キツネノボタン (狐の牡丹)


 キンポウゲ科の多年草で、本州、四国、九州、沖縄に分布する。花期は3〜7月。全草に毒を持つ毒草で、田んぼの畦などに湿ったところに生える。

 毒があり、かつ深い切れ込みのある葉が牡丹によく似ているところから「狐の牡丹」の名前が付けられた。「キツネ」には毒、あるいは嫌なものという意味があり、毒草にはしばしば「キツネ」の名がかぶせられる。キツネノボタンの葉や茎はほとんど無毛だが、姿形がよく似ていて葉や茎に毛の生えた種類があり、毛の生えているキツネノボタンという意味でケキツネノボタン(毛狐の牡丹)と呼ばれる。どちらも人命にかかわるというほどの猛毒ではないようだが、毒草は毒草。誤って食べれば腹痛、吐き気、下痢、けいれんなどの症状に見舞われることになる。