2021.4
福祉を支える新たな財源
てい談:地域の福祉ニーズに応える社会福祉法人の実践と財源
- 社会福祉法人は基本的に社会福祉事業という制度に基づく事業を行う存在で,財源も制度の給付に頼ってきた経緯がある.しかし,その一方で法人は制度の有無に関係なく支援が必要なヒトを支える存在で,その実践が制度を作ってきたという歴史があり,制度ができるまではその実践のための財源をどう確保するかは大きな課題であった.さらに,2016年から行われた社会福祉法人制度改革により地域のニーズに基づく取り組みも(法律的にも)求められ,その財源をどうするかも課題になっている.
- そもそも社会福祉法人の財源問題は,内部留保と税の優遇などによる民間との格差:イコールフッティングにどう対処するべきかと言うことであった.こうしたことから,日常生活などで支援が必要なヒトに対し,制度外のニーズに対しても無料・低額で福祉サービスを提供することは社会福祉法人の本来的な役割だとした.
- 多くは特別会計などから法人が捻出する方法の他,クラウドファンディングを募って財源を調達する方法もある.
- 阪神大震災,東日本大震災などによって寄付の文化が発展したと思う.そこには共感というものがあった.社会福祉法人において,行政以外にスポンサーを作ること,寄付者という支持者を構築することが必要である.それには「見せる」ことが大事である.
- 社会福祉法人の強みは,社会における「信用」である.これを武器に,民間も巻き込んでチャレンジしていく必要があると思う.
- 財源確保のための職員を雇用することも検討の価値がある.しかし,そんな職員を雇うことができる法人は限られている.社会福祉連携推進法人の仕組みを利用し,複数の法人が連携・協働してファンドレイジングなどの様々な方法によって事業資金を調達することもこれからは考えられると思う.
- 自ら動くことで地域社会は変えられるという感覚をもつことが最も大事ではないか.
レポートでは,
- 社会福祉法人いぶき福祉会による資金調達やそのための事業の取り組みについて,興亡で作られているかりんとうをクラウドファンディングで調達しながら毎月お届けするとか.サイトもしっかりとしたモノとなっている.
- 生活困窮者自立支援制度の運用のために,社協が他の社会福祉法人から助成金を募って実施したケース.
- 羽毛布団のリサイクルについて
- 救護施設における生活困窮者など住居支援事業への取り組みについて→共同募金の助成金を使って取り組んだこと.など