2014.10
子ども…子育て支援新制度で何が変わるのか
座談会
- 2012年8月に子ども・子育て関連3法が成立した.子ども・子育て支援法,認定こども園法の一部改正法,子どもに関する教育,保育などの総合的な提供の推進に関する法律
- これらは消費税10%となったときに税収分の内毎年7千億円が当てられることになっている.目的としては,質の高い幼児期の学校教育保育を総合的に提供すること.計画的な保育の量的拡大・確保,地域の子育て支援を充実させる.主に待機児童のことが話題になっている.
- 現在は,認定こども園,幼稚園,保育所,小規模保育,居宅訪問型保育,事業所内保育など選択肢がある.制度的によく分からないなぁ…
- 幼保連携型認定保育園は教育という文字に魅力を感じてはいるが,都市部はとりあえず保育園に入れたい.地方では,すでに定員割れを起こしているような所がある.連携型への期待はあまり聞かない.
- 幼児教育無償の議論が出ているが,3歳から教育を受ける権利が十分保障されているとは言いがたいし,それ以前の教育では他の国では議論されているが,日本では議論されていない.
- ノルウェーとかだと幼稚園に運営委員会を設置して親が予算の使い方などに意見が言える.またアイディアを出すことができるが,日本ではあまり聞かない.
- 放課後児童対策に関しては事業の一つに入ったことは評価できるが,まだまだ足りない.
- 遊び場事業と放課後児童クラブを一緒にやっているところがある.しかし,捉え方が違うので公平とかそうした問題があるらしい.
- 認定の申請では,教育と保育に分けられて判断されるのはおかしいと思う.
- がんばって読んだけれど,よく分かりません!
子ども・子育て支援新制度の経済的効果(駒村康平)
- 認定こども園によって,保育と教育を一体的に行うように収束していくことがのぞましい.
- 新制度の変更点
- 社会保障目的の消費税を安定財源とし
- 認定こども園,保育所,幼稚園の利用システム,公費的支援を一元化し
- 保育サービスの供給量が保育ニーズを決定するというこれまでの考え方から180度転換し,保育需要に応じて保育サービス供給を整備することを市町村に義務づけた
- 要保育認定は,労働時間,保育料から保護者が判断し,欲求するサービス量である.労働が長時間化し,保育需要が限りなく増え続けるのは子どもの育ちや家族福祉のためにものぞましくないため,労働政策の中で子育てに親和的にして長時間労働の回避や育児休業の取得促進などと同時に取り組んでいく必要がある.
- 女性の労働力が上がることで,厚生年金の加入率が高まるなど年金財政は維持できることにもなるとのこと.
- 認定こども園による教育と保育の保障は,幼児期の教育の保障もさることながら貧困層も同じように教育を受けることで社会の質を高めることができる.
質の向上はどうなるのか(寺見陽子)
1.57ショックから立ち直ること無く,エンゼルプラン,新エンゼルプラン,子ども子育て応援プラン,子ども子育てビジョンと展開し,自省大育成支援対策推進法が出され,子育て支援は全ての国民の義務となる.エンゼルプランの頃の子どもが成人,結婚し,子育てをするようになっており,少子化対策による支援方策が循環体制に入ったことになる.
少子化に踏まえて,全ての子どもに良質な生育環境を提供できるように地域における子育て支援の充実を目指している.質に関しては,量の拡大を目指す事業の内容に関する専門職の適正配置や人材の確保と処遇改善に焦点が置かれている.
保育の質に関してアメリカでは1990年代には進められていて,その紹介をしている.
子ども…こどだて支援新制度で大きく変わる学童保育(真田祐)
学童保育は,共稼ぎ,ひとり親家庭などの小学生に,放課後および土曜日,長期休業中に遊びおよび生活の場を与えて,その健全な育成を図ることである.1997年児童福祉法によって位置づけられている.しかし,配置基準や資格などが法的に定められていなかった.国からの補助金が奨励的なもので,大変少なかったが,今回の子ども支援法や児童福祉法改正でかなりしっかりと規定されるようになった.