エレクトロプランクトン

ディーエスの発表以来、任天堂は「異質な物」というキーワードを繰り返してきました。たしかに液晶画面が二つあり、スタイラスを使う直感的な操作性、無線LANによる通信プレイなど、パッと見たカンジでは目新しく感じることも多いのですが、それらの特長を個々に見てみると既に製品化されている技術ばかりだということに気付きます (そういった技術をうまくパッケージングしてるところがディーエスの凄いところな訳ですが)。ユーザーも馬鹿ではありませんからその辺は見抜いているし、そういった見かけの目新しさはちょっと時間が経つと慣れてしまって新鮮味がなくなってしまうのが常です (どんな新技術でも慣れによって一般化してしまうくらいですから当たり前なんですが)。しかもディーエスの場合、これまでに様々なソフトが発売されてきましたが、遊びやすくなったということはあってもゲーム自体が劇的に変わった!ということはほとんどなく小手先の変化球になってしまっていた感は否めませんでした。

そんな中、特に前知識もなく突然新作スケジュールに現れて発売されたのが本作。公式サイトで情報が流れていたのですが、印象としては音ゲーの側面を持った環境ソフトというカンジでした。環境ソフトといえばPSで発売されたアクアノートの休日なんかがありますが任天堂のハードで出るのはあまりなかったことなので、そういう意味では異質なのかな?と思いつつ結局は音を出すだけのソフトだよね、という風に思いとどまっていたのですが、何となく心にひっかかるものがあり結局買ってしまいました(しかも予約して (笑))

で、実際に一通り触ってみての感想は「?」でした。この「?」には色んな意味合いがあって、最初は「何をすればいいんだろう?」で、ちょっと遊んでみると「これがどうかした?」で、何の気なしに遊んでいるうちに「あれ?今のはどうやったのかな?」と興味が湧いてきてドンドンこのソフトに対する印象が変わってくるんだけど、それでもこのソフトがどういうものか表す上手い表現が見つからない「どう言えば良いんだろうか?」というのに行き着いてしまうという (苦笑)

ただひとつ言えるのはすごく遊ぶ人を選ぶソフトだなぁということ。これは悪い意味ではなく、むしろ「良くこういうソフトを作ってくれたなぁ」という褒め言葉と思ってもらった方が良いです。このソフトには明確な目標というモノがありません。シムシティのような観察している時間の方が長いシミュレーションでも最終的に人口○万人達成とかいう目標があるし、昔のアーケードゲームも明確なエンディングこそ無いモノのハイスコアを取るという目標がありました。しかし、このソフトの場合、何かをすればクリアしたことになる訳でもなく、また色々試行錯誤して素晴らしいモノを作り上げるということでもない訳です。よほど精密な操作が出来る人でもない限り同じことを何回も出来る訳でもないし、その結果をセーブして残せる訳でもないですからね。だからゲームの攻略に命を賭けてる人 (って、ゲームセンターあらしじゃないって (笑)) にとっては「ツマラナイ」の一言で片付けられるソフトです。

で、今の世の中、ゲーム自体が飽きられてきているといわれ (実際に遊んでる私としてはあまり実感は沸きませんが、売り上げの統計やメディアでの扱われ方を見ると、一般人が遊ぶ機会が減っているという認識はある)、実際にゲームをするのはコアな人が多く、そのほとんどが攻略至上主義の人と思われてる中でこのソフトを出すというその意味を考えると、本当の意味で任天堂が異質な物を作ろうとしているんだなという心意気が伝わってくるというか、ゲームが駄目になったとしても任天堂なら何か新しい娯楽を提供してくれるな、という期待を持つことが出来ました (自分でもかなり深読みしすぎだと思いますが (苦笑))

このソフト、ゲームというよりも一つの知育玩具のようなカンジで、個人的には子供に遊んでもらいたいのと同時にディーエスというか、この手の機械に触ったことの無いようなご年配の方に遊んでもらって、それを見てみたいというのが私自身の感想です。いや、自分で実際に触ってみて色んなリアクションが絶妙なタイミングで返ってくるのを楽しむことも出来るのですが、他の人がやっているのを見る方が絶対に楽しいと思うのです。このソフトくらいその人の感性が如実に出てくるモノはありません。その時々で生まれたモノ自体が既に一つの作品である、まさにインプロヴィゼーションの世界。こういう場合、下手に機械とか音楽の知識があると「上手くやろう」という意識が出ちゃうのでそういった下地の無い人がやることで突拍子も無い発想が出てくるのを楽しもうという訳です。あぁ、そういう意味では、お母さんやお父さんが子供と一緒になって遊んであげるというのも良いかもしれないなぁ。私には子供がいないんで良くわかんないですけど (笑)

