勇者ゆたえると七人の侍(誤)
●第20話●
西表(いりおもて)トルネコ


 今回は何と怒涛の連続更新です。って、たったの1週間だけど。トルネコさんのエピソードも7回目を迎え(よく続いたなあ)、いよいよ感動のフィナーレを迎えそうな気配です。


 おれの名はトルネコ。怪盗ルパンの孫だ。....うそ

 先ほどカジノを覗いてみたのだが、まだ営業を再開していないようで、中はひっそりと静まり返っていた。ライアンという名の王宮戦士と出会ったが、挨拶を交わしただけで、すぐに別れてしまった。

 「自分の店を持つ」という夢は、ここエンドールで実現した。レイクナバから愛妻ネネと最愛の息子ポポロを呼び寄せ、店の経営は妻に任せてある。暮らしぶりはレイクナバにいたころより上向いている。

 しかし、何かが足りない。ひとつの夢を達成した瞬間、次なる新しい夢が、おれの心の中に芽生えたのかもしれない。今回の冒険を通じて様々な知識や情報を得ることができた。その中に「天空の剣」「天空の鎧」など天空シリーズとでも言うべき武器防具の存在に関する情報があった。この世界のどこかに、まだ誰も見たことの無い最強の武器防具があるというのだ。

 それ欲しい。(力強い一言)


ギリアム風「喉から手が出るほど欲しい」の図

 安い上に防御力も低いため、もはや木の帽子など必要なくなった。装備していた木の帽子を売却し、故郷レイクナバで破邪の剣を大人買い(誤)。その結果、現在の所持品は以下の通り。

 エンドールの東に巨大な洞窟がある。洞窟は未完成であり、中には老人が1人いるだけだ。洞窟の中は臭いし暗いので近付かなかったのだが、思い立って老人に話を聞いてみることにした。

 老人は東(海の向こう側)にある港町へ行き、船を手に入れ世界中の宝を集めるつもりだったらしい。だが、洞窟を掘るための金が底を尽き、自分も年老いてしまった。そして、自分の代わりにこの洞窟を掘って、世界中の宝を集める人間を募集していたと言うのだ。早く言えよ〜(ちっともハードボイルドじゃありません)。

 60000ゴールドを支払えば、洞窟掘り作業が再会できる。おれは即金で60000ゴールドを支払った。

 翌日、さっそく人を雇って掘削作業が再開した。それにあわせてカジノも営業を再開した。なぜだ。

 数日後、あっという間に洞窟が開通した。おれはネネポポロにしばしの別れを告げ、完成したばかりの洞窟を通り、東の大陸へと旅立って行った。

 新しい夢に向かって旅立つとはいえ、愛する家族と別れるのはやはり寂しい。こんなとき、フランス語には良い言葉がある。フランス人はどんなことにも上手い言葉を持っていて、その言葉はいつも正しかった。

 さよならを言うのは、わずかのあいだ死ぬことだ。

第三章 武器屋トルネコ
       完


 必要以上に感傷的なエンディングにしちゃいました(笑)。ってゆーかチャンドラーからの引用が多すぎますね。

 ということで次回もみんなで一緒に冒険しましょう。

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