ハ  コ  ベ (繁縷)


 ナデシコ科の越年草で、日本全土に分布する。花期は3〜9月と長い。春の七草の一つとして知られていて、もともとは日本在来のミドリハコベを指すらしいが、今では明治時代に日本への帰化が確認されたコハコベも含めてハコベと呼んでいるようである。

 ハコベは万葉集に「波久倍良(ハクベラ)」の名で登場し、これがハコベの語源だと言われている。ハクベラがハコベラに、そしてハコベに転訛したというわけである。また、小鳥が好むのでヒヨコグサの別名もある。そう言えば子供の頃に飼っていたメジロのすり餌にハコベの葉を入れていたのを思い出す。それがミドリハコベだったのかコハコベだったのかは定かでないが、ハコベ入りのすり餌は鮮やかな緑色をしていてメジロはそれをよく食べてくれ、元気だった。