艦内神社
巡洋艦愛宕
艦歴
昭和 ２年 ４月２８日 起工（呉海軍工廠）
昭和 ５年 ６月１６日 進水
昭和 ７年 ３月３０日 就役
昭和 ７年 ４月１６日 犬養毅首相以下の政府高官を乗せ東京湾を巡航
昭和 ７年１２月 日 第二艦隊第四戦隊に編入
昭和 ８年 ８月２６日 横浜沖で行われた特別大演習での観艦式に、昭和天皇が乗艦する戦艦比叡の供奉艦として参列
昭和１１年１０月 日 昭和天皇が乗艦し江田島に入港、兵学校行幸
昭和１３年 ４月 日 近代化改装（１０月に工事完了）
昭和１６年１０月 日 巡洋艦摩耶に代わり第二艦隊旗艦
昭和１７年 ８月２４日 第二次ソロモン海戦に参加
昭和１７年１０月２６日 南太平洋海戦に参加
昭和１７年１１月１５日 第三次ソロモン海戦に参加、小破
昭和１７年１２月１７日 修理のために呉に帰投
昭和１８年１１月 ５日 第一次トラック空襲で至近弾を受け右舷を損傷
． 艦長中岡信喜大佐以下２２名が戦死
昭和１９年１０月２２日 栗田健男中将座乗の第二艦隊旗艦としてブルネイを出航
昭和１９年１０月２３日 パラワン水道にて米潜水艦「ダーター」の放った魚雷６本のうち４本が右舷に命中、転覆
． 沈没し３６０名が戦死、生存者は、駆逐艦「岸波」、「朝霜」が救助
近代化改装後の愛宕 …昭和１４年１１月３０日
艦内神社
愛宕神社
． 所在地
． 創建 大宝年間
． 主祭神 伊弉冉尊・埴山姫神・天熊人命・稚産霊神・豊受姫命
． 社格 府社・別表神社
愛宕神社
献木の碑
由来
軍艦愛宕は日本海軍最精鋭の重巡洋艦（一万五千トン）で昭和七年に呉海軍工廠で建造され
艦内神社の御神体に当愛宕神社の御分霊を勧請した 同艦は昭和十六年十二月太平洋戦争
が勃発すると 第二艦隊司令長官の旗艦として東南アジア 印度洋 太平洋の各海域に転戦し
て数多の海戦に参加 武勲をたてたが 昭和十九年十月二十三日レイテ沖海戦に向う途上 ．
午前六時三十三分 フィリピン パラワン水道に於て 敵国潜水艦ダータの攻撃をうけその魚雷
四本が命中し同五十三分に沈没した
この時艦と運命を共にした戦死将兵は 愛宕三百五十五名 艦隊司令部四十五名 計四百柱
に及んだ
戦後三十余年を経た昭和五十三年に至り右の四百柱と 軍艦愛宕に乗艦してこの大戦に従軍
し時と処を異にした戦死者七十七柱 総計四百七十七柱の戦没者名簿を当神社に奉納し英霊
をお迎えした
ここにオオヤマザクラ（別名紅山桜）百本を植栽献木し 永く慰霊の山桜の花の絶えないことを
願うものである
太平洋戦争を軍艦愛宕に乗艦して戦った生存者 並に戦死者の遺族の有志 之を建つ
昭和五十三年十月二十二日
妙法華寺
軍艦愛宕戦没者之碑
碑文
軍艦「愛宕」は重巡洋艦で戦時中は第四艦隊の旗艦として活躍し、昭和１９年１０月２３日、比島
パラワン島沖の海戦にて不運にも轟沈せり。乗組員１，１９７名のうち戦死者４８４名。その折り
救援の駆逐艦「朝霜」が４９２名、同じく「岸波」が２２１名救助せり。
駆逐艦「朝霜」は昭和２０年４月７日、沖縄特攻部隊として出陣中、敵戦闘機三十余機と交戦、武
運つたなく第２１駆逐司令・小滝久雄大佐、艦長・杉原与四郎中佐以下３２７名の将兵は九州南
端沖に護國の鬼と化し、悲惨、艦とともに轟沈し全員戦死せり。
（中略）
敵味方入り乱れての激戦の最中、沈没寸前に救助された乗組員の感激が「朝霜」の英霊に応え
るが如く、「愛宕」戦没者の慰霊碑が建立された事は、戦後三十余年を迎え遅ればせながら両艦
の偉勲を称えると共に、慰霊とご供養になることを信ずるものであります。
願わくば此の慰霊碑建立によって永久に平和を願い、戦争の悲劇を再び繰り返されないよう、楯
となっていただき祖国日本をお守りくださるよう念願してやまない次第です。
このようにして由緒深い玉沢の妙法華寺の境内に大東亜戦争の生んだ海軍の遺跡が生現した次
第であります。
昭和五十五年十月二十三日 三島 田方 駿東海軍会
寄り添うように建立された駆逐艦朝霜戦没者之碑（左）と軍艦愛宕戦没者之碑（右）
愛宕神社
軍艦愛宕宮城県出身戦没者慰霊之碑
碑文
この慰霊碑は軍艦愛宕と共に散華された方々の御遺族と乗組員であった人達の一念によって、
艦内に祀っていた愛宕神社の縁でこの地に建立されたものである。日夜寝食を共にした戦友が
いまだに南溟の海底に眠るを思うとき、その御霊よ安かれと祈り五十年祭を記念し由緒を記す。
平成六年十月二十三日 愛宕会一同
更新日：2010/05/02