西大寺四天堂
Shiten-do hall of Saidai-ji Temple

梅原猛さんは西大寺を「俗と聖の間の寺」と呼んでいる。(光文社文庫「私の古寺巡礼」)それはこの寺が称徳(孝謙)天皇が発願した官寺として設立されながら、その後衰退し、叡尊が真言律宗にもとづく民衆仏教の寺として再建したことを指している。西大寺は以来真言律宗の寺として生きている。以前訪れたときに感じた「この寺は何のために建てられたのだろうか」という疑問が解けた気がした。創建された寺と、今ここにある寺は違う寺だということだ。堂内に上って四天王像と帳の中の長谷寺様式といわれる十一面観音様を拝見した。修業中の若い僧が二人、護摩修業を行っていた。 次へ