団報「ビカボシロ」'96春号

ビーバー・カブ・ボーイ・シニア・ローバー
ボーイスカウト渋谷5団
1996.06.01発行
目次 次のページ
渋谷5団のホームページ

目次



巻頭言

団委員長 富崎之夫

 春のキャンプは雨がふり大変だった事と思いますが、スカウト達は一段と成長した事でしょう。
 昨年よりビーバー、カブ、ボーイ、シニアスカウトに女子を受け入れる事につき皆さんの意見を聞いて参りましたが、渋谷5団としては今後ローバースカウト以外は女子を受け入れないとの方針で行く事に決まりました。
 ご父兄の中には女のお子さんを我々の団に入団させたいと言う希望の方もおられ5団としてどうすべきか迷ったのですが、色々な人々の意見を聞き、自分としては次のような結論に達しました。ボーイスカウトの21世紀委員会は「長年に亘る男女の固定的性別役割分業の考え方を改め、あらゆる分野の活動で、方針決定を含め、男女が全く平等に参画することが社会の発展と安定を実現させるという考え方が一般的になりつつある。」と述べ、だからボーイスカウト教育の全部門に女子を受け入れるようにと提案をしています。しかし子供時代のある時期、男女が別々に生活する機会を与え、そこで男の子でも一人で基本的な生活が出来るように訓練し、男の仲間を得る事により、自分を持った上で、男女のつきあいが出来るようになり、「男女が全く平等に参画する社会」に生きていけるスカウトが育てられるのではないでしょうか。

特集1:春のキャンプ


   ビーバ 3/30−31   子供の国
   カブ  3/30−31   昭和の森
   ボーイ 3/29−31   昭和の森
   シニア 3/24−25   土樽(雪中)
   ローバ 2/22−25   湯ノ丸高原(雪中)

ビーバー 3/30−31 子供の国


ビーバー隊春のキャンプに寄せて

ビーバー隊長 森山俊英

 カブ隊から独立して単独での初めての春のキャンプは子供の国に行ってきました。初日から雨にあたり心が沈みかけていると思いきやスカウトのみんなは元気よく遊んできました。一部、野外でのゲームやいかだ乗りはできなかったけれど、ビーバーもビッグビーバーも一回り大きくなったことが実感できるキャンプでした。
 最後に今後子供の国のセントラルロッジを使われる方は鉄板の磨き方を十分勉強しておいて下さい。きっと役に立ちます。


カブ 3/30−31 昭和の森


雨の中のキャンプ

3デン 杉山 剛

 「おはようございまーす」。渋谷駅南口、そこからぼくたちの春キャンプが始まった。その日は、雨がふっていた。「このさき、どうなるのだろう」。みんなは、心の中にすこし不安をもちながらお母さんたちに見送られながら渋谷駅を後にした・・・・。  キャンプ場についた。そこでは、雨がふったりやんだり、と同時に、ぼくたちも雨具をきたり、ぬいだり、たいへんだった。
 キャンプファイヤーはどうなるのだろう、不安の心をもながらキャンプファイヤーの時間がやってきた。
 ざんねんながら長い時間、できないのでスタンツはできなかった。しかし、そのときリーダーがいってくれました。
 「雨の中、キャンプができる、ボーイスカウトのキャンプは、くんれんのキャンプだ、雨の中キャンプできるなんてしあわせじゃないか」と、ぼくは、ねぶくろの中で考えた。「たしかに雨の中キャンプをするのは、始めてだ、たしかにきちょうなたいけんだな。」
 きしょう時間10分前「ハーイ30cm、行きますよー」この意味不明のことばで目がさめた。あとでしったのだが、夜中のすごい風でテントが、30cmうごきそれをなおそうとするリーダーたちの声だった。
 その日は、まぶしいほどの太陽がキャンプ場の大地をてらしていた。その日のメインイベント、タッチラグビーをして家へ帰った。神様ぼくたちに雨の日のキャンプをありがとう。


ボーイ 3/29−31 昭和の森


“春季野営”感想文

谷口 亮

 僕は、初めて、今回のような、「アタックザック」とよばれる、大きなザックに、荷物をパンパンにつめて歩きました。そのザックの重さは、計ると、約15Kgでした。15Kgと聞くと、一見、すごく重そうに思えますが「弟をおんぶしたときの、半分の重さ」と考えると、気持ちが楽になり、足も、自然と、前へ前へと、進んでいくのでした。
土気の駅から、サイトまでの道のりは、長かったですが、ほとんどの人が列を乱さなかったので、そこは、カブ隊とは違い立派だったと思います。
サイトに着き設営の時間に入りました。僕は、新入のスカウトだからと言って、こき使われて、気分は悪かったけれど、いちいちこらえました。
 夕食は、前に習った、立ち竈で、炊事をしました。その時、僕は、班長に、許されて、「マッチ二本以内で、炊事に使うことができる」という、進歩手帳に書いてあるところを、チャレンジし、火は、一時間以上燃えていました。とてもうれしかったです。
 二日目、天気予報では、「雨」となっていましたが、六時ころは、ふっていませんでした。朝御飯の準備をして、また、立ち竈で、炊事をしました。よ〜くあぶりましたが、試食してもらいに行くと、まだ、米で、「これ食べちゃダメ」といって、御飯は、食べられませんでした。このとき、ボーイ隊は、きびしいなぁということを、改めて、思い知りました。
 とうとう、午後から、どしゃぶりに雨がふって、ハイキングは、中止かと思いましたが、「ボーイでは、こういう天気も、“良い天気”と言います。」といいながら、ハイキングをしたので、またまた、辛い目にあいました。
 三日目、昨日の、どしゃぶりと、風は無く青空になっていました。辺りを見回すと、なんと、フライが、ぶっつぶれています。その横には、カブが笑いながら、トイレへ向かっています。ちょっとはずかしかったので、次は立派なフライを立ててやりたいです。


