自律神経の乱れには鍼灸治療が有効です!

自律神経失調症の治療

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた時に生じる病気です。そして、鍼灸治療は、自律神経失調症に最も効果のある治療法の1つです。鍼灸治療は、薬のように副作用もなく、自分で自律神経をコントロールできるように促してあげる治療法でもあります。

鍼灸治療は、本来、自律神経の働きを意図的に整えることができる治療法です。
WHO(世界保健機関)の伝統医学部門、鍼灸に関する報告書の「臨床試験によって有効性が証明された」という疾患・症状では、うつ症状、頭痛、頚部痛(首の痛み)、腰痛、吐き気、低血圧、高血圧などが明記されています。

自律神経が乱れるって何?

自律神経

自律神経は、交感神経と副交感神経に分けることができます。
自律神経とは、心臓、肺、胃腸、汗など自分の意思とは関係なく24時間刺激や情報に反応して自動的に働き体の機能をコントロールしている神経です。

交感神経は「活動・ストレス」の神経

交感神経の極度な興奮は、体中の筋肉の緊張につながり、様々な不調の原因となりますので、交感神経の興奮をいかにして和らげてあげるかが自律神経失調症を治すための重要な課題となります。
また、交感神経が興奮していることが全ての問題ではなく、こころとからだを修復してくれる副交感神経の働きが追いつかないことが問題となります。

副交感神経は「リラックス」の神経

副交感神経は、休憩中、睡眠中などリラックスしている時に働く神経で、「からだの修復」をおこなってくれます。
昼間の仕事や勉強、運動によって疲れたからだを睡眠中など、副交感神経が交感神経よりも優位に働いた時に修復し、元気な状態に戻してくれます。

エネルギーを蓄積し、からだを防御的な方向に向ける神経です。また、副交感神経は、内臓に対して迷走神経という名前に変わって働いてくれます。

自律神経失調症 4つのタイプ

心身症型自律神経失調症

日常生活のストレスが原因です。心と体の両面に症状があらわれます。自律神経失調症の中で、もっとも多いタイプです。几帳面で責任感があり、努力家のまじめな性格の人がなりやすいです。

抑うつ型自律神経失調症

心身症型自律神経失調症がさらに進行した重度のタイプになります。

やる気が起きない、気分がどんより沈んでいる、といった「うつ症状」が見られます。

肉体的にも、頭痛、微熱、だるさ、食欲がない、不眠などの症状があらわれます。身体の症状の陰に精神的なうつも隠れていますが、病院では、身体症状を改善するための鎮痛剤、精神安定剤など対症療法しか受けられず、長い間、不快な症状に苦しむ人が多いようです。几帳面な性格や、完全主義のタイプが陥りやすいです。

本態性自律神経失調症

ストレスに弱い体質、生まれつき持っている体質に原因があります。自律神経の調節機能が乱れやすい体質のタイプです。

虚弱体質の人や、低血圧の人、発達障害に多く見られます。病院で検査をしても特に異常が見つかりません。日常生活のストレスもあまり関係しません。

本態性型は、体質そのものに原因があります。体質改善をするためは、鍼灸治療しながら、食事、睡眠、運動、休息などの生活習慣を見直していく必要があります。

神経症型自律神経失調症

ストレスに弱い性格、心理的な影響が強いタイプです。

自分の体調の変化に非常に敏感で、少しの精神的ストレスでも体調をくずしてしまいます。

感受性が過敏なため、精神状態に左右されやすいタイプです。感情の変化が体に症状として現れます。

自律神経失調症とうつ病の違い

自律神経失調症は、自律神経がストレスによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称です。

一方、うつ病は脳の神経細胞の間で「神経伝達物質」と呼ばれるセロトニンやノルアドレナリンの量が減って、情報がうまく伝わらないために、さまざまな症状があらわれる病気と考えられています。

うつ病の中にも自律神経症状はよく認められます。しかし、うつ病では、自律神経失調症とは診断しません。あくまで状態であり、自律神経症状です。

自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療目的

  • ストレスを和らげ、自律神経症状を改善する
  • 身体症状が改善することで、悪循環をなくす
  • 二次的なうつ状態や不安障害を改善する

自律神経失調症では、交感神経が過緊張状態であることが多いです。そのため、交感神経の興奮状態をいかに鎮めてあげるかが症状改善の近道となります。

そして、鍼灸治療には、薬を使わず自律神経を調節する方法があります。

自律神経を調節する目的は、

  1. 副交感神経機能を高める
  2. 交感神経機能の過緊張を鎮める
  3. 交感神経機能を高める

などを状態に合わせて選択します。

1は、軽度の自律神経失調症もしくは再発防止の管理のために。
2は、自律神経失調症の症状が強い場合。
3は、どちらかというと起立性調節性や喘息発作に対して活用することが多いです。

