されたとされる老人が、PC達に、正しいルートを知っているから、オークを倒して、アラリックを救ってほしいと頼む。
〜ダンジョンは、単純で、バランスが取れたモノとして、既成のシナリオを採用する。

1.洞窟への道のりで、無理矢理馬を準備させられ、先回りされた。
設定では、2〜3時間の所に洞窟があるはずであったが、都会で2−3時間で洞窟がないだろうと思い、2−3日離れた場所に洞窟があると設定し直して臨んでいたが、それを逆手に取られて、馬で行けば先回りが出来るだろうと話され、都会なのに、馬がないはずないじゃないかといわれ、用意してしまった。

2.自警団が間違った方向に行っているのはおかしいといわれる

導入で、老人が案内すると言って来る場面で、自警団になんで正しい道を教えなかったのかと迫られ、仕方がないから、一緒に道案内をしろと馬に乗せられてしまった。そのあとで、洞窟の手前まで馬を横付けさせ、老人は待機する羽目になってしまった・・・。

3.先回りをしたのだから、アラリックはまだ洞窟内にいないといわれる。

プレイ1



要するに、ダンジョンには警戒心がまだ生まれていなく、不意打ちが出来ると話される。結局、内部の一部を荒らされ、ダンジョンの入り口付近のオークをいいように料理されてしまった。
手始めに、1番のオークの見張りが、PCが大声を上げたりして外におびき出す。そして、外に落とし穴などのトラップを仕掛けて、草陰などに隠れて待機している。M(魔法使い)がおとりになり、外に飛び出してきたオークを落とし穴にはめる。(1d4匹)そして、トラップにはまらなかったオークを飛び道具などで各個撃破。その要領で、5番と9番のオークの兵士が死んでいった・・・。

4.アラリックをつれたオークが到着するが、最後は惨殺される。

プレイ2



シナリオがはじめから崩壊してしまったので、やけくそで、10匹編成のオークがアラリックをつれて到着させる。PCは、当然、その到着が分かるはずだといわれ、2番の部屋にあらかじめ油を敷いて、2番から北の通路におびき出し、オークは2匹ずつしか隊列を組めないといわれ、飛び道具で各個撃破。そして、部屋に全員が入ったところで魔法使いがスリープの呪文。
アラリックだけを洞窟の外にPCが運び出し、油に火を放って、眠っているオークを丸焼きにする。

5.反省
PCの内2名がカオティックで、やりたい放題であった。それよりも、なんかTRPGのお約束を知っていながら、それに乗らせなかったマスターの力量不足であった。しかし、思うに、このシナリオは初心者のための、とりあえずこういうのがTRPGだよという模範のようなシナリオであったため、すでに何本もシナリオをしているPCには物足りないし、モチベーションがあがらないモノであったと痛感する。
そもそも、D&Dでは、レベル1〜3のキャラクターはひ弱な存在で、犬を相手にしても、死人が出てしまうので、何らかの救済処置が必要となる。最もキャラクターを使い捨てのように考えれば、別に救済は必要ないが、1人のPCがまたキャラクター作り直すのは手間である。(シナリオも停滞するし)また、死人が出るとパーティ自体のストーリー性(関係性)が薄れてしまうので、なかなかゲームのバランスを考えても、無茶な設定や危険な設定が出来ない。また、そうしたシナリオは面白くなくなる。
サイコロの目も気まぐれで、かなりシビアである。そうした、さじ加減をしないといけないシステムは、マスターとしてはなかなか難しいところである。

6.感想
いつも思うことだが、D&Dはどちらかといえば、シュミレーション的な要素が強い。ヘクスシート等を用いて、厳密にマッピングをして、配置をして、モンスターの移動や特徴、能力を正確に管理して、PCとのコマとのやりとりをする。完全にダンジョン向きのルールである。エキスパートはフィールドになるので、その辺の管理も難しくなるが、正確に運用されるルールのもとでのプレイは、シミュレーション好きなプレイヤーには良いルールである。コンパニオンでは、軍隊を数値に変換して戦争もできるあたりが良い例である。
もちろん、その中でもロールプレイの要素もあり、充分にやりとりがあり楽しめるのだが、ヒロイック的なストーリー重視のシナリオはこのルールでは難しい。現代の日本のTRPGはどちらかといえば、ヒロイックで、ドラマチックな展開で、過激なシナリオが主流になっている。そのためのルールで遊んでいるのが傾向にある。私もそうした主流を見て、影響を受けているため、こうしたシナリオは、自分でいうのもなんだが盛り上がりに欠けてしまう。
どうしても、プレイヤーがオークの根城に入って略奪と殺戮の限りを尽くして、オークの女子供に恐怖を与えているとしか思えなくなってしまう。アラリックの救済という名目があるが・・・。
現代のルールでは、なぜオークを殺すのか、殺さないためにはどのような手段があり、オークの背景には何があるのかとかそうしたやりとりをしながら、葛藤やら矛盾とかを抱えながら交渉したりして、やっぱり決裂して、殺し合いをしながらも、そこにはドラマがあったり、悲哀があったりしてといったドラマを視点にするんだろうナァと思ったりしました。

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