春季野営感想文

西垣昌徳

 野営に参加するにあたって、僕は事前に
(1)できるだけ班員に仕事を分担する
(2)時間厳守
という二つの目標をたてた。初日からはこれをなかなか実行できなかったが、後になってゆくにしたがって、少しずつうまく行くようになった。
 僕は今回の野営のテーマが「基本」ということだったので、楽にすごせるのではないかと思っていた。しかし、現実は普段よりも学ぶことがたくさんあった。班員が七名も参加してくれてうれしい反面、一つにまとめるのが大変だった。先にすませておけば後で楽になったり、時間を短縮できたりするような仕事を割りふることで、スムーズに予定をこなすことができた。そして、フライの張り具合、テントの張る位置、立ちかまどの後始末などが、強い風と雨のおかげで、さらに身につけることができたと思う。
 また、雨でしけった衣服を一時間ほどしか着ていなかったのに、体力がじりじりと減少して疲れてゆき、そのことを家に戻るまで気が付かなかった。もしあと二、三日野営する予定があったと考えると恐ろしい。衣服、靴など自分に身に付けるものが、いかに体力に大きな影響をおよぼすかが実感できた。
 今回は普段なれていない雨の中での野営だったにもかかわらず、充実してすごせたのでよかったと思う。隊長がおっしゃった「雨天はいい天気である」という意味が、野営のつらさを思い出すことで、よく理解できた。
 夏季野営は、基本を大切にして参加していこうと思う。


三回目のキャンプ

トキ班 森重祐人

 ボーイスカウトとして三回目のキャンプ、そのキャンプは新入隊員の時とは全然違う“責任感”という物があった。
 新入隊員の時は班長、次長からめいれいされ自分で仕事をする。今となっては、
「あの頃は楽だったな〜。」
などと思っている。
 というのも、今は上からめいれいされるのではなく逆に下にめいれいする、という立場にたっている。聞くと楽だ、と思うかもしれない。しかしやってみるとこれほどむずかしい物はない。特に私は二年目なので当然班長にも、次長にもなっていないので上からもめいれいされ下にめいれいする。これはかなりむずかしい、と思う。
 さて、ネタが少なくなってきたのでここで三日間のキャンプ生活をせつめいしよう。
 まず初日、目的地に着いた、お弁当をたべおわり道具を運びパイオニアリングの時間だ。テントをはりフライをたて、たちかまどをつくった、そしたらいつの間にか夕食のじゅんびに入っていた。夕食をたべおわると、きもだめしが始まった。リーダーがいろいろおどかしたがけっきょくなにもなくつまらなかったような安心した?ような気になった。
 二日目、炊事、点検をすませかまどをつくり直したらつくり直す前よりヒドくなってしまった。こまっているうちに昼食のじゅんび、なんとかつくれ、午後のミニハイク、私の班(トキ)は1着で着いたが賞品はなかった。
(ゲーム大会、三日目の事は思いだしたくないため省略)。
というわけ?で長いような短かったような三日がすぎた。
 最後に、二〜三年後班長か次長になったら絶対こう言うだろう、 「二年目の時は良かったな〜。」と。


シニア 3/24−25 土樽(雪中)


雪中キャンプを通じて

近藤直義

 今回、2回目の雪中キャンプ参加となる僕は実行委員長を進んで引き受けた。昨年の雪中を経験して、今年は自分なりに前回の反省を生かして計画を立て、どこまで雪と戯れることができるか試してみたかったからである。僕自身、実行委員長の経験は入隊以来、初めてのことであり、楽しみと同時に責任の重さも感じながら事前準備は進めた。
 スカウト一同、万全を期して出発   ところが、初日から予想外の雨に見舞われた。雪中に雨は絶対降らないと決めつけていた僕達は改めて、計画を立てる際に「(まず、ないと思うが)もし、ここで〜が起きたら…しよう」と予め考えておくことの重要性を再認識させられた。
 初めの内は雨に戸惑い、右往左往している間にどんどんスケジュールから遅れ気味になってしまっていた。しかし、その焦りからか、皆、一人一人が時間を意識し始め、自分が次に何をすればよいか?を積極的に考える様になってきた。時間と共に皆は協力し合い雪中での生活の場となるイグルー作りに汗を流した。その結果、遅れ気味だった時間は予定より、はるかに早く進み、初日でイグルーに屋根がつくという快挙に至った(2日目の完成予定だった)。
 まさに全員が一致団結して協力した賜物だと思う。このキャンプ全体を通しても隊長から再三、御指摘を受けた事もあり、常に各個人が「協力」を意識の中に持ち、キャンプ自体を有意義に送ったと思う。
 様々な経験をして、そこから何かを見出し、次に繋げていく。僕も委員長としては決して合格ではないかもしれないが、数多くの事を獲てきた。目的意識をしっかりさせて、状況判断さえ見誤らなければ、後は存分に楽しめるのがシニアのキャンプ。白銀の地、土樽に彌栄!彌栄!彌栄!また、これを区切りにシドニーに旅立った徳植さん。日本にて、首をなが〜くして帰国をお待ちしています。


