Michell Engineering
Gyro SE Turntable
自動停止・自動リフトアップに改造済

レストアの様子はこちら



2001年宇宙の旅の特撮模型を手がけたMichell氏による
フローティング型ターンテーブル


 2010年頃にオーディオユニオンで見かけて以来、いつかはこのプレーヤーになりそうな予感がしていました。私には、まさに合理性の塊りに見えます。

●デルリン製プラッター
 これが正しい! 金属ではアースに落としておかないとノイズを誘導するが、軸受けのベアリング経由でアースに落とすのは不安定。

●そこに黄銅金メッキの分銅を6個
 全体は軽量のまま、慣性モーメントは大きい。軸受けに無理がかからず、これが正しい! 
しかも、回転姿は、一度見たら忘れられない。2001年宇宙の旅です。

●オイル循環・上向き軸受け
 軸受けトップにベアリングが載り、上で支える。ベルトはその支点と同じ高さにかかる。軸受け外周にはスパイラル、シャフトトップから下まで小さな貫通孔。オイルをスパイラルで吸い上げ、トップの穴から戻すというオイル循環システム。これが正しい!

●DCモーターで駆動
 これが正しい! 低電圧でもAC駆動では誘導が乗る。

●吊り下げ型フローティング構造
 トーレンス同様ふわふわですが、吊り下げなのでさらに安定。これが正しい!

●独自のネジ締め式軽量レコードクランパー
 これが正しい!重さだけに頼ると軸受けに余計な負荷をかける。トーレンスでも、私は軽量のゴムクランパーで押さえています。


 いまや新品は100万円越えになりましたが、掘り出し物の中古品を、オーディオショップではない普通の中古品店で発見。18万円だったS字アーム(カジハラ・ポールスターUNIV2)も付属。同じ現行アームは22万円です。
 長らく放置されていたらしく、埃まみれ、脂まみれ、錆びだらけのジャンクっぽい状態。でも指で拭ってみると、まったく傷もなく、錆と見えるのも実は汚れ。レストアすれば新品になるんじゃないの、という状態なのに気がつきました。動かなければ全額返金とか。でも動いてました。

 保証書まで残っていて2010年製とわかりました。テレオンさんから買ったみたい。ドライブベルト(外してあった)さえ伸びきっていない。長期間放置されたけれど、あまり使われていないのでは? 即断して買いました。

レストアの様子はこちらにまとめました。

レストア結果はトップ画像の通り。まったく傷なし、エンブレムのカスミさえない、新品同様に復活。


自動リフトアップ、自動停止システム
 まずやったことは、Pro-Ject Xtension9TA で開発した自動リフトアップ、自動停止システムをGyro SEにも導入。接点は作り直しましたが、おかげで、見た目も洗練されました。



 一つだけ、無くなっている部品がありました。シャフト後端にあるべき補助ウエイト。シャフトと同じ太さのシャフト延長も兼ねる部品。これがあればSPUでもバランスが取れる。
 私の場合は、カートリッジが軽量のSUMIKO Starling ですから、これがないままでバランスが取れました。ただし、注意すべき点があります。固定の補助ウエイトがあると、主ウエイトを移動すると、補助ウエイトとの重心が移動しますが、補助ウエイトがないと、主ウエイトの移動距離が重心の移動そのもの。
補助ウエイトがないことで、おなじ主ウエイト移動量でもかかる針圧が変わる。つまり、ゼロバランスを取って目盛をゼロにしても、ウエイト周りの目盛通りには針圧がかからない。
 針圧系で計測したところ、表示が 1.5 でStarlingに正しい 2g がかかりました。だから上の写真では1.5になってます。気が付いてよかった。まあ、表示意外に支障はないです。むしろ軽量でいいかも。

ウエイト後ろがぎりぎり。本来は、ここに延長シャフト兼補助ウエイトがあったはず。


アクリルダストカバー


Gyro SEの美しさをスポイルしないダストカバーを考えました。
箱型を特注するのも簡単ですが、やはりSE(スパイダーエディション)の美しさを生かしたい。そこで考えたのが、このアクリルパネル。4っの磁石で着脱します。ハンドルも似合うものを探しました。我ながら、上出来です。


圧倒的ハウリングマージン
 回転を止め、レコードに針をおろしてマッキントッシュC1100 のボリュームを最大(表示99)にしても、ハウリングは始まりません。フローティング型の威力です。
 これはトーレンスTD-126 MkIIIもそうでした。しかし、Pro-Ject Xtension9TAでは、カバーをあけても98でハウリング、カバーを閉じれば96でハウリングしていました。
 この点、Gyre SEのハウリングマージンははるかに大きい。そのせいか、音は一段と安定しました。

不思議なほどの高S/N
 ハウリングマージンが大きいせいで低域が被らないのかもしれません。S/N比が上がりました。曲間ノイズが非常に静かです。音そのものが断然よい気もするのは、気のせいかもしれませんが、S/Nは明らかに違います。

おそらく、世界唯一の自動リフト・停止するGyro SEです。レストアして新品同様になり、自動リフト・停止も導入。オーディオは楽しいですねえ。

2026年10月

オーディオのページのトップへ