北円堂
Hoku-en-do Hall

初めて弥勒如来坐像、無着・世親菩薩像を拝観する。いずれも運慶の代表作だ。東大寺戒壇院の四天王像を見たときと同じような、胸が衝かれるような美しさだった。
無着・世親の像は背後から見ると、より実在が感じられた。運慶の技術は神の領域に入っていたのではないかと思う。弥勒如来さんの右手は上品(じょうぼん)の形で、親指と人差し指で輪を作り、他の指は軽やかに伸ばしている。これほど美しい手も拝見したことがない。
外は風が少し強くなり、八重桜の花弁が雪のように舞っていた。     次へ