2011.6
特集 なぜ第三者評価が必要か

総論「福祉分野における第三者からの評価の必要性」福田敬

  1. 主に高齢者分野でのサービス供給量は増えたが,その質を担保される物で無ければ行けない.
  2. ケアプロセスの多様性と個別化への適切な対処が必要.
  3. ケアプロセスの多様性が適正に行われているかどうかの情報の透明性の確保.

特に,1の質に関しては,技術的要素,人間関係的要素,アメニティが必要であり特に人間関係的要素とアメニティは生活施設であればあるほど重要である.
また3の情報の公開に関しては,専門職による第三者的な評価を得ることと自己評価の循環の中で今あるサービスの見直しを不断に続けていくことが重要である.評価には,評価対象,評価者,評価基準であり,特に評価基準の設定が普遍的なサービス提供にとって書かせなことになる.また,評価基準に満たない状況を自己評価でも改善することができる.あるいは,第三者によって指摘されることで気づくことも出来る.そして,その評価を公表することで市民や利用者・家族からの評価を得ることが出来る.ただ,現状として第三者評価は,事業者の質改善に寄与することが目的であり,利用者の選択の参考にすることは副次的な目的であると考えられる.
質の改善と質の保証の考え方として,質の保証の考え方は,一定以上の水準を保つことであり,逆に言えば一定水準に観たな者を切り捨てようとするものである.質の改善は,現在の質の水準がどのレベルであってもより高い水準を目指そうとする考え方である.福祉においては,この質の改善の考え方に基づいて第三者評価が活用されるべきである.また,質の水準は時代によって変化していく者であり,常に継続的に行われていく必要がある.
病院では一部の診療報酬の要件になったり,受審を進めるために費用の一部を自治体などが補助するなどで進んでいる.しかし,福祉では全国レベルではまだまだ普及の途上にある.

以下,現状と課題についてのレポートが続いている.

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