効果1:心拍数の減少

自律神経失調症の患者さんは、心拍数が多くなっている傾向にあり、副交感神経抑制状態にあるといえます。

鍼灸治療をおこなうことにより、治療中から心拍数が低下していきます。これは、副交感神経機能が活性化し、自然治癒力を高める理想的なリラックスした状態になるということです。

効果2:血圧の低下

血圧が高い、イライラする、眠れない、頭痛がする、手足が冷える、浮腫むなど交感神経機能の高まりが原因で起こる症状に対し、全身的交感神経機能の過緊張を解く作用のある鍼灸治療をすることで前述した症状が改善していきます。

効果3:片頭痛の改善

疲れやすい、低血圧、朝起きれない、片頭痛がする、立ちくらみがする、夕方になると足が浮腫むなど交感神経機能の低下によって起こる症状は、全身的交感神経機能の適度な亢進作用が望める鍼灸治療を行うことで血管の緊張性も高まり、特徴的な諸症状を改善させてくれます。

効果4:柔軟性の向上

鍼灸治療をおこなうことで、交感神経の過剰亢進が正常化し、筋肉の過緊張が改善されます。鍼灸治療をおこなうことで、立位体前屈からの指床間距離が治療前と比べて近づいたという研究結果も出ています。この変化は治療直後じ体感することもできます。

効果5:冷え性の改善

自律神経の機能が改善することで、末梢血管(指先の血管)の過緊張がとれることで鍼灸治療5分後より指先の皮膚温度が上昇します。

もともと、血管は自律神経によって支配されているため、自律神経の機能に異常がしょうずると当然のことながら血管の運動に変化が起こり、冷えやほてりなどがあらわれます。

特に足の冷えの多くは、足の血管の緊張が解けないという状態で起きます。更年期障害の冷えやほてりも、自律神経関与の症状としてあらわれるものが多いです。

効果6:朝起きれるようになる

自律神経障害の一つとして、思春期の子供に多い起立性調節障害があります。

起立性調節障害とは、朝起きれない、気持ちが悪い、頭痛がするなどの症状を伴う自律神経の機能不全を起こしている病気で、その殆どが自律神経(末梢血管交感神経)活動が低下しています。

立ちくらみである起立性低血圧も自律神経障害の一種ですが、起立性調節障害では、起立直後すぐに活発化するはずの交感神経が作動せず、また循環血漿流量も少ないことが相まって血圧が低下したままになります。

一方、心臓は血圧を維持するために心拍数を増加させ、起立中に頻脈を起こします。

鍼灸治療をおこなうことで、このような交感神経の低下による血圧の低下や頻脈を正常に維持できるようになり、朝、血圧が低すぎる、頭痛がして動けないといったような症状を改善することができます。

鍼灸治療により、副交感神経機能を高める反射をつくる。そして、呼吸によって起こる副交感神経機能リズムに鍼灸刺激でつくられた副交感神経機能が高まった反応が同期すると、ブランコの揺れが大きくなるように、からだの副交感神経機能が大きくなります。それに交感神経機能が同調し、結果として自律神経機能が高まるのです。また、交感神経の高ぶりが強い状態では、正常に働くように交感神経の高ぶりを下げてあげることもおこないます。

自律神経失調症を治したい方へ

自律神経失調症の治療自律神経失調症になる原因は、生活の中に必ず問題があります。
何も対処をしないままでいると、症状が悪化し深刻な状態になってしまいます。
そのため、自覚症状に対して一つずつ対応していく必要があります。当院の鍼灸治療は、症状を緩和させながら、再発防止、ストレスに耐えられる体質にかえる方針をとっています。

まずは今ある症状を楽にして、安心して生活できるよう治療をはじめましょう。
いろいろな治療を転々とするのではなく、鍼灸治療で一緒に根本的に治していきましょう。

お気軽にお問い合わせください!

0748-43-0789(診療時間 平日9:00~19:30)