勇者ゆたえると七人の侍(誤)
●第16話●
我輩はトルネコである


 だいぶ間が空いちゃいましたが、久々に冒険日記を更新することができました。おめでとう(誤)。例によってトルネコさんの勘違いハードボイルド日記は続きます。お付き合い下さいませ。


 鉄の金庫を持っていれば、たとえ死んでしまってもモンスターに金品を奪われなくなるという。おれたち商人仲間の間では、鉄の金庫は有名なレア・アイテムだ。が、今すぐ鉄の金庫を手に入れる必要は無い。せっかくこのお宝を手に入れても、勇者一行と会うころには手元から消え去ってしまうのだ。後で手に入れれば失くすことはないし、今すぐ手に入れなくても死ななければ良いだけの話だ。男はタフでなければ生きていけない(無理に名台詞を言うなよ)。

 おれは店を辞め、愛する妻と子を家に残し、深夜の密会を楽しみにしていたシスター(問題発言)と別れ、レイクナバを出ることにした。夢を実現するには、もっと大きな町が必要だ。

 レイクナバを出発し、エンドールを目指して南へ進んで行くと、途中で小さな村を見つけた。人々は楽しそうだしアイテムも安いのだが、目が覚めると村ごと消え去ってしまう。きっとみんな恥ずかしがり屋なのだろう。あるいは朝の素顔を見られたくないほど厚化粧なのか。


星明子並み

 おれはそんな村のことを忘れて、再び南を目指した。しばらく歩いて行くと、今度はボンモールという小さな城にたどり着いた。ここでは防具を高値で買い取っているらしい。建築家ドン・ガアデ色狂いでどこぞの村にこもってしまっているようだし、地下牢にはレイクナバの男が幽閉されているとか。商売人にもってこいの儲け話が、苔のつかない岩のようにごろごろ転がっている(下手な比喩表現も要りません)。

 しかしいくら防具が不足しているといっても、ステテコパンツが普段の倍の値段で買い取ってもらえるのは、少し行き過ぎではないか。パンツだぞ。「下着の一種」で「通気性に優れている」とはいえ、ただのパンツだぞ。いや、ただのステテコパンツだからして、ただのパンツ以下か(どっちでもよろし)。

 本来ならこんな小さな城で油を売っている暇は無いのだが、エンドールへ行くための橋が壊れていて、足止めを食っているのだ。あの橋は建築家ドン・ガアデが直せるそうだが、あいにく彼はどこぞの村で色狂いの真っ最中....ってゆーか(ハードボイルドらしからぬくだけた口調)、その人物ならここへ来る途中、恥ずかしがり屋の村(誤)で見かけた。

 ところで、ボンモール王はエンドールに攻め込みたくてうずうずしている。しかし王子のリックはエンドールのモニカ姫と“良い仲”であり、戦争には反対の立場らしい。戦争が始まれば若い2人は引き裂かれることになるかもしれない。おれに何かできるだろうか。

 おれは何も、警察にできないような、大仕事をしようといっているのじゃあない。おれがしようとしているのは、武器屋にふさわしいちっぽけなことなんだ。


 ますます似非ハードボイルドに拍車がかかっております。しかしイマイチ筆がすべらん(笑)。

 ということで次回もみんなで一緒に冒険しましょう。

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