最後に一言。ゲームも良いけど、マニュアルも良いカンジです。つーか、分厚い (笑)。もちろん、マニュアル読まなくても遊べるし、逆に最初はマニュアル読まないで適当にいじってみて試行錯誤するっていう楽しみ方もアリですが、一度は目を通してみると良いかもね。

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nintendogs・チワワ&フレンズ

現在ラブラドール(ラヴ・♀)と同居中。書きたいことは色々あるんだけど、まだまだ遊び足りないところもあると思うので、今のところは御姿のみでご容赦を。
写真1写真2
いずれきちんとしたカタチでレビューとしてまとめたいと思います(゚∀゚)

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脳を鍛える大人のDSトレーニング

東北大学未来科学技術共同研究センターの川島隆太教授が監修したゲームというよりも、文字通りトレーニングを目的としたチョット風変わりなソフト。ちなみに、脳を鍛えるとありますが、怪しげな機械を使って信憑性のハッキリしないデータを集め、お手玉を流行らせようとしたゲーム脳とは全く関係ありませんのでご安心を (笑)

脳を鍛える自体は既に何冊もの本を出版され、セガトイズから脳力トレーナーという携帯機も出ていたりして、世間一般、とくに年齢の高い世代の方々の間ではかなり認知度が高いらしいです。逆に言えば、そういった年齢層向けのソフトが出ることは、DSが単に子供向けのハードではなく、大人から子供まで、そして初心者から上級者までをターゲットにしたハードであることを示しているようにも思えます。

収録されているトレーニングやチェックは、種類は多いのですが実際にやることは各々非常に単純なことの繰り返しです(毎日少しずつでも良いから頒布トレーニングをすることによって脳を活性化させることが出来るというのが川島教授の理論 (詳細は川島教授の研究室のサイト参照) )。逆に単純だからこそ誰にでも簡単に始めることが出来て、しかも何回もやってしまうほど熱中してしまう訳ですが、これってゲーム&ウォッチにも通じるところがある・・・気がするけど、どうかな?特にゲームに対して特別な知識が必要な訳でもなく、難しい操作を覚える必要もなく、自分の能力 (ゲーム&ウォッチの場合は反射神経、このソフトの場合は脳力) だけが良い結果を引き出せる、逆に言うと何が悪かったのかという理由が明確 (=自分が悪いと納得できる) だからこそ何回も繰り返しチャレンジしてしまうといえるでしょう。

特に、毎日トレーニングモードでは個人のデータを記録して成績の推移をグラフで確認することが出来るので前の日の記録よりも良くなったとか悪くなったとかが一目瞭然。自然と前の成績よりも上を目指そうと躍起になって一回で良いのに(一日に何回トレーニングしても最初の記録しか記録されない)何回も繰り返しトレーニングをしてしまいます。あと、夏休みのラジオ体操カードよろしく毎日ハンコを押してもらえるのも継続していく上で励みになりますね。ハンコを集めることで挑戦出来るトレーニングが増えたり、オプションモードの項目が増えるという理由もあるのですが、やはりカレンダーに空きがあるとなんとなくカッコ悪いという気分的な理由も少なからずありますからね(個人的にはこの気分的な理由の方が大きい)

