3 次コオナアへゆくまへがきへ戻る       *                                                                 をはり                                                                                     もみたむ山を越え来ざらめや                           春されば帰る此の雁秋風に                              一に云はく                                           けがあらうか 風が吹く頃になれば 黄葉した山を飛び越えてやつて来ないわ  春になつてかうして故国に帰つてしまふけれども また秋                                 もみたむ山を越え来ざらめや 一九|四一四五                          春まけてかく帰るとも秋風に       *                                             中を鳴いて渡る   燕が飛来する季節になつたとて 雁は故郷を慕ひつつ雲の                                くにしのひつつ雲隠り鳴く 一九|四一四四                          燕来る時に成りぬと雁がねは                        帰雁を見る歌二首