福祉系(障害者福祉中心の)文献リスト

社会福祉の文献は分かりやすいものからかなり専門的なものまで幅広くあります。なので、以下にあげる文献は、主にレポートや論文を書くときに使えるものを列挙しています。さらに職業柄、障害者福祉分野を中心に述べていきます。

その前に、論文などでは、目安として
1.引用文献がしっかり載っているもの。
2.注釈があって丁寧であること。
3.専門誌あるいは学会誌、大学紀要(短期大学含む)であることです。

 まずもって論拠が明確に示されていることが最低条件となります。

調査系の論文でも、
1.それなりにしっかりと裏付けがあること〜先行研究を踏まえているもの、
2.調査方法に妥当性があるものを選びます。調査方法の妥当性は、それなりに目利きが必要ですが、
3.100人以上のアンケート調査であること。
4.統計尺度が先行研究に依拠していることなどが上げられます。

一般的な専門誌として、
1.「月刊福祉」(全社協)
2.aigo(全国知的障害者協会)
3.みんなの広場(総合社会福祉研究所)
5.福祉労働(現代書館)などがあります。

月刊福祉は論文と銘打っていくつかの記事が載っていますが、レポート程度であれば参考になりますが、論文で使う場合は、扱い方が難しいです。なぜなら、先に書いた引用・注釈が無い場合が多く、妥当性に問題があるからです。とはいえ、まぁ、入りとしてはいいかと。
あと、専門分野における入りとして、いろいろな福祉系の雑誌が出ています。何を使っても良いのですが、出来るだけ、引用文献があるのが望ましいと思います。

論文にも使える専門誌として
1.総合社会福祉研究(総合社会福祉研究所)
2.季刊・障害者問題研究(全国障害者問題研究会)
3.ソーシャルワーク研究(相川書房)
4.社会福祉研究(鉄道弘済会)

総合社会福祉研究は、福祉労働関係の雑誌などを出版しているため、どちらかといえば政策批判などが中心。
障害者問題研究は、療育や主に特殊教育関係が中心。または、障害学についても詳しい。
ソーシャルワーク研究は、割とかっちり書いてある論文が多い。主に援助技術系が多い。
社会福祉研究は、月刊福祉よりも若干専門的。まぁ、論文にも使える。取り扱う問題群は幅広く、割と一流どころの教員が書いてある。
私は、この上の専門誌は定期購読の形を取っています。いずれもなじみの本屋さんに頼むと定期的に入れてくれます。

学会誌としては
1.社会福祉学(日本社会福祉学会)
2.障害学研究(明石書店)
3.社会福祉士

この他、学会に入ればその数だけの学会誌が手に入ります。どのくらい学会があるかは分かりませんが、いずれにしろ、資格の数だけ、あるいは、分野の数だけ様々な学会があります。
その中でも論文を本格的に書く場合は、社会福祉学は、是非あたられることをお勧めします。
なかなか学会誌は購入できませんが、福祉系の大学や短大ではだいたい置いてありますので、目にする機会はあるかと思います。

大学紀要として
福祉系の短大、大学の他、教育学部でも特殊教育等を取り上げる場合が多い。
また文学部系でも、人文や社会科学でも取り上げることもあります。
いずれにしろ、結構意外なところから、面白い論文が出てきたりします。
獨協大の経済学部で、精神障害者の費用負担についての決定的な論文が出てきたりしました。
キーワード検索をかけて、とりあえず、引っ張ってきて何でも見てみるのが一番ですね。

いずれにしろ、論文やレポートを書く場合、先行文献の検索→収集→整理となります。
まずは、手の届く範囲で、図書館を有効に活用して行きますが、一般の図書館では専門分野の文献が少なく、大学紀要や専門誌が置かれていない場合があります。
なので、国立大(いつでも気楽に誰でも使えるから)などを有効に使って、さらに福祉系大学図書館の訪問→閲覧→収集と手を伸ばすと文献が集まってきます。
その集め方については、論文の作り方に書いてありますので、参照ください。
2007.7.6

ホームインデックス