このソフト、その性格上当然一人で色んなトレーニングをして脳を鍛えるというのがメインになるのですが、一人でやっているだけだと毎日単調なことの繰り返しになってしまうのも事実。そこでトレーニングモードでは最大4人までの個人データが作れるようになっており、家族や親しい仲間達とひとつのソフトでトレーニングをしていくことが出来ます。各々の成績を見せ合って競い合えばトレーニングにも張り合いが出てくるってもんです。ただ、ひとつのソフトで複数のデータが入っていない、具体的な記録が見れないのは残念なところ(それとも私が記録の見方を知らないだけかな?)グラフ表示はメニューからいつでも見ることが出来るのですが・・・。ただ、複数のデータが入っている場合には、記録とか描いた絵などを見られるみたいです。しかも誰が出した記録なのかが分かるようになっているとのこと。これはかなり熱が入りますね(記憶力では負けても計算力では勝ってる、とか色々と比べられる)。ただ、教授の気まぐれで表示されるものなのか、メニューとして選択出来るのかは不明。一緒にトレーニングする相手がいないので・・・

常に競い合う人がいるというのは励みになるものですが、そういった人がいない場合、あるいはあまり大袈裟なスタンスではなく単純に楽しみたいという人達のために、毎日トレーニングするモード以外に、お手軽にチェックやトレーニングをする簡易版モードも用意されています。これが結構ポイント高し!ためしに会社で休み時間に出してみたら数人が寄ってきて次々に脳年齢チェックをしてその結果に一喜一憂してました。最近は、飲み会の席でケータイのミニゲーム(右脳チェックとか本ソフトと似たようなのが結構ある)とか占いサイトで盛り上がることがありますが、そういったところでディーエスと本ソフトを話のネタに出してみると結構ウケるんじゃないでしょうか (ディーエス自体がまず物珍しいってのもありますけど (笑))

さらに、大人数で競えるとっておきのモードが計算通信対戦。これはディーエスの無線通信機能を使って最大16人!までが参加出来る対戦モードで、次々に現れる計算問題(30問)を如何に早く解き終わるかを競うというもの。一切のハンデなし、己の能力がそのまま結果に現われるという、ある意味過酷なゲーム (笑)。短時間で決着が付くし、何より結果が分かりやすい(成績=自分の頭の良さ)ので、誰もがその結果に一喜一憂し、何回もやってしまうという中毒性があります。もっとも、小学生の時、テストでいつも最後まで時間がかかっていた人間にとっては早解きはトラウマかもしれませんが (苦笑)

ここまでは、本ソフトに収録されているトレーニングの内容について書いてきましたが、システム的な話を少し。ディーエスでトレーニングをやる利点としては、正確にチェックしてくれる(自分がやるとどうしてもチェックが甘くなってしまう)こと、手書き入力やマイクによる音声入力で回答するので、さらに脳を活性化させることが出来ることなどが上げられます。そして、この入力に関する技術がかなり凄いというのが本ソフトの特長の一つというか、トレーニングをストレス無く進めるのに大きな役割を果たしています。音声入力に関しては認識する言葉自体が限られているというのはありますが、それでもよほど発音が酷くない限り100%に近い精度で認識しますし、手書き入力も数字に関してはよほど酷い字でなければ間違いなく認識します。私の汚い字でも認識するくらいだからほとんどの人は大丈夫でしょう (もっとも、ある程度の補正が働いているみたいで、正解に近い数字を書いていたら自動的に認識してOKにしてしまっている感じもします)。ただ、ひらがなの入力に関しては (数字の認識に比べると) かなり低いですね。特に、濁点と半濁点は注意しないとまったく別の字に予測変換されてしまいます (苦笑)。実際にあったのですがを入力してるのにに認識されてしまったりになったりということがしばしばあります。経験上分かったことは濁点は点を2つ書かないで1つだけでOKということ。文字入力に関しては説明書に特に記載がありませんが、こういった入力に関するコツみたいなことは書いておいてほしかったなぁ、と。特に、本ソフトは普段ゲームをやっているような人ではなく、しかもディーエスに触るのも初めてという人が多いと思うので、そういう人はこういう入力という根本的なところで問題が発生すると説明書見る以外には何も解決手段が無い訳ですから (PDAとか色々使ってる人は機械のクセを探すという作業を出来るけれども)

あと、脳年齢チェックの出題がランダム (計算20、色彩識別、単語記憶、高速数え、順番線引、数字数えの中から3つが自動的に選択されて出題される) なので、自分が練習したいチェックが選べないのが残念なところ。特に最近物覚えが悪いというか物忘れが激しい私としては単語記憶をもっとやりたいと思っているんですけどねぇ (苦笑)。トレーニングは最初少なくどんどん増えていく仕様でこれは良いかなと思ってます (計算20、計算100、名作音読、瞬間記憶、文字数え、人数数え、三角暗算、時間計測、音声計算)。最初から何個も並んでるとメニューを見ただけで圧倒されてやる気なくしてしまいかねませんからね (笑)

とにかく、普段ゲームをやらない人にもオススメの本ソフト、上手くその魅力が伝えられないのがもどかしいですが、イトイ新聞での大盛り上がり大会の様子Touch!DSの動画を見てもらえば、きっとやりたくなるでしょう。普段ゲームばっかりやってる人も、このソフトで遊べば少しは勉強してる気分になれる・・・かもね?!

