1997年6月 斑鳩散歩

法隆寺
Horyu-ji Temple

中学の修学旅行以来はじめて訪れたが、その時のイメージはわずかに残っていた。また、記憶から消えていたが今回思い出した感覚もある。南大門へ向かう松並木の参道と、東院伽藍への築地塀の記憶がそうだった。少し落ち着くように、拝観する前に右の塀際に立って塔と中門をスケッチしてみた。3Bの鉛筆で時間をかけて描いた。中門正面の左に「世界遺産 法隆寺」と記した大きな石碑がある他は変わったところはなさそうだった。少し厳粛な気持ちになって伽藍の中に入っていく。

桜の蕾がほころびかけた頃、再び法隆寺に立ち寄った。法隆寺駅から歩いて南大門前の松並木まで来ると言い難い期待感が湧き上がってくる。南大門からここまで歩くと、日本の宝の真中に自分がいることが実感できる。こういう気分になるのはここをおいて他にない。   次へ
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