雪中に行って

神田 聡

 結局本番の雪中は2日目の終わりからの参加という少し不本意な参加の仕方だったのですが、その代わりにプレ雪中には行って、設営の練習をすることができたので、丁度一回雪中に行けた気がして、満足はできました。
 雪中の反省会で、
 「ボーイ隊との違いを考えて見ろ」
と言われたのですが、そのことを考えてみると、やっぱり目的意識の有無ではないかと思います。最もこのことは、シニアで参加した全てのプログラムでも感じていた気がするのですが、自分が何をしていて、その先に何が有るかわかっているというのは、励みにもなり、楽しさも増すものなんだと思いました。
 僕はボーイ隊に居た時にシニアに行くかどうか真剣に考えたことがありました。今になってみると何で悩んでいたのか馬鹿らしくなる程シニアに来てみたら楽しかったわけですが、その楽しさを与えていてくれたのは、リーダー、先輩のほかに、この目的意識だと思っています。これからも、この楽しさを自分で壊してしまわないようにがんばっていこうと思います。


ローバ 2/22−25 湯ノ丸高原(雪中)


'96 ROVER雪中キャンプ 個人感想文

濱田百合子

「寒い」という言葉以外に、この感覚を表す表現はないのか、「寒い」なんて使い古された言葉では言い表せないほど猛烈な「寒さ」の中の雪中キャンプだった。雪中キャンプに行く、ということは、雪の中で活動し、雪の上で眠ることだ。何故そんなことをするのか、といわれると、そのような非日常を体験したい、どんな感じか知りたい、という好奇心、そして、「雪」というものの持つ魅力に引きつけられるから、と言える。行きたくて、行った雪中キャンプではあったが、パウダースノーでイグルー(編集者注:イグルーとは雪を積んでつくる家で、「エスキモーの家」から来ている)も作れない中、ブルーシートで囲ったサイトの中での夜は、本当に長く辛かった。おそろしく着込んでカイロをあてていても足先に感覚はなく体の心から底冷えがし、眠ったら死ぬんじゃないか?という不安もよぎった。とにかくものが凍る。クーラーボックス(冷やすためではなく凍らないようにするため)はなんの機能も果たさず、何を飲むにも食べるにも、まず湯せんが基本だ。アツアツのお鍋も、自分の食器に取り分けたあと一気に食べないと、凍ってしまう。ビールやワインもついだそばから凍っていく様子なんてそうそう見られない貴重な体験だった。
しかし、天候には恵まれ、私が着いた2日目は、予定通りスノーバレーを行うことができた。予想通り大変ハードなスポーツで、雪に足をとられ、まともなラリーはほとんどながらなかったものの、雪の上でバレーボールをしている自分達、というのが面白かった。翌日の鹿沢温泉へのハイキングは、かんじきもスノーシューもない長靴の私にとって、とても辛く、着込みすぎて暑くなったり、休むと寒くなったり・・・と、とにかく早く温泉に入りたい一心だった。しかし、山の上で真っ白い雪と真っ青な空、澄んだ空気の中で飲んだ温かいコーヒーの味も、なかなかできるものではなかった。今回の雪中は、予定していたプログラムを全て行うことができ、寒さは超一級だったが、雪という冬ならではの自然に飛び込んでいく、自然に挑戦する、といった感覚を味わうことができた。そして、生まれて初めて体験したマイナス10゜C以下の寒さが一番印象に残っている。


'96 ローバー隊雪中キャンプ 個人感想文

新井大輔

とにかく「寒い」。こんな寒さは、たった20年の人生ではあるが初めての経験であった。下見の段階で現地は-17゜Cにもなるという事はわかっていた。しかしマイナスを超えてしまっては、それが-5゜Cであろうが-15゜Cであろうが、けんとうがつかない。マイナスの世界では水はこおる物とわかってはいても、なぜかポリタン3個に水をくんで、サイトまで持って上がるというアホなこともしでかしてしまう。それだけ未経験の世界というのはおそろしい物なのだ。よくバナナでくぎが打てる、などというが、生タマゴやネギでさえ打てるのではないか。そんな世界であった。
プログラムとしては、サイトキーパが多かったせいか、特にこれが、という物はなかったが、いつもの雪中と違い、イグルー作りに取られていた時間が他のプログラムに当てることができた分、自分にとっては雪中キャンプという物を楽しめたと思う。


目次 次のページ
渋谷5団のホームページ