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DS楽引辞典

ゲームと違って明確なゴールがある訳でもないので、チョット使ったくらいで全てが分かるとは思わないのですが(使っているうちに思わぬ発見をすることもありますし)、とりあえず1週間ほどの期間中に思いつくままに使ってみたカンジを書いてみたいと思います。

いきなりソフト自体の話からは逸れますが、テレビCMでイトイ新聞のヨメナ語を前面に押し出したバージョン(30秒のヤツ)がありますよね。あのCMを見ただけだと「このソフトでは読めない単語を調べることも出来るのかな」と勘違いしませんかね?要するに「DSの手書き入力機能を使って読みが分からない漢字を直接書いて調べることが出来る」みたいな。実際、パソコンや手書き入力のPDAなどではそういった辞書、いわゆる漢和辞典があるのですが、本ソフトに収録されているのは「デイリーコンサイス国語辞典(第3版)」「デイリーコンサイス和英辞典(第5版)」「新グローバル英和辞典」の3種類であり漢和辞典はありません。要するに「読み方、あるいはスペルを入力してその言葉の意味を調べる」であり、かな文字や英数字の手書き入力は出来ても漢字を入力することは出来ません。この辺、結構勘違いしてる人が多いというか、実は私も最初は漢字入力が出来ると思ってた1人だったりします (苦笑)。ニンテン系の雑誌ですらこのソフトに関する情報はほとんど扱っていなかったようですしね (少なくとも私は見た覚えがない)。まぁ、買う前に実態に気付いた=納得して買ったので文句はサラサラ無いんですが、ガッカリしてる人は結構いるんじゃないのかなぁ、と。

使い始めて気付いたのは「ワイルド検索が出来ない」ということ。ワイルド検索というのは記号を使ってうろ覚えの単語を検索する機能のことで、たとえば「〜tion」とすると語尾が「tion」で終わる単語の一覧を表示したり「b??k」とすると「bで始まってkで終わる4文字の単語」を表示します。スペルのあいまいな単語を検索したり、活用形を調べたり、あるいは英語のクロスワードを解いたりするのに非常に便利な機能であり、紙の辞書では出来ない電子辞書の特長とも呼べる機能ということも出来るでしょう。逆にいうと、この機能が無いというのは電子辞書としての利点を損なっているとも言える訳で、この時点でこのソフトが電子辞書の代わりになるようなモノではないということも出来ると思います(ちょいと極論に過ぎますが)

では、このソフトはどういうスタンスで作られたのか。人によって色々と解釈はあるでしょうが、私は紙の辞書をそのまま電子ファイル化したという風に捉えています。実際に検索の仕方を見ると、先頭の文字から順番に入力していくと徐々に候補が絞られていきます。ある程度表示されたら最後まで入力するか、ページを1枚ずつめくっていくか(実際にスタイラスでなぞることでページをめくっていくようなシステムになっている)して目的の単語に辿り着きます。これって紙の辞書で調べる時と同じですよね (ある程度まで先頭から一致するところまでページをめくって後は少しずつめくって該当のページに辿り着く)。多分、電子辞書として高機能化することは出来たと思うんですよ。色々な機能を使ってみた感じとして。ただ、それをあえてしなかったのは、電子辞書としての高機能化よりも、まず辞書を引くという作業の原点に立ち返ったのではないかと。たしかに電子辞書はパッと引けて便利な機能もあるんだけど、紙の辞書の方が該当する単語以外の情報(該当する単語の載っているページの他の単語の情報や、引いているうちに見つかる単語の情報)とか、用例とか得られる情報量は格段に多く詳しい訳ですよ。一見すると無駄が多いように思えるけど、実は辞書というのはそういうところが利点でもある訳で、辞書を引くということはとても大切なことだといえます。とはいえ、何の目的もなく辞書を引くという人はあまり居ないでしょう(もちろん私も含めて)。そこで本ソフトの登場となる訳ですよ、これが (強引な展開ですが (苦笑))

