勇者ゆたすけの冒険
●第9章●
「剣に生きる男」


 冒険はおろか、まともな会話さえままならない勇者ゆたすけ。こんなことで世界を救えるのでしょうか? 今回もまたまたサマルトリア城内からお話は始まります。


 救護室で目を覚ましたゆたすけは、サマルトリアの若き王子りんごを追って、勇者の泉を目指すことにした。

りんご王子は ちょっと
ボーッとしたところが あるけど
根は いいお方なんですよ。

 そうか。人は良いのか。しかし妹があんなに美人だったとはなあ....。これは、どんな顔をしているのか見なければ。

 変な使命感に燃えたゆたすけは、さっそくフィールドでレベルアップのためにモンスターたちと戦い始めた。行け、ゆたすけ。負けるな、ゆたすけ。何かくれ、ゆたすけ

 ゆたすけがこんなに一生懸命レベルアップに励むのには、実はふかーいふかーい理由があったりする。

 もしかしたらりんごというのはめちゃめちゃ良い男なのかも知れない。ぼくも相当ナイスガイだけど、それと同等、あるいはそれ以上に格好良いのかもしれない。でも、聞くところによれば、りんごはあまり力が強くないらしい。そうだ。そうなのよ(なぜかオネエ言葉)。それならぼくは男らしさをアピールすれば良いんだ。モンスターたちをばったばったとなぎ倒し、剣に生きる男ゆたすけをアピールして、ムーンブルク美しい王女をげっちゅー。これしかない。今の内にレベルアップに励んでおけば、きっとりんごとは比べ物にならないほど差がついているはずだ。

 という、何とも卑劣な計画を練っているのだ、この男は(笑)。

 数多くの戦闘を経て来ただけあって、ゴールドの方もだいぶ貯まって来た。サマルトリアの城に戻り、商人から鎖帷子(くさりかたびら)をゲット。体力的にもだいぶ自信が付いて来た。よーし。いよいよ勇者の泉に乗り込むぞー。


 さあ、みなさん、お待たせしました。いよいよりんご君登場の時が刻一刻と近付いてまいりました。

 ということで、は本当に世界を救えるのか!? 次回をお楽しみに....。

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