もちろん、紙の辞書のような膨大な情報が一括して表示されるようなことはありませんが、単語を絞り込んでいく過程で予想もしてなかったような単語も含めて色々な単語が次々と表示されていきます。ここでスルーして目的の単語を絞り込むも良し、ちょっと寄り道して目についた単語を調べるのも良し、といった使い方が出来ます。また、スタイラスでページをめくるような感覚で候補一覧を表示させていくことが出来るのも実用性はともかくとして紙の辞書を使っているような気分にさせてくれます (実際の紙の辞書のように一気に数ページとばしてめくったりとかも可能)。言うなれば紙の辞書をシミュレートしているということが本ソフトの特徴であり、あまり辞書を使う機会の無い人にも辞書を引くことの楽しさを知ってもらおうとしているのかもしれません。

で、まぁそういったことから紙の辞書を本ソフトで置き換えると考えてみると、装丁の安い辞書(各辞書とも普通版とか中型版とかサイズや値段が違うのが用意されている)を選んだ場合3冊合計で6500円ほどします。この3冊を全て使う人がいるかどうかはともかくとして、揃えた場合の保管場所(3冊ともなると結構場所を取るし持ち歩くには重い)も合わせて考えると本ソフトの値段は安いし、持ち運びを考えた場合さらなるアドバンテージがあるといえるでしょう(用例などで収録されていない情報もあるでしょうから一概には言えませんが)。もちろん、ディーエス本体(15000円)は含まれていないので、あくまでディーエスを持っている人を対象にした見解であることは言うまでもありませんけどね。

ではディーエスを持っていない人が本ソフトを買うかどうか。これはチョット微妙。というのも、2万円もあればヨドバシカメラジャパネットたかたでもっと多機能な電子辞書(収録辞書の種類も豊富で、コンパクトかつバッテリ稼働時間も長い)が手に入るからです。実際に店頭でいくつか触ってみましたが、SONYのは収録コンテンツが多すぎて検索が遅いようなカンジがしますが、シャープのは同じくらいの辞書数(楽引辞典よりも遥かに多い)でも機敏に動きました。しかもこれらはインクリメンタルサーチやワイルド検索、複数辞書の一括検索にも対応しており電子辞書としての機能性は十分です。さらにプラス一万円くらいのクラスになるとメモリカードスロットに対応してオプションの辞書が追加できたり、脳を鍛える大人のドリルが内蔵されていたりと、辞書以外の要素も充実しています。ぶっちゃけ、仕事で使うのなら間違いなくSHARPSEIKOの電子辞書を買いますね、私は (笑)

ディーエスを持っていたということを差し引いたとして、では何故私がこのソフトを買ったかというと、遊び感覚で単語を調べるにはちょうど良いというのもありましたが、まぁやっぱり任天堂が辞書を作るとどうなるのか?ということに興味があったというのに尽きます。で、結果はどうだったかというと前述の通り紙の辞書をシミュレートするという点においては良く出来てると思います。ディーエスのプロセッサ性能もあって検索&表示速度に関しては市販の電子辞書より抜きん出ているし、手書き文字の認識率も高く (あらかじめ文字種を選択する必要があるというのは面倒ではありますが) ストレス無く使えるレベルだと思うし、検索した単語の履歴が延々と残されていくので後から見直すのが楽だったり、調べた単語をマークするのもボタン一つで簡単に出来たり、操作性も良いと思います。ただ、辞書と直接関係の無い機能の部分でアピールするところはあるものの、辞書ソフトとしては至極まっとうというかあまり遊び心を感じない=辞書を使った遊びの部分が少ないという点が残念です

辞書以外の機能というのはイトイ新聞のヨメナ語以外に、ピクトチャット、データ通信(ヨメナ語の追加、しおりデータの送受信)、ワールドクロック、カレンダー、タイマー/アラーム、電卓、パラパラマンガ(辞書というか教科書に良く描いて遊びましたね (笑))などがあります。ピクトチャットは、本ソフトで検索した単語を送れるという仕様拡張版なのですが、実はそれ以上に手書き文字入力が清書されて表示される(従来は手書き文字はそのままの形で送信されたけど、本ソフトでは手書き文字入力のマスを使えば同じ手書きという作業なのに清書された文字を出力することができる)という点においてかなりポイントが高いですね。今後ピクトチャットする時は本ソフトの機能を使うことになるでしょう(たぶん)。あと、個人的に気に入ってるのが電卓機能。%やルートまで使えるのも良いのですが、計算結果が履歴として残されていくので検算する時などに非常に便利です。ただ、その他の機能もそうですが、わざわざ電卓を使うためにディーエスを取り出してソフト起動して電卓選んで・・・という手順を踏むかといえば絶対にそんな面倒なことはしないです (苦笑)。電卓にしてもカレンダーにしても時計にしても常時机の上に置いてあるし、出かける時にはケータイを持ち歩いてるのでそれで事足りますしね。

ただ、使っているうちに思い出したのが、nintendogsのインタビューの際に宮本茂さんが卓上というキーワードを出していたこと。どういう意味かというとカレンダーが机の上にあっても飽きたとか言わないだろう、と。そういうソフトを作れないかと(本当は「飽きてもいいけど、遊んだ人が『人にあげたくない』と思えば良い」という意味合いが強いんですが)。このソフトってそういう部類に入らないかなぁと。PDAやケータイをクレードルに置いて、時計やカレンダ、あるいは自分の好きな写真を表示している人が居ますが、本ソフトでも同じことが出来ます(上の画面にワールドクロックとカレンダを同時表示可能)。で、普段はそういう使い方で机の上に置きっぱなしにしておいて、いざとなったら電卓や辞書機能を使い、使い終わったらまたカレンダー表示・・・というスタイルもアリかなと思ったりしています (まぁ職場で使うのはアレなので自分の書斎でという感じにはなりますけど)

ここまで色々と書いてきましたが、ぶっちゃけていうとやはり実用性を求める人には物足りないだろうなというのが正直なところ。紙の辞書はもとより、電子辞書と比べても単語の解説が少ないし、用例とかも省略されている場合が多いので、仕事や勉強に(本格的に)使おうとするのはかなりツライと思います。逆に言うと、そこまで使い込もうと考えていないけど、なんか調べたい時に辞書があると便利かもしれないなぁ、というスタンスならば十分実用に耐えうると思います。まぁ、私自身は他に電子手帳やPDAも持っているし、パソコンを起動してる時はそっちの辞書を使ったりネットで調べた方が早いので元々実用性を求めていませんでしたから「この価格ならこんなもんでしょう」というカンジですね。もしこれが初めての電子辞書という人にはかなり便利に感じると思います。

最後に、もし改訂版とか、他の内容の辞書を出す(ことは無いと思うけど)としたら検討してもらいたい事項をいくつか。複数辞書の一括検索した場合にリストアップされる単語の色分けが微妙な色なのでチョット見づらいのでハッキリと色分けして欲しいかな(一応色弱の私でもなんとか区別出来ましたが・・・)。検索した単語の文字の大きさを4段階で変更出来るのですが、最大にした時のフォントが汚い(ジャギー)が目立つ。まぁ読めるから問題は無いのですがヤッパリ気になるかな。あと、スクロールボタンの配置とか履歴の参照ボタンとか分かりにくいとは言わないんだけどちょっと迷うというか直感的じゃないなぁ、と。タッチパネルを使わない時のボタンでの操作(あまりやる人はいないと思うけど)も十字キーの左右でページめくりされるのかと思いきや一単語ずつカーソルが移動するというカンジでまどろっこしいですしね。あと、やっぱり漢和辞典を搭載して欲しい。難しい漢字の認識率が低いというのならば、部首検索とか画数検索でも良いので。意味の分からない単語もさることながら読みの分からない単語も多いので。あと、漢検の勉強にも使えると思うし(いや、今のところ受ける予定は無いですけどね (笑))。辞書とは関係ないですがヨメナ語については単に読み方を確認するという形式でなく、実際に解答を入力して正誤を判定するクイズ形式だったらもっと面白かったかな(似たような話で英単語テストみたいなものも入っていると良かった)

[補足]「ゲーム&ウォッチ」で検索すると、ボールで遊ぶことが出来ます。あと「マリオ」「ルイージ」「ピーチ姫」「ドンキーコング」「ゼルダの伝説」「任天堂」「ファミコン」など調べてみると・・・

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やわらかあたま塾

通勤に電車を使っている人なら□いアタマを○くするという知能テストのようなモノを見たことがあるのではないでしょうか。また、テレビの平成教育委員会のような知能テスト (実際には受験問題として使用されているものが多いみたい) などを題材にした番組 (常識クイズみたいなのも含む) が増えており、一度は目にしたことがあるという人も多いと思います。本ソフトは正にそういった題材を扱ったモノで Touch! Generation シリーズのひとつとしてリリースされました。そういう意味では、一般的なゲームとは違うスタンスに捉えられそうですが、実際には (他のGenerationソフトに比べると) かなりゲーム感覚が強くなっています。

本ソフトでは知覚分析言語数字記憶という5つのジャンルの各々について3種類の問題が用意されています (=全部で15種類の問題がある)。各々の内容については公式サイトを見てもらうとして、同じジャンルでも簡単な問題があったり難しい問題があったり・・・というか私自身が得意/苦手という意味ですが (苦笑)・・・する他、モードによってはさらに問題ごとにレベルを設定することが出来ます (1〜3レベル、レベルが上がると出題スピードが速くなったり、解答で扱うデータが増えたりする)

これらの問題は3つのモードで挑戦することが出来ます。まずあたまのストレッチと呼ばれるモード。これは、上述の15種類の問題から好きな問題を選び、制限時間(60秒)の中で何問解答出来るかを競うモノ。正解数と正答率によってスコア (脳の重さ) が表示され、スコアによってプラチナ・金・銀・銅のハカリメダルというのがもらえる。自分の好きな問題を極めるも良し、苦手な問題の克服に使うも良し、本ソフトの要となるモードです。

やわらかテストモードは、5つのジャンルからランダムに1問ずつが出題され、各ジャンルの成績から総合的な判定が下されます。判定は、脳の重さの他、各ジャンルのレーダーチャートが表示されるので、自分の得意分野と苦手分野が一目瞭然となっています。その他に段位と「○○あたま(たとえば「デザイナーあたま」とか)」というコメントも表示され、プレイヤー選択画面で名前と一緒に段位が表示されるようになっています (脳を鍛える大人のDSトレーニングの脳年齢みたいなカンジ)

3つ目の対戦あたま塾は、無線を使った通信対戦で最大8人まで参加可能。しかもDSダウンロードプレイに対応しているので、ソフト1本あれば (当然ディーエス本体は人数分必要ですが (笑)) 遊べてしまうというお手軽さ。対戦では全15種類の問題の中から参加者の一人 (ランダムで決定される) が好きな問題を選択。同時に問題のレベルと目標やわらか度を設定します。早く正解した参加者から順番にポイントが与えられ(1位は10g、2位は8g、、、等)、このポイントの合計が目標やわらか度を超えた参加者が出た時点でその問題は終了となり、数問が終わった時点でポイント数が一番多い参加者が優勝となります。問題の中には当てずっぽうで答えて正解するものもありますが、対戦の場合間違えると減点されるというルールがあるので、こういった戦法で戦うのはリスクが大きいといえるでしょう。

これらのモードはユーザー登録しないと遊べないのですが、脳を鍛える大人のDSトレーニングのお手軽版よろしく、本ソフトにも体験入塾というモードがあります。これはやわらかテストモードの制限時間を短くしたモードで、ユーザー登録しなくてもプレイ出来るので、友人にちょっと遊ばせてみるとか、お店の試遊台で遊べるようにしておくなど、お手軽に本ソフトを楽しませることが出来ます。この終了後にはちゃんと脳の重さも表示されるのですが、制限時間が短いせいか若干厳し目の評価になることが多いようです。この辺り、買って頑張ろうと思うか、難しいから良いやと思うか、微妙なところではありますが、個人的にはこういう他人の反応を見て楽しめるソフトにはこういうモードがあると嬉しいなぁと思ってます (あまり遊ばない人のユーザー登録するのはチョットという気がするし (苦笑))

アタマを使うソフトという観点から脳を鍛える大人のDSトレーニングと比較されるというか同類と思われている本ソフトですが実際にやってみると結構違うことに気付きます。その最たるモノが継続性が薄いという点。まぁ、これはソフトの性格が違うので当然なのかもしれないのですが、脳を鍛える大人のDSトレーニングの場合、たとえ記録を更新していようが記録が悪くなっていようがその日の記録として残っていきます。そうやって記録された結果はグラフとして見ることが出来、成長しているのを実感したり、調子が悪かった時のことを思い出したり出来るので、定期的に (私の場合ほぼ毎日) やる気になります。

それに対して本ソフトは、良い記録が出たら古い記録に上書きされる (常にハイスコアのみが残る) ようになっているので、それまでの経過がまったく残りません。もちろん、点数が高ければそれだけアタマがやわらかいということも出来るのでしょうが、それが毎日更新されている結果なのか、それとも突発的に1回だけまぐれで高い点数が取れたのか、定常的に同じような点数が取れているのか、良い時と悪い時の波があるのか、といった傾向がまったく分からないので成長している (やわらかくなっている) かどうかが判定出来ないんですよね。実際、現在私の名前の横には8段と表示されているんですが、たまたま得意な問題ばかり出ただけのことで、平均すると3段から5段くらいのところを行ったりきたりといったカンジだったりします。で、こういった場合、とりあえず1回でも最高点が出ちゃったらそこまで、みたいなね。もういいやって、そんな気が起きてくる訳ですよ。少なくとも対外的にはそのスコアを見せれば極めたって言えちゃうから (脳を鍛える大人のDSトレーニングだと、トレーニング結果の傾向を見ればまぐれなのか完璧に取れるのかバレちゃうけど)。

あくまで脳の育成ソフトではなく脳の活性ソフトということを考えればOKだと思うんですけど (気が向いた時に遊ぶミニゲームみたいな感覚で)、飽きるのは早いかもしれませんね。特に私の場合、一人用よりも先に対戦で遊んで凄い楽しい思いをしたものだから、ストイックに記録に挑戦するというのはモチベーションがなかなか保てないんですよね (苦笑)

あと気になった点を挙げると、全体的に文字やキャラクタが小さいかな、と。私はまだ老眼ではないので大丈夫ですが、脳を鍛える大人のDSトレーニングを買った高齢の方とかはチョット見辛いんじゃないかなと心配になってしまいました。それと、これはペア探しという問題に関することなのですが、色弱の私は赤と緑の区別が付かず躊躇してしまいます。正確にいうと、同じ赤丸なのに、私には緑に見えたり赤に見えたりする (色が点滅しているように見るたびに変わる) ので違うものと認識してしまい、そこで思考が止まってしまいます。未だにペア探しだけは苦手です・・・。まぁこれは特殊な例なので普通の人は気にしなくて良いことだと思いますけどね。

頭の体操(多湖輝著)というのが昔流行りましたが(今でも売ってる)、ああいう発想の出来る人なら本ソフトに収録されている問題はそれほど難しくないでしょう。ただ、知能テストのような単純な作業ばかりではなく、知識を必要とする問題もあります。たとえば、バラバラ単語 (文字を並べ替える問題) などはヒラメキも大事だけど言葉を知っている必要もある訳です。ワールドホビーフェアの大会で実際に問題としてあったのが「大銀杏(おおいちょう)」。相撲の力士のまげのことだが、誰もこの言葉を知らなかったという (苦笑)

色々と書いてきましたが、脳をやわらかくする云々というよりも単純にミニゲームとして楽しいソフトだと個人的には思います。毎日熱心に遊ぶことは無いかもしれないけれど、たまに時間つぶしに遊ぶには最適かと (あと、対戦で遊ぶ時ね)。本ソフトはこのページで紹介している他のソフトと一緒にTouch Generation!シリーズとして(現在のところ)最後のラインナップとなっています。これらのソフトによって今までゲームを遊んでなかった人達を取り込むことが出来たという話も聞きますし、ぜひ今後も同シリーズのラインナップを拡充していって欲